有線イヤホンに目覚めた私(佐藤)は、安くても良い音を聞かせてくれる逸品を求めて、イヤホンを買い漁っている。現在までに8本の格安イヤホンを購入し、JVCケンウッドの821円の「HA-FX6-T カナル型イヤホン」がもっとも素晴らしいと感じている。
だが、この世にはまだまだ数えきれないほどの製品が存在している。これを1番と結論づけるには早い! ってことで、新たにアマゾンでサンワサプライの552円の製品を購入。その音をたしかめてみた!
・PC機器メーカー「サンワサプライ」
サンワといえば、パソコンの周辺機器メーカーである。岡山県に本社を置き創業1951年の老舗企業である。厳密には1923年に個人商店として創業しており、その歴史はすでに100年を超えている。
今回比較するステレオ・カナルタイプイヤホン「MM-HP117BK」は2012年の発売開始で、正規の販売価格1540円だった。発売から10年以上を経て、現在は約3分の1の価格で販売されている。
10年も前のモデルなので、正直高い音質は望めないのだが……。その予想を裏切る音色を聞かせてくれるのだろうか?
中身は本体とイヤーピースが3種類(大・中・小)。
モノ自体に関して、特筆すべきことはないのだが、ひとつ言わせて頂きたい。
ケーブルを折り曲げてグルグル巻きにするんじゃない! 曲げグセがつくじゃないか!! ひいては断線の原因にもなるんだぞ。せめてもう少し優しく扱ってもらえないもんですかね。
イヤホンそのものは球状で、可愛らしいフォルムではあるものの、若干つまみにくい。脱着時に手こずりそうな気もする。
でね、実際に装着してみると、着け心地があまり芳しくなかった。もとから中サイズのイヤーピースがついているんだけど、これがスポスポ!
私はそこまで耳穴の大きい方ではないので、大抵は中サイズでフィットするんだけど、これは全然合わない。こんなの初めてだよ。やっぱオーディオ機器メーカーじゃないから、その辺は合わないのかな。まあ、音が良ければその辺は大いにリカバーできるわけだが……。
・聞き比べ
さて、今回聞き比べの検証材料は「スーパーマンのメインテーマ」だ。作曲は映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズ。演奏はフィルム・スタジオ・オーケストラである。
まずはダイソー「7301」(税込550円)で、聞いてみよう。
この製品は高音の抜けが良く、価格を凌駕する音質をしている。この曲は、華やかなトランペットのファンファーレが魅力のひとつ。そのスカーンと抜けるような高い音を見事に表現している。
ただ、上の音抜けは良いけど、そのおかげで下の音(低音)がかき消されている感じも否めない。曲調には合っているけど、聞きようによっては高音が耳障りでもある。
次にJVCケンウッド。ダイソーほど高音の音抜けはないが、その分、豊かな低音を聞くことができる。
低音の表現に優れているので、冒頭部分のかすかに聞こえるティンパニーのトレモロもしっかり聞き取ることができる。それから主旋律の裏で奏でられる、弦楽器の副旋律の音も鮮明だ。
オーディオ機器メーカーの製品であればこそ、1000円以下でこの音質を実現できている気がする。パソコン機器メーカーで太刀打ちできると思えないのだが、サンワの製品はいかに!?
最後にサンワのイヤホンでも聞いてみたところ……。これが意外と悪くなかった!
音質の良さではJVCケンウッドには敵わないけど、500円台にしてはかなり優秀だ。それからダイソーほど高音の抜けはよくないけど、全体のバランスはとれている。とくに目立つような良い点はないけど、同じく目立つほど悪い点もない。
10年前のモデルではあるけど、今の機器としても十分使える音質。強いていえば、スリーコインズの「高音質イヤホン」(税込550円)と同等の音質といって良いだろう。
ということで、今回順位に変動なしだが、サンワはスリコと同等なので同率3位とさせて頂こう。
1.JVCケンウッド「HA-FX6-T カナル型イヤホン」 税込821円
2.ダイソー ハイレゾ対応イヤホン「7301」 税込550円
3.スリーコインズ「高音質イヤホン(低音域タイプ)」 税込550円
3.サンワサプライ「MM-HP117BK」 税込552円
音質と価格、その両方に秀でたコスパ最強イヤホンを求めて、私のイヤホン探訪の旅は続く。今回の内容が、皆さんの音楽ライフの参考になれば幸いである。
参考リンク:サンワサプライ、Amaozn
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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