私は子供の頃から片付けが死ぬほど苦手で、上京してから20年近く散らかった部屋に住んでいた。だいたい5年ぐらいかけて、部屋を片付けてちょっとずつ人生がマシになっていった。
その経験を語るこの連載。第5回は無印グッズを使って部屋を片付けた話を書いた。
今回は、片付いた部屋で過ごした結果、お金の使い方が変わった話を紹介したい。
・部屋を片付けた直後、コロナ禍に
部屋を片付けてから1ヶ月も経たないうちに、新型コロナウイルスが世界的に流行。うちの会社も2020年2月中にはテレワークとなり、朝から晩まで家で過ごすことになった。
このときほど部屋を片付けておいてよかった……と思ったことはない。もし部屋が散らかった状態でテレワークに突入していたら気分が滅入って仕方なかったと思う。
部屋を片付けていたおかげで、テレワークは想像以上にはかどった。
まず、視覚がゴチャゴチャしていないので、家でも思いのほか仕事に集中できたことが大きい。商品紹介の記事で写真を撮影するときや、web会議でも散らかっていないので背景を気にせずに撮れる。
多分、汚部屋のままだったら仕事は集中できないし「この汚い部屋が映ったらどうしよう」と常にビクビクして憂鬱だったと思う。
気づけば散らかった家にいるのが嫌で、外に出かけてばかりいた自分が家でお茶しながら「家にいるのが落ち着く」と思うようになっていてビックリした。これは人生初の感覚である。
・無駄遣いが減った
さらに驚いたのは、部屋を片付けたことによって、気分がよくなるだけじゃなくてお金の使い方まで変わったことだった。
①ストレス発散の散財がなくなる
まず大きいのが、やたらと外に行って気分転換をする必要がなくなるということ。前は家だと集中できなくてカフェで作業をしたりしていた。
出かければ街に欲しいものがたくさん溢れているうえに、散らかった部屋でストレスが溜まっているのでそれを物欲で解消したくなる。
散らかっているので買ったものは活用もできず、買ったときのときめきは消えて部屋にまたガラクタが増えて散らかる……という悪循環だったが、それがなくなった。
②ダブリ買いが減る
汚部屋にいると、部屋に物が沢山あるのに肝心なものが探しだせず買い直す……ということがめっちゃ増える。
断捨離でハサミとか使いかけのガムテープ、スプレーなど同じものが大量に出てきてゲンナリした。
いっぽう、部屋を片付けていると何がどこにあるか分かっているので、無駄な買い物をせずに済む。自分の部屋にあるものを把握するって大事だと思い知った。
③買い物が慎重になる
片付ける前は「これカワイイ」とか「便利そう」と思ったらなんとなく物を買っていた。
ところが片付けてからは部屋のテイストに合うか、本当に必要かどうかめちゃくちゃ吟味してから買うようになった。
使える物を捨てるのが身を切るような辛さだったこともあるし、なるべく部屋に物を増やしたくない。もう気に入ったものしか部屋に置きたくないのだ。
④大きな買い物ができる
少額の無駄遣いが多かった頃は、まるで財布に穴が開いてるような状態で常に金欠だった。だから本当に欲しいものは全然買えていなかったと思う。
無駄遣いが減って、買い物が慎重になるにつれて、本当に欲しいものが買えるようになった。
散らかった部屋に置いてもな……と躊躇していたちょっと高いランプや食器を買って部屋に飾ったときは、憧れの生活に近づけて嬉しかった。
・部屋は生活の基盤だと実感
とにかく片付いた部屋でおしゃれな暮らしがしたい……と思って始めた片付けだった。部屋が汚いというドデカいコンプレックスが解消されて、暮らしが整うだけでなく、思わぬ形でお金の使い方まで変わってしまった。
このあたりから、部屋を片付けたことの恩恵の大きさに気づき、生活がどんどん好循環になっていくのが分かった。
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.