つい先日、妻に「古いiPhoneのデータを移すのってどこからやるんだっけ?」と質問された。その日は妻がiPhoneを買い替えるため、家族でApple ストアへ向かっていた。妻としては、新iPhoneの購入前に移行作業の確認をしておきたかったのだろう。
私はガジェット情報に明るくないが、データ移行くらいは分かるはず。妻のiPhoneを手にして確認したところ……いやいやいや! なんちゅう設定にしてんだ!!
なぜ私がビビったか、簡潔にお伝えしたい。ズバリ、コレだ。
……そう、iPhoneの名前(デバイス名)が「オレだよオレ」になっていたのである。
勘の良い方ならもうお察しだろう。妻に理由を聞いたら、この名前変更こそがエアドロ痴漢対策だという。
・闇深いエアドロ痴漢
ご存知ない方のために説明しておくと、エアドロ痴漢とは画像を共有できる機能を悪用した迷惑行為のこと。
iPhoneのAirDrop(エアドロップ)やAndroidのNearby Share(ニアバイシェア)を使って、見知らぬ人が際どい画像を送って来る。
実際に私も被害にあったことがあるが、突然送られて来た画像(しかもノーモザイク)を見たときはマジで気持ち悪かった。
そして、私同様に妻も以前に何度か被害にあったことがあるらしい。
ただ、妻いわく「iPhoneの名前を『オレだよオレ』に変更してからは1度もない」という。
まぁたしかに、『オレだよオレ』という名前からは「オッサン臭」がハンパない。しかも、ややこしいタイプのオッサンだ。
酒の席だと絶対に面倒くさい。自慢、説教、自慢、説教で7時間くらい喋るタイプ。いや、酒の席どころかシラフでも十分面倒くさい。できることなら、あまり関わりあいになりたくない。
──と思ってしまう人は多いだろうから、「オレだよオレ」にはエアドロ痴漢をするような変態の気持ちを萎えさせる効果がある……のかもしれない。
だけど、特徴的な名前が逆に変態の好奇心を刺激してしまい、「どんなヤツか気になるから画像を送ってやろう」となるような気がしなくもないような……どうなんだろうか?
どちらにせよ、ギャンブル性の高いエアドロ痴漢対策であることはたしか。
以前の記事でも書いたが、基本的な防御策としては、AirDropの設定を「受信しない」か「連絡先のみ」にしておくこと。
実際にそれをすると、連絡先に入っていない相手とエアドロでデータ交換できずに不便なのだが、だからといってiPhoneの名前を「オレだよオレ」に変える勇気は私にはない。
一方、妻は新しいiPhoneでも名前を「オレだよオレ」にし続けるという。果たして、それでどれだけ守れるのか? もし “オレ” が突破されるようなことがあったら、改めて報告しよう。
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.