そのパンはあまりにも浮いていた。なにせ、食パンとかカレーパンとかが並んでいるところに『黒く邪悪なパン』である。いやが上にも目を引くネーミング。と同時に味が気になるので、1つ購入して食べてみることに。すると……
不思議なことに、書いてはいけないことを書きたい気持ちになったのだ。これはまさに『黒く邪悪なパン』の呪い……かどうかは定かではないが、以下にはパンに関するネタバレを含むため、それがイヤな人はここで引き返してくれ。
──と、いちおう注意喚起をしてはみたものの、はっきり言ってあまり意味がないだろう。なぜなら、そんなに大したネタバレじゃないから。むしろ、実際に食べて「え? これ?」となるくらいなら、本記事で知っておいた方が……。
危ない! 邪悪な部分が出てしまったようだ。先に述べたようにネタバレを避けたい人はここで引き返してもらうとして、パンについて語っていこう。
・普通のパン屋さんにある異質なパン
まずは基本的な情報から。『黒く邪悪なパン』はテイクアウトだと1つ324円。「ベーカリー&カフェ ルパ(Le repas)」の商品だ。
この店名、京王線沿線にお住まいの方であればおそらく馴染みがあるのではないだろうか。京王の駅構内、あるいは駅のすぐ近くでよく見るパン屋さんである。
知らない方のために超簡単に説明すると、めちゃくちゃ普通のパン屋さん。それだけに、『黒く邪悪なパン』は尋常ではない存在感を放っていた。
しかも、わざわざ「トゲの部分は鋭いためお召し上がる際は十分にご注意ください」とまで書いてある。そこまで言うならばと買ってみて、実物をじっくり眺めてみた。
上の画像を見ればお察しのように、どうやらチョコレート系のパンのよう。“トゲ” と言っているのは、ナッツ類だろうか?
ただ、それだけだと普通のナッツ入りチョコレートパン。『黒く邪悪なパン』と言うからには、他に何かがあるだろう。
たとえば、チョコレートが何層にもなっていたり、あるいはナッツ類が大量に入っていたり……ってことを想像しながら かじりついた。
そして約1分で食べ終えたのだが、そのときに私の脳裏をよぎったのは「人柄の良さを隠そうにも隠し切れないヒールレスラー」である。
そんなヒールに「普通にいい人やん」と言うのは一種の営業妨害。しかし今回、私はあえてそのタブーを犯したい。
・暴露
おい、『黒く邪悪なパン』よ、お前ただのチョコレートパンやないか。最後まで食べたけど、邪悪な要素が完全にゼロやろ! せめて、不健康なほどチョコレート塗りたくれや!!
あるいは、もっとナッツをガンガン詰めろや! 『黒く邪悪なパン』のクセに、なんで食感のバランス考えとんねん! 普通に美味しくすんなや!!
……言葉が荒くなってしまい申し訳ない。これはすべて『黒く邪悪なパン』のせいだとご理解いただければ幸いだ。
・販売期間と店舗
ちなみに、『黒く邪悪なパン』は2023年6月25日までの販売で、店舗も限定。その店舗は以下の通り。
調布店、府中店、吉祥寺店、南大沢店、橋本店、笹塚店、桜ヶ丘店、稲城店、高尾店
販売店舗が近くにあればラッキーだが、ぶっちゃけ普通のチョコレートパンなので……おっと! 『黒く邪悪なパン』を食べた影響は思ったより大きいようで、邪悪なコメントが止まらない。なので、そろそろ失礼しよう。では!
参考リンク:ベーカリー&カフェ ルパ
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.