発表から4年……いよいよ2023年7月下旬に『ポケモンスリープ(Pokémon Sleep)』の配信が開始される。当時から「睡眠にまつわるゲーム」だとは明かされていたが、ついに『ポケモンスリープ』が秘密のベールを脱ぐ時が来たようだ。
で、ポケモンGOトレーナーとして気になるのは「ポケモンスリープとポケモンGOはどう連携するのか?」ということ。そこで配信に先立ち開催された「ポケモンスリープメディア向け先行体験会」に参加してきたところ、驚きの事実が判明したのでご報告しよう。
・株式会社ポケモンのタイトル
まずは『ポケモンスリープ』の概要についてざっくり説明しておきたい。『ポケモンスリープ』は「朝起きるのが楽しみになる」をコンセプトに掲げた、株式会社ポケモンの睡眠ゲームアプリである。また開発には「はねろ! コイキング」のSELLECT BUTTONが携わっている。
世の中に睡眠計測アプリ自体は数多くあるものの “ゲーム” となると、ほぼ皆無に等しい。株式会社ポケモンによれば「前例や参考になるものが無かった」ことが、開発に5年もの歳月を費やさざるを得なかった理由の1つだそうだ。
・1泊2日の先行体験会
さて『ポケモンスリープ』のメディア向け先行体験会が開催されたのは、なんと新潟県。新潟県の「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」なる洒落たキャンプ場で、世界一早い「ポケモンスリープ先行体験会」が開催された。
ぶっちゃけた話、ガチガチのポケモンGOトレーナーである私(サンジュン)の興味は「ポケモンGOとどう連携するのか?」に尽きる。もう間もなく販売を開始する新デバイス「ポケモンGOプラス +」は、どちらのゲームとも連携することが明かされているだけに期待は高まるばかりだ。
・とにかく寝よう
で、まずは実際にプレイした『ポケモンスリープ』の感想からお伝えしていこう。『ポケモンスリープ』は睡眠ゲームアプリであるため “寝てナンボ” のゲームと言い切ってイイ。日中にプレイできる要素もあるにはあるが、あくまで睡眠が大前提となっている。
大まかな流れとしては「夜:睡眠計測」「朝:ポケモンの寝顔の観察」「昼:カビゴンの育成」となっており、ゲームとしては睡眠の結果によって朝に出現する、ポケモンの「寝顔図鑑」を埋めることが最大の目標だ。
ゲームスタート時点ではカントー地方やジョウト地方のポケモンを中心に「100種類以上のポケモンが登場する」とのことで、今後も新ポケモン登場の可能性はかなり高い。またポケモンごとに数種類の寝顔が用意されているため、図鑑制覇にはかなりの時間がかかりそうだ(基本1日1回しか寝ないからね!)。
チラッと触れた通り『ポケモンスリープ』の主役は “いねむりポケモン” のカビゴン。夜はカビゴンと共に睡眠を計測し、朝はカビゴンの周囲に集まったポケモンたちの寝顔を愛でる。日中はカビゴンを育成するための「料理」などの要素もあるが、メインは夜と朝と考えていいハズだ。
・睡眠計測アプリとして
気になる睡眠計測は枕元に『ポケモンスリープ』を起動したスマートフォンを置いておくだけ。ポイントは “枕元に置くこと” で、例えばデスク等に置いても正確な計測は出来ない。なぜなら睡眠時の体の揺れや振動も、計測の基準となるためである。
というわけで、キャンプ場、つまりテントの中で『ポケモンスリープ』をセット! 「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」には極上のスパ施設があり、完全に整った状態で深い眠りへと落ちた。そして翌朝──。
いたッッッ!!!!!
カビゴンの周囲にいたのは「ゼニガメ」「ププリン」「ヨーギラス」の3種類。出現するポケモンは3つの睡眠パターン「ぐっすり」「すやすや」「うとうと」に応じて変化し、この日の私は「ぐっすり」と判定されていた。
これはちょっといいかも……というか「朝起きるのが楽しみになる」のコンセプトは「確かにその通りでした」と認めざるを得ない。だって、朝ワクワクしたもの。また規則正しい睡眠を意識付ける意味でも『ポケモンスリープ』は “アリ” なゲームではないだろうか?
で、で、で。
・ポケモンGOとの連携は?
ここからはポケモンGOトレーナーが気になっているであろう「ポケモンGOとの連携」について。先述の通りポケモンGOとポケモンスリープは、まもなく発売される「ポケモンGOプラス+」と連携する。
ポケモンGOではこれまで通りの機能に加え「オートキャッチ機能」と「選択式でスーパーボールとハイパーボールを投げられる機能」が搭載される予定。そしてポケモンスリープでは「枕元に置いてスマホ代わりに睡眠を計測する機能」が搭載されている。
では「ポケモンGO」と『ポケモンスリープ』は直接的にどんな連携をするのか? もっと言えばポケモンGOトレーナーが『ポケモンスリープ』をプレイして得られる恩恵は何なのか? 会場にいた株式会社ポケモンの方に話を伺ったところ、以下のような回答があった。
株式会社ポケモンの人「ポケモンGOトレーナーの方に直接的なメリットはありません。ポケモンGOプラス+の発売日が近いこともあって紛らわしいんですが、誤解されている方が多いならハッキリお伝えいただいた方がいいかもしれません。
逆にポケモンGOをプレイしていると『ポケモンスリープ』の方ではメリットがあります。ポケストップを回すとポケモンGOプラス+を通じてアイテムが増えやすくなったりしますので、2つのゲームに全く関係がないワケではないんです。
また、そもそも『ポケモンスリープ』は外に飛び出して歩くポケモンGOにヒントを得て “次は睡眠のゲームだ” というところから始まりました。ポケモンGOとはほぼ被らないゲーム設計になっていますので、両方を楽しんでいただくことは十分可能だと考えております」
ポケモンGOトレーナーにとってまず重要なことは「ポケモンGOとポケモンスリープは基本的に連携しない。若干するけどメリットがあるのはポケモンスリープ側のみ」ということ。まずこれは事実として覚えておくといいだろう。
・連携はしないけど
ただし、株式会社ポケモンの人が言うように「ポケモンGOを邪魔しない設計」であることは確かだ。夜寝る前に睡眠を計測し、朝起きたら集まっているポケモンを触る。基本はこの2つで最低限のプレイは完結する。
また「ポケモンGO」を万歩計、『ポケモンスリープ』を睡眠計測アプリとして活用することは理にかなっているのではないだろうか? まだ一晩しかプレイしていないものの『ポケモンスリープ』がポケモンGOの邪魔になっている感覚は今のところない。
私自身、2つのゲームが何かしらの連携をするものだと思い込んでいたが「ポケモンGOプラス+が両方のゲームと接続するだけ」というのが正しい認識のようだ。ただし『ポケモンスリープ』側には、ちょっとしたメリットが存在した。
というわけで、鼻息をフンフン鳴らして新潟県まで駆け付けたが、ポケモンGOとの連携が無くてややションボリ。……からの「でもポケモンスリープが楽しかったからまあいいや!」と思えたメディア向け先行体験会であった。
結果的にはポケモンスリープをやるも八卦、やらぬも八卦。この記事では「ポケモンGOとは連携しないけど、ポケモンスリープは邪魔にはならない」とお伝えしておきたい。あと「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」のスパ施設がマジで最高でした。
参考リンク:Pokémon Sleep
執筆:P.K.サンジュン
Photo:c2023 Niantic, Inc. c2023 Pokemon. c1995-2023 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ScreenShot:ポケモンスリープ 、 ポケモンGO (iOS)
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▼最新情報はTwitterをチェックしてくれよな! これ↓は新潟での話でした。
なかなかの地方に来てるんだけど、ポケストップのおひろめ率はかなり高い印象。あと3箇所までしかエントリーできなかった。(サンジュン) pic.twitter.com/Oe9M4wzOar
— ポケモンGO部@ロケットニュース24 (@rocketnews24go) July 11, 2023
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