ロケットニュース24

噂の100Gbpsがインドネシアに到来! 日本との連携で結ばれた国際海底ケーブルネットワークの技術がすごすぎる!!

2023年8月19日

前からちょくちょく「100Gbpsのインターネットがウチの大学に来る」という噂は耳にしていた。そんな折にデモイベントが開催されると知ったからには、僕も黙ってはいられない。だって100Gbps何だぞ??

というわけで、僕(アキル)はこの度めっちゃくちゃ偉~い人達に紛れ、2023年8月9日に開催されたデモイベントに参加してきた。だって100Gbpsなんだぞ(本日2回目)?? この奇跡的な瞬間を逃せるわけがない!!

・何で?

たぶん読者はこの時点で「何で?」と疑問を浮かべるだろう。背景を簡単に説明しておくと、日本のWideプロジェクトが運営する教育・研究目的で作られた国際海底インターネットケーブルがある。名をArena-PAC(Arterial Research and Educational Network)といい、将来的にアシア、オセアニア、そして北米を結ぶ高速海底インターネットケーブルになる予定。


そのArena-PACと、うちの大学であるBrawijaya大学、そしてIDREN(インドネシア教育・研究ネットワーク)の協力で繋がったインターネットを実際に使って、皆にどんなものか見せていくイベントが行われたのだ。

どうやって試すかって? そりゃ8Kの!! 圧縮なし!! 動画と音声を!! 2方向で!! ライブストリーミングするという。8Kの動画を見ること自体が初めてだし、何より容赦ないな~。


・侵入成功

自分は慶応大学で行われた第1回APIEキャンプ(インターネットについて学ぶキャンプ)の参加者の1人だったので、その権限でイベントに入ることが出来たよ。くくく、これで僕も偉い人の1人だ


開始時間よりめっちゃ前に来たので、スタッフさんと教授たちがまだまだ準備中。

スマホのカメラ調子悪くて、最近良くブレるな。


あっちに見えるのは……なんと! 「インターネットサムライ」こと村井純先生じゃないか! 何やら調整ついでにハート作ってるみたいだけど。

そうそう、生8Kのライブストリーミングはこの時点でもう始まっている。画面のあっち側は慶応大学の日吉キャンバスで、こっちもあっちもストリーミングしている。


正直言うと、めっちゃきれい。画面越しの遠くにある文字も普通に読めるし、何よりもめっちゃスムーズ。これが日本から来た生中継だと思うと、感動だ


聞いたところによると、8Kの動画を60FPSで配信しているようだ。8Kの画像(+音声)ってどんぐらいだろう? それを60倍すれば回線速度が分かるはずなんだけど……と悩んでたら、僕の教授がインターネット接続をモニターしてるパソコンの画面を見せてくれた。

どれぐらいの速度で通信してるかというと……なんと驚異の41.6Gbps!! 人生で見たことない速度だ。例えば、原神って30Gb以上あるじゃん? それがまるごと一瞬でダウンロードできるぐらいの速さ。すごっ!

速度も凄いけど、そんな大きな量のデータを受信して受け取れるコンピューターがまたすごい。そのバカみたいな量のデータを受け取って捌(さば)くには当然ながら高性能なコンピューターが必要なわけで。自分のパソコンは4Kの動画の再生でギブアップなのに、こっちが8Kの生配信、マジか~(語彙消滅)


それと!! 遅延を無くすよう、GPSを使ってタイムシンクロをしているんだとか! とにかくあっちとこっちでお互いに調整しあって遅延を無くしてるみたい。8Kの生配信だからね、そこまでしないと。



参考までに、他のサービスと回線速度を比べるとこんな感じ。

例を挙げると、NetflixをフルHDで視聴するには5Mbpsほどの回線速度が必要で、4K視聴だと25Mbps。41.6Gbpsってのは、やっぱ違うなぁ……レベルが


ちなみにこのプロジェクトは去年の2022年に同意がなされ、2月に運用開始されたようだ。


こんな風に、日本から海底ケーブルを敷いて、グアムを通ってから、それがインドネシアまではるばる来たのだ。


現在は日本からグアムを通してシンガポール、フィリピンのマニラと、インドネシアのマランが結ばれている。将来的に接続先が増えるみたい。


さて、イベントでは遅延なしの生配信をデモすべく、なんと国境を超えた合唱が始まった! インドネシアから2名と日本から1名がインドネシアの歌『サバンからメラウケまで』の生合唱を披露。遅延が無いからこそできる神業だ。しかも歌めっちゃ上手いという。


あと、村井純先生がインドネシアの駐日大使Heri Akhmadiさんと画面越しで会話している様子も。



・未来が見えるぞ

というわけで、めっちゃくちゃ簡単に語ったんだが、本当に「すごい」しか出ない。自分の語彙の少なさもそうだし、高速インターネットに使われた技術、そしてこれらを実現した方々が本当にすごい。神や……

高速インターネットが来てくれたおかげで、これまた新しい可能性が開けそうだ。オンライン授業は簡単にできるし、将来的にはメタバースを使って授業を受けることもできるかも? 

高速でデータ通信ができるので、学習・研究用のデータやアプリを一瞬でダウンロードして用意できるし、そういえば紹介動画では国境を超えた手術もできるとか!? うわぁ、十年後が楽しみやわ~。

現在この高速インターネットで4カ国が繋がった。Arena-PAC公式サイトを見ると、今後つながる国が増えるらしい。アジアはもちろん、オセアニア、ヨーロッパ、アメリカ……。これからは楽しくなるぞ、早く実現できますように!

ただやはり研究と教育目的なので、8KのVTuberの生配信とかゲームを一瞬でダウンロード! ってのはまだまだ夢になりそうではある。

というわけで、Sampai Jumpa Lagi!

参考リンク:ARENA-PAC公式サイトBrawijaya大学Prasetya Onlineニュースサイト
執筆:アキル
Photo:RocketNews24



▼8K生配信に使うカメラに4本もLANケーブルが繋がってるよ。エヴァみたい(?)

▼村井純先生にウチの大学のジャケットを着ていただいた。めったに見ない光景

▼慶応大学の教授である大川恵子先生(+仲間たち)と「インターネット・ニンジャ」の村井純先生と一緒に撮ったよ

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