歩いた、今回も歩いた! 今までで1番歩いた!! まだ数えるほどしかやっていないけど、徒歩で行くサービスエリアシリーズ最長の徒歩記録を更新してしまったぞ。
今回訪ねたのは、茨城県笠間市にある常磐自動車道の「友部サービスエリア」である。片道1時間半の道のりを必然に駆られて、行きも帰りも歩いたぞ~!
・歩くしかねえ!
私の住まいの最寄の中野駅から目的地の友部SAまでは、最短で約2時間半である。中央線で東京駅に出て、そこから特急ときわ(ひたち)で友部駅まで行き、そこから路線バスで約10分。さらにそこから徒歩で約30分の道のりである。
繰り返すがコレは最短ルートだ。私のとった道程は最短ではなく、もしかしたら最長だったのかも……。
とにかくまずは東京駅へ。午前10時前は、通勤通学のピーク時をすぎており、落ち着いている。
特急ときわは全席指定。あらかじめ中野駅で指定席券を購入しており、なおかつ乗車まで20分以上あったので、東京駅で土産物事情をゆっくりチェックするだけの余裕があった。今日は幸先がいいぞ。
慌てることなく無事に乗車して、まずは一路友部駅へ。席に座っているだけで、1時間半後には到着する。途中ウツラウツラと居眠りするだけのゆとりがあった。
そういえば、途中石岡駅で停車した際に、その隣が「羽鳥駅」であることを知った。羽鳥という苗字は茨城が元なのかな? 神奈川や静岡にも羽鳥という地名があると、編集長GO羽鳥から聞いたことがあったなあ。
そして、友部駅に到着~! さあ、ここからバスに乗って約10分。友部SAの近くまで行くぞ。
地図アプリで表記は見えないが、「住吉団地入口」という停留所まで行くんだよな。
で、現在の時刻が11時40分。次のバスが来る時刻が~……。
ナニ!? 1時間10分後の12時50分だと!
こんなところで1時間もジッとしているわけにはいかない。少しでも早くSAに行かねば。1時間待っているくらいなら、1時間分前に進む方がいいに決まっている。
この足で行くしかなかろう
俺は行く! 徒歩で行く!!
・1時間半の道のり
ってことで、地図アプリでナビして歩いて行くことに。予定到着時刻は13時14分。所用時間1時間26分、距離は5.8キロだ。そんなに長時間歩くのに、たった6キロしか稼げないなんて、なんかちょっと損してる気分。とにかく行こう。
少し歩くとスーパー「カスミ」があった。茨城を中心に北関東で店舗を展開するスーパーチェーンだ。寄ってみたいところだが、先を急ぐぞ。帰りも歩きなら寄るかも。できれば帰りは歩きたくないが……。
さらに歩くと「友部Fashion Mall」という看板発見。ここはしまむらを筆頭に、しまむらグルーブのアベイル・バースデー・シャンブルが集まったエリアだった、
茨城県道281号「平友部停車場線」。この通り沿いには、大きな看板を掲げたお店がいくつも並んでいる。この台湾料理のお店も看板がデカい。ハローマックの跡地だろうか。なんて読むんだ?
あとから調べたところ、このお店は「鑫隆(シンリュウ)」というそうだ。店内はかなり広そう。
歩き始めて30分。日差しは強くないけど湿気がまとわりついて汗だくだ。とりあえずタオルを首に巻いておこう。これがあるだけで、首元の汗の不快感はかなり緩和できる。
さらに少し歩いたとこに「ワークマンプラス」があった。買いたいものがあるので、ちょっと寄ろう。
購入したのは「アーチパワーアシスト(ショート)」という靴下(税込980円)である。あまり知られてないけど、この靴下はいいんですよ。
というのは、今日履いている靴下は長距離を歩くのに向いていなかった。ヴィレッジヴァンガードで買ったものなんだけど、グリップの弱い繊維で、靴の中で足裏が滑るんだよねえ。このまま歩き続けるのはしんどい……。
そう思っていたところ、ちょうど良くお店にたどり着いた。早速買って履き替えると、履き心地がイイ!土踏まずのアーチをしっかり支えてくれるので足が楽だ。これなら安心して歩いて行けそう。この靴下はワークマンの隠れた名品なので、おすすめだぞ。
この近くには「筑波海軍航空隊記念館」がある。その隣には、「国土交通省 東京航空局 友部航空無線通信所」があって、とてつもない高さの鉄塔が見える。アレはアンテナかな? 写真じゃわかりにくいけど、相当な高さだ。
全行程の半分くらいまで来たかな。「ばんどう太郎」の前を差し掛かった、ちょっと寄って昼メシでも……。いやいや、SAまではガマンせねば……。
この辺は郊外型の大型店ばかりだなあ。スーパーセンター「トライアル」に……。
ここにも「カスミ」、さすが茨城発祥のスーパーだ。茨城県内100店舗超はダテじゃない。
こちらはホームセンター「山新」。これも水戸市に本社を置く、茨城でメジャーのお店らしい。初めて見た。
暑い~……。まだか、SAにはまだ着かぬか。3分の2くらい歩いたと思うだけど……。
おお! 友部SAの案内板!! こういうの見ると、俄然テンションが上がるよね! 近づいているという実感が元気を与えてくれる。こういうのジャンジャン出してくれ!
1時間歩いたようだ。残り30分なら、もうすぐ着くな。頑張ろう!
上を走るのは北関東自動車道。ここをくぐれば、この孤独なレースは終盤戦に突入だ。
そういえば、高速道路が見えて来ないなあ。高速を象徴する防音壁すら見えて来ないのに、ナビの示す先は森?
この道、本当に合ってるの? 不安になってきた……。
本当にこの先にSA? ウソだろ? 倒木がその辺にゴロゴロ転がってるような森に入ったんだが。街灯すらないから、この道を夜歩くのは怖いだろうなあ。
不安と期待の入り混じった気持ちで歩いていたところ……、やや! あれは!? SAで見かける鉄塔と給水塔じゃないのか? もしかして、あの下には!?
何か施設の入口を示す看板らしきものがある。急げ!
キター! 友部サービスエリア(下)のパーキング入口だ。
おお~、あの先に一般の駐車場があるのか。この坂を下ればすぐだ。
着いた~! 立派なゲートのない地味な入口だ。とにかく中に入ろう。
来たよ、来た来た! サービスエリア。広い駐車場に車がたくさん止まっているのを見る、その瞬間が1番好きなんだよね。皆さん、高速でいらっしゃったんでしょ? 私? 私は歩いて来ましたよ。だから、その気になればお酒も飲めちゃうよ。飲まないけどね。
お待たせしました、皆さん。いつものコールの時間ですよ。ご一緒にご唱和ください!
「徒歩で来た。」
・納豆ドッグ
この施設は2010年にリニューアルオープンしており、まだキレイで新しさすら感じられる。
土産コーナーが充実しており、お菓子を中心に品数豊富。できれば青果を買いたいと思っていたんだけど、守谷SAのように地元野菜を販売する専門店に期待してたけどなかった。残念……。
フードコートもシンプルでスタバ以外に、大手の外食チェーンは入っていない。
コレ! と思うものはないので食事は後回し。とりあえず納豆ドッグを食べてみよう。水戸が近いから名産品の納豆に力を入れてるんだなあ。
納豆ドッグは誕生から15年を経ているそうだ。その歴史の始まりになった「元祖納豆ドッグ」(税込390円)を食べてみよう。ソーセージと納豆を挟んだシンプルなものである。
納豆といえばあのニオイ! ニオイあってこそ、納豆と私は考えているのだが、このドッグはほとんどニオイがしない。味もそこまで主張してこない。クセがない分食べやすいのだが、納豆好きとしては少々物足りないかも。まあ、車中が臭くなることを思えば、ニオイが少ない方が喜ばれるのかな?
・上りにも徒歩で
せっかくここまで来たので、下りSAだけで帰るのは惜しい。上りのSAも見たくなった。上りはここから徒歩12分で行けるようだ。1時間半歩いてきたことを思えば、12分なんて一瞬だ。行こう!
常磐道をまたぐ橋の上から、上りSAも下りSAも同時に見えた! 歩いてないと、この景色には出会えないよね。徒歩で行く醍醐味だ。
ほどなく、施設の裏側に着いた。看板発見、入口はもう近いはず。
キター! お客様駐車場50メートル先。
アッという間に着きましたよ。何やらこの景色に既視感が……。上りも下りも施設の構造はほぼ一緒らしい。せっかく両方に足を運んだんだから、少しくらい雰囲気が違って欲しかった……。
せっかく上りにも来たのでもう1回やっておきましょう。皆さんもご一緒に、せ~の!
「徒歩で来た。」
下りで撮った写真を使いまわしている訳ではないですよ。建物の造りが同じだけど、場所は違いますからね。
中の造りも下りとほとんど一緒だ。取り扱っている商品が多少違うみたい。
こちらは下りよりも納豆コーナーが充実していた。冷蔵商品じゃなかったら、デッカイ納豆を買って帰りたかったな。リュックに入れて帰ったら、電車でニオイが出る可能性も否めないので断念……。
福島の銘菓「ままどおる」も売っていた。常磐道で「エキソンパイ」を買えるのは、ここが最後とのことだったので、思わず1つ(5個入り 税込945円)買ってしまいました。「ここだけ」って売り方に弱いんだよなあ。
・子育て奮闘中!
もういい加減にメシ食おう! フードコートではなく「どんぶり専科 珠玉の蔵」で昼メシを食べるとする。このお店のメニューが、今年の「ハイウエイめし甲子園」で1位を受賞したそうだ。
受賞メニューも気になったのだが、私は「いくら丼大盛り」(税込2300円)を注文した。
実のところ、大盛りと気づかずにこのメニューを頼んでしまった。暑さにやられて大盛りを食えるだけの余裕がなかったにも関わらずだ。注文ミスった。
……ところが、実物を見たら不意に食い気が呼び起されて、スプーンを持つ手が止まらなくなった。
完食は無理かもと思っていたら、気づけば器を空にしていた。どれだけ疲れていたとしても、美味いモノって食えるもんなんですね。
せっかく来たのでもう1品。ってことで、「おめで鯛焼き本舗」で変わり種鯛焼きを食べてみることに。
その変わり種とは、数量期間限定の「広島風お好み焼き」の鯛焼き(税込330円)だ。鯛焼きなのにお好み焼きというややこしい一品。
挟んであるのは、キャベツと焼きそばかな? かなり強引ではあるけど、なんとか広島風お好み焼きを再現している。見た目は奇抜だが、味はよかったぞ。
そういえば、下りでも上りでもあちらこちらで鳥のさえずる声が聞こえていた。どうやらツバメが子育てをしている真っ最中で、軒下にはいくつも巣があるようだった、親鳥が忙しくエサを探しに飛び回っている。
施設の柱にはこんな貼り紙が……。
「ツバメ、子育て奮闘中! 巣立ちまでどうぞ温かく見守っていただきますようお願いいたします」
施設の方々の気遣いに、なんだかホッコリした。
さて私はこのあと、約2時間後に来る予定のバスを待ちきれずに、再び来た道を1時間半かけて歩いて戻って行った。可能ならタクシーでと思ったけど、配車アプリを起動しても、「近くに車両はいません」と出る始末。歩かざるを得なかったのだ……。
徒歩で来たシリーズは行きよりも、帰りの方が過酷なのである……。なお、徒歩でSAに行く際には、これからの季節、熱中症に気を付けて頂きたい。決して無理はしないようにね。
おわり
・今回訪問した施設の情報
名称 友部サービスエリア
住所 茨城県笠間市長兎路梶山久保1059-6(上り)、長兎路梶山久保1051-3(下り)
時間 24時間(一部店舗を除く)
参考リンク:ドラぷら
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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