ロケットニュース24

ダイソー・スリーコインズ・キャンドゥ・セリア 100均の低価格有線イヤホンを聞き比べて、どれが1番音がいいか確かめてみた!

2024年4月15日

ダイソーのハイレゾ対応の有線イヤホン(税込550円)は良いらしい。そんな噂を聞きつけた私(佐藤)は、かなり舐めた気持ちで使ってみたら、その音質の良さに度肝を抜かれて、なんじゃコリャ―! と叫びそうになった。

もしかしてダイソーだけではなく、100均ブランドの格安有線イヤホンは全部良い感じになっているんじゃないのか?

そう考えた私はダイソーのほか、スリーコインズ・キャンドゥ・セリアでそれぞれイヤホンを買ってきて、聞き比べることにした。はたして、どれが1番良いのだろうか?

・もしかして、他社の低価格有線イヤホンも?

今回の比較に先立って、私はダイソーの製品(型番:6071)とiPhone純正のイヤーポッズ(Lightning)を聞き比べている。その結果、私はEarPodsよりもダイソーの方が音が良いと判断した。高音の抜けが良くて、音の輪郭がハッキリしている点をとても好ましく感じた

少なくとも、550円という低価格とは思えないほど耳障りがよく、イヤーポッズ(2700円程度)との価格差を考慮しても、優秀と評価せざるを得なかったのだ。


ひょっとすると、他社もコレに匹敵するレベルのものを販売しているかもしれない。そう思い、スリコ・キャンドゥ・セリアを回って、イヤホンを物色。


そうして、音質を売りにしていると思われる製品を、それぞれ買ってきた。参考までに、ダイソーの新しい型番のもの(7301)も購入し、全5品で音を比較する



・5つのイヤホン

聞き比べをする前にそれぞれの製品を見ておこう。まずはダイソー。ハイレゾ対応モデルの「6071」と「7301」である。


見た目はほぼ同じ。6071はイヤホン部にプラチナカラーを施してあるが、7301はほぼ真っ黒。明確な違いはイヤホンのお尻の部分。出っ張りがある方が7301で、ない方が6071だ。


見た目にわかりにくいので、箱に記載された型番を確認してほしい。ちなみにリモコンにはマイクとボタンがついている。



次がスリーコインズの「高音質イヤホン」の低音域タイプである。販売価格はダイソーと同じ税込550円である。スリコはほかにも高音質イヤホンの「高音域タイプ」と「バランスタイプ」を販売している。


イヤーピースが3サイズ、それからリモコンにはマイクと音量調整、再生・停止および通話ボタンがついている。550円なのにイヤーピースまでついてかなり充実している



続いてキャンドゥの「高音質デュアルドライバーイヤホン」。価格は税込330円で、高音質を売りにするなかではもっとも安い。


独立した2つのスピーカーで高音質を実現しているのだとか。


リモコンにはマイク、とスライダー式の音量調整。通話ボタンがついている。



最後にセリアの「密閉型ステレオイヤホン」、価格は今回の比較のなかでもっとも安い税込110円である。セリアでは高音質を売りにしたモデルが見当たらず、パッケージに「音がクリアに聞こえる」と書かれていたので、この製品を選んだ。


見るからに、昔馴染みの100均イヤホンだ。だが、見た目を裏切る音がするかも? 聞いてみるまでわからない……。


イヤホンの形状は、ダイソー・セリアがストレートタイプ。スリーコインズは少し斜めになったスタイリッシュなタイプ。キャンドゥは2つのスピーカーを備えているため縦長になっている。



・基準の音:イヤーポッズ

では聞き比べていこう。基準としてイヤーポッズの音を参考にする。プレイヤーアプリのイコライザーをフラットにして、シエナ・ウインド・オーケストラの『ロッキーのテーマ』を検証材料にする。


イヤーポッズはバランス型で音色がふっくらとしている。可もなく不可もない聞きざわりの良い音だ。反面特徴がなく、面白みには欠ける。

強いて言えば、優しいロッキーがにこやかに走っている感じ。そんな優しいロッキーの試合は大抵判定でドロー、見ごたえの乏しい試合運びで、結局引き分けという煮え切らない感じである。


・ダイソー(6071)

続いてダイソーのハイレゾ対応の6071を聞いてみる。


最初にも述べたように、高音の抜けがよく硬さのある音色だ。低音がやや物足りなくて、全体的に浮ついた印象は否めない。

強いて例えると、15歳くらいの若いロッキーが広場ではしゃぎ回っているみたいだ。足腰の強化が不足していて、すぐにスリップしてズッコケている。立ち上がって照れ笑い。そんな初々しさを感じられる。



・ダイソー(7301)

ダイソーハイレゾの新しい方の型番を聞いてみよう。


6071よりも進化して、音の浮つきが抑えられている。バランスがよく、6071の高音のバリ感がなくなって、音の分離も良い。

ロッキーの例えでいうならば、20代中盤に差し掛かったロッキーだ。鍛錬を積んで足腰が強くなり、それなりの立ち回りができるようになっている。このくらいになれば、エイドリアンとの恋も良い方向に行きそうだ。次世代機でさらなる大人へと変貌を遂げることを期待したい。


・セリア「密閉型ステレオイヤホン」

お次はもっとも安いセリアの音を聞こう。


聞くに堪えない従来の100均イヤホンクオリティかと思いきや、割と聞ける。トゲトゲしいサウンドを想像していたがトゲはない……けど、全体的に雲がかかっているような不明瞭さはある。隣の部屋のオーディオを聞いている感じだろうか。

ロッキーでいえば、「エイドリアーン!」って叫び声は聞こえるのに、誰がどこで叫んでいるかわからないようなものだ。その声の主は、ロッキーではないかもしれない。



・キャンドゥ「高音質デュアルドライバーイヤホン」

続けてキャンドゥのイヤホンでも聞いてみよう。


ダイソー・スリコより200円安く、セリアより200円高い。その値段通りの位置づけの音がしている。高音は鮮明な気がするけど、イマイチ音抜けが良くなく、壁の向こうから聞こえるクリアな音といった感じ。それから装着感があまりよろしくない。何かの弾みでポロっと耳から抜け落ちそう。

ロッキー的に表現すると、かなり本人に近いものまね芸人みたいな感じ。ロッキーのマネが鉄板ネタで、年に1回はそのネタでテレビに出られるレベルのソックリさんと言ったところか。


・スリーコインズ「高音質イヤホン(低音域タイプ)」

最後はスリコのイヤホンでも聞こう。


これはかなりイイ! ダイソーに匹敵するレベルの音質ではあるが、少し霞のかかったような感じがしている。もしかすると、高音域・バランスタイプであれば、もう少しクリアな音が楽しめるかも。

優秀ではあるが、あと1歩ダイソーには届かないかな……。装着感はいいし、イヤーピースが付属している点も評価できる。これも550円という価格を越える価値があると言えるだろう。

ロッキーで表現するとしたら、ロッキーの好敵手・アポロだな。ダイソーとスリコ、それぞれライバルとして低価格高音質有線イヤホンの価値を高めていって欲しい。



ということで、1番音が良いと感じたのはダイソーの7301でした。マジでおすすめです。


そんなわけで、今の有線イヤホンは安くて良いものがありますよ。ためしに聞いてみて頂きたい。安いからいろいろ買って聞き比べをして頂きたい。今後これらの製品がさらに進化していくのを期待しているぞ!

参考リンク:ダイソースリーコインズキャンドゥセリア
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

モバイルバージョンを終了