ある日突然現れた、塩パン――。当時はパン屋さんでしか手に入らなかったが、今ではコンビニで販売されるほどになった。美味しいよね、塩パン。
さまざまなタイプのパンを揃(そろ)えてくれている成城石井にも、置いてあった。しかも自家製らしい。気になり過ぎる『バターじゅわっともっちり塩パン』と名付けられたそれを、買ってみることにした。
・塩パンは美味しい
一世を風靡(ふうび)した感のある塩パンは、その時だけの流行で終わることをしなかった。今やバケットやクロワッサンレベルのポジションを獲得しているようにさえ見える。
人気の理由について色いろと考えつくが、そのひとつにシンプルさがあるのではないか。パンと言えば主食にもなり得て、毎日食べる人も少なくない。
となると、いくら食べても飽きが来ず、食事とも合わせやすいものが良い。塩パンはちょうどそんな存在で、私たちの暮らしの隙間にうまく収まったように思う。
もちろん記者も塩パンが好きで、目に入れば大抵は購入する。それぞれに特徴がありひとつも同じものはないが、それでもやはりちゃんと塩パンの枠に収まっていて、いずれも美味しい。
そんな訳で、塩パンはどうやっても良い感じに仕上がるのではないかという信頼があった。成城石井で見かけた際にも賞味期限の近さにより10%割引されていたことも後押しして、躊躇(ちゅうちょ)なく手を伸ばした。
・レベルの高い塩パン
『バターじゅわっともっちり塩パン』は税込539円で、5個入っている。塩パンは温かい状態でこそ本領を発揮すると思っているが、試しに冷たい状態でかじってみると、やはりボソボソ。
オーブントースターで焼くのが正解、と判断した。袋の裏面にトースターで温める際はアルミホイルなどを敷くように書かれていたので、その言葉に従う。
数分すると表面がパリッとなってきたので、引き上げる。よく見ると敷いたアルミホイルの上にはパンから染み出したであろう、バターがたっぷり。
注意書きはこのためかと納得するとともに、その名に偽りなしだなと感心してしまった。ここまでバターがたっぷりな塩パンは、個人的には初めてだ。
これはかぶりついたらば火傷しそうだなと、少し冷ましてから手で半分に割ってみた。あれだけ外にバターが出てしまっているので、中にはもう残っていないかと思いきや、そんなことはない。
タプタプと液体になったバターが、まだパンの中に存在していた。どれだけのバターが使われているのかと少し気になったが、あえて考えることなく食べることにする。
サクッとした歯ざわりと、もちっとした食感。ほど良い塩気と噛むたびにジュっと広がるバターの香り。フワっとさよりもしっかりさが勝っていて、個人的にすごく好みだ。これは、レベルが高い……!
本当はセブンイレブンなどのコンビニパンと比較してみようかと思っていたが、比べるまでもなかった。
もちろんコンビニのものはコンビニのもので美味しいが、成城石井の方は温めたことで焼き立てであるかのような存在感を放っていた。まるでパン屋さんが作ったかのような塩パンで、言われなければスーパーで購入したと分からないだろう。
成城石井は食品への意識がやや高めであることは認識していたが、パンひとつ取ってみても、かなり気合を入れていることを改めて実感。
実はすでに3度、連続して購入してしまっているのだが、今後も定期的に『バターじゅわっともっちり塩パン』を手に取ることになりそうだ。
参考リンク:成城石井自家製 バターじゅわっともっちり塩パン
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.