持ち帰り弁当といえば、「ほっともっと」や「ほっかほっか亭」「オリジン弁当」などの名前が挙がるかもしれない。私(佐藤)はそれに加えて「本家かまどや」の名も挙げておきたい。兵庫県に本社を置く全国チェーンで、西日本ではメジャーな存在である。
その昔、私にとってかまどやの「大関さん弁当」は特別なご馳走だった。時を経て今改めて、「スペシャル大関さん弁当」(税込880円)を頼んでみたところ、今さらながらコストパフォーマンスの高さに驚かされたのであった。持ち帰り弁当はこういうのでいいんだよ!
・憧れの大関さん弁当
私と大関さん弁当の歴史は古い。さかのぼること約20年前、上京したての私は当時、西新宿のシェアハウスに住んでいた。その頃、この界隈は再開発が進んでいて、街のアチコチで家屋の取り壊し工事が行われていたのだ。
新宿中央公園下の交差点から見上げると、東京都庁がそびえ立っている。30歳にしてカバン2つで東京に出てきた私にとって、都庁はあまりにもデカすぎた。郷里の島根の風景と比べるまでもなく、ここは大都会。何もかもが大きく見えていた。
当時から再開発の基礎工事が行われていて、近年になって大型ビルや高層マンションが相次いで完成したらしい。ささやかながら存在していた商店街の面影を、今は見ることができない。この街、変わったなあ。
幸いにして、開発の立ち退きを免れたお店もある。たとえば「コーヒーマックスハウス」は私が住む直前に訪ねたお店のひとつ。上京していた友人を頼りに、シェアハウスの下見に来た時に、このお店でコーヒーを飲んだんだよなあ。まだあってよかった。
本家かまどや西新宿6丁目店、ここも当時から営業していたはずだ。都内にかまどやは7店舗しか存在していない(2023年12月時点)。お店を目にすること自体、久しぶりな気がする。
メニューを見ると、季節商品を除けばそれほど変わっていない。
定番の牛焼肉・カラめんたい・大関さん弁当は変わらずラインナップされている。そういえばあの頃は金がなくて、気軽に大関さん弁当を食えなかったんだよなあ。1食に使えるお金が500円以下だったから、いつものり弁でガマンしていたんだっけ。
臨時収入があった時のご褒美が大関さん弁当。もしくは、今はなき西新宿5丁目駅前の「丼太郎」のとくとくセット(550円)を食べたものだ。
今は迷わず買える。大関さん(税込680円)もスペシャル大関さん(+200円)もイケる! よし、スペシャル食っちゃうか!
・こういうのでイイ
これが夢に見たスペシャル大関さん。茶色いおかずがギッシリなのに1000円以下。このご時世にこの価格設定はスゴイなあ。
弁当の見た目にしゃれっ気はない。詰められるだけ揚げ物を詰めた感じ、だがそれがイイ! からあげ(2個)・ハンバーグ・メンチカツ・ヒレカツと、揚げ物オンパレード。
スペシャルだから、さらにエビフライと牛肉入りコロッケまでついている。大関というよりも、この内容は横綱だ。
公式サイトの栄養成分表を見ると、総カロリーは1467kcal。50歳のおっさんが食うには、エネルギー過多と言わざるを得ない。でも食っちゃうよ。年末年始の波を乗り越えるのに、スタミナがいるからね。
ランチで1000円超えが珍しくなくなった時代に、このボリュームで1000円で釣りが来るとはありがたい。可能なら、できるだけ長くこの価格を維持して頂きたい。年末でお疲れ気味の方に、スペシャル大関さん弁当はオススメだぞ。
・今回訪問した店舗の情報
店名 本家かまどや 西新宿6丁目店
住所 東京都新宿区西新宿6-20-11 梅月ビル1F
時間 10:00~20:00 土日祝10:00~19:00
定休日 なし
参考リンク:本家かまどや
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24