生きてりゃあるさ、辛いことも。なんか生きづらいなあと感じた時、私(中澤)はちょっとした旅をする。日帰りで帰ってこれる範囲であてもなく電車に乗ったりするのだ。で、今回たどり着いたのが高尾山である。

JR中央線に乗ってフラフラと終点の高尾駅に行き着いた末、京王線に乗り換えて高尾山口駅までたどり着いた。寄り道してたら2時間くらいかかったけど、真昼間で天気も快晴。この駅まで来たなら山に登る一択。と思っていたが、結果として私は高尾山に登らず帰ることになった。

・謎の入り口

高尾駅と違い、駅を出たら目の前がもう里山である京王線の高尾山口駅。青空に映える小川と緑の山が私を呼んでいる。ここまで来て日和ってるヤツいる? いねえよなあ!!?


むしろ、気が急いたのだが、せっかくここまで来たし急いで登るのは興をそぐ。そこでのんびり駅の周りを漂いながらチルっていたところ、駅構内の端に謎の入口があるのを発見した


・知らんかった

よく見ると「京王高尾山温泉 極楽湯」と書かれている。駅構内に温泉? 高尾山は何度か登ったことがあるけど、高尾山口駅構内にこんなのがあるのは知らなかった。そこで入口を入ってみたところ、料金看板があった。


平日料金1100円、土日祝日繁忙期料金1300円とそんなに高くない。料金看板の向かいには荷物を預けられる貸しロッカーも設置されている。さらに進んだところ……


なんかかっこいい地下通路に突入した。駅構内ですよね


通路のドン突きにある階段には外の光が射しこんでいるのが見える。そこで階段を登ってみたところ……

目の前に極楽湯があった。ほぼ直結だけど、建物は独立していて、なんとなく隠れ里オーラが漂っている。駅の裏手にこんな場所があったとは。いつもこの駅で降りると速攻で山道に向かってたから気づかなかった。


・入ってみた

靴箱に登山靴・ブーツ専用サイズがあるのもならでは。入ってみたところ、お食事処やうたた寝処もあって、くつろぐスペースには事欠かない広さがある。

しかし、浴場に入ると思ったほどじゃなかった。サウナ、水風呂、洗い場、湯舟などひと通り揃ってはいるものの、湯舟が1つでそこまで広くない。あと、ぎゅっと集まっててなんか狭苦しさのようなものも漂っている。都内で言うと普通なんだけど、外観の立派さやくつろぎスペースの広さからすると少々意外……

・と思いきや

と思いきや、露天風呂がめっちゃ良い。湯舟が4個もあるし、高尾山が目の前に見える。さらには、椅子も置かれている上、足湯的なスポットもあった。というわけでサウナに入ったところ、サウナ室の温度は90度にギリいかないくらい。水風呂は私が入った時は19度くらい

ゆるめの設定なので、攻められてる感じを求める人は「違う」と感じるかもしれない。私も、110度のサウナと冷気を求めて登別に行くくらいには過激派なので、最初はゆるさの方が気になったのだが……

外気浴で全部忘れた。思えば、ちゃんと外での外気浴は久しぶり。悠然と佇む高尾山を見ながら外気浴をしていると、都市の日常が遠くなり、自分のちっぽけな悩みなんてどうでもよくなった。なるようにしかならんわ。



・外気浴がチルすぎる

こうなると、前述のサウナ室や水風呂のゆるさも逆にまったりと楽しめて良い。外気と日光の狭間でたゆたうような外気浴はまさに極楽である。そのととのいが満足すぎたから……


そのまま帰った

自分に迷いはるばる高尾山口までたどり着いたにもかかわらず、高尾山がどうでもよくなるほど癒してくれたこの温泉。普通に来たら渋谷から1時間程度の近さでこのチルっぷりは貴重かもしれない。都会の生活で傷ついた魂を引きずってる人は行ってみてくれ。

・今回紹介した店舗の情報

店名 京王高尾山温泉 極楽湯
住所 東京都八王子市高尾町2229番7
営業時間 8:00~22:30
定休日 無休

参考リンク:京王高尾山温泉 極楽湯
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.