2023年11月13日の朝に、おうし座北流星群の活動が極大を迎える。見ごろは12日の深夜から、13日の未明あたり。
この流星群は流れ星の数こそ、そう多くないが、火球の割合が高いことで知られる。運が良ければ見られるかもしれないぞ!
・おうし座
おうし座北流星群は、その名の通り おうし座付近に放射点(そこを中心に流星が発生しているように見える、見た目上のポイント)を持っている。
この時期の最も見つけやすい星座No.1と言っても過言ではないオリオン座のわりと近いところに、ベテルギウスとは別の赤い星がある。それがおうし座の1等星アルデバラン。
その周辺がだいたい おうし座なわけだが、おうし座北流星群の放射点は、アルデバランから見てオリオン座とは反対方向に輝くアルキオネの近くにある。
アルキオネは、プレアデス星団で1番明るい星だ。星団の和名は すばる で、自動車メーカー「スバル」のロゴの元ネタでもある。この機におうし座 や プレアデス星団を観察してみるのも趣深いだろう。
・火球
おうし座北流星群は、冒頭で述べた通り、そんなに活発に流星が発生しまくるようなものではない。国立天文台では1時間に2個程度としている。
しかし、実は先月にピークを迎えたおうし座南流星群がまだ活動中だ。そちらと合わせると、おうし座らへんを中心に、1時間で3個か4個くらいは流星が発生するのではないかと考えられる。
とまあそんな感じで控えめなのだが、北と南ともに、火球と呼ばれる明るい流星の発生率が高いとされている。
火球とは、本記事のトップ画像に使用している眩しいヤツだ。これはおうし座北・南流星群に由来するものではないが、火球というのはだいたいこのような感じで、一般的な流れ星とは別格の迫力を有している。
幸運にも見ることができれば、この冬でもトップクラスの体験となるに違いない。
幸運にも11月13日は新月。前日の12日の深夜も、月明かりの影響は皆無だ。流星群の観測には最高の環境と言っていい。
・天気は
最後に気になるのが各地の天気。さすがの火球も、雲に遮られてはどうにもならない。気象庁の天気予報によると……
高知、徳島南部、三重、北海道の釧路とか根室あたりを除き、ほぼ全滅!!
逆に、流星群の日にここまで全国的に絶望的な天気予報ばかりなのは、これが初めてかもしれない。なんということだろう。
ちなみにごくわずかなこれ等の晴れのエリアも、詳細を見ると十勝と釧路を除いて晴れのち曇りとなっている。
十勝と釧路にお住まいの皆さん、夜は恐らくとても冷えると思いますが、ぜひ火球を期待して流星群観測に勤しんでみてください。
参考リンク:国立天文台、気象庁
執筆&写真:江川資具
Screenshot:気象庁