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サイゼの「おこさまスパゲッティ」終了で最も影響を受けるのは、子連れじゃなく〇〇な可能性 / 復活の「柔らかチキンのチーズ焼き」

2022年12月16日

2022年12月14日から、サイゼのグランドメニューが改訂された。それ自体は毎季恒例のこと。しかし此度の改定は、サイゼファンにとって悲壮感を覚えるものだったかもしれない。

理由は皆さんご存じの通り。この改定によって、メニューからスパゲッティ大盛と「おこさまスパゲッティ」が消えたからだ……!

きっと全国の食いしん坊たちと、子連れ系サイゼユーザーは悲しみに暮れていることだろう。しかし、実際にメニュー改定後のサイゼに訪れたところ、予想外の印象を抱く結果に。真にダメージを受けるのはもしかして……。

・大盛の歴史

という事でやってきた近所のサイゼ。残念ながら今回のメニュー改定で、新作の投入は無いもよう。終了ばかりが目立ち、敗北感が否めない。こちらが改定後のパスタのメニュー。


思い返せばサイゼのパスタには、かつて「ダブルサイズ」が存在した。文字通りに量が2倍になるというものだ。今でもググればサイゼの当時のPDFファイルが出てくる。


いつしかそれが消え、1.5倍になる大盛が登場。プラス100円から200円くらいで大盛にできるように。過去の記事に改定前のメニューの写真が残っていた。


そして改定後のメニュー。それぞれのメニューにあった「大盛」が消えている。これが時代の波か……。


・おこさま

消えたのは「大盛」だけではない。ファミリー勢に大きなダメージがあると予想される「おこさまスパゲッティ」もなくなった。

私は頼んだことが無いので詳しく知らない。どのようなものだったか店員さんに聞いたところ、ミートソースと たらこの2品のみ、マイナス100円で半分の量にできたもよう。

なるほどなぁ。子供だと食べきれない場合もあるものな。ちなみにこれが、改定後のキッズメニュー。


では、これからキッズはどうすればいいのか……? メニューにはこうある。


大人と一緒に食べよう


これがサイゼからのメッセージなのだろう。ちなみに「おこさまポップコーンシュリンプ」や「おこさまポテト」、そしてキッズドリンクバーは健在だ。


・わりとイケると思う

「大人と一緒に食べよう」ということで、今後はキッズも一人前。食べきれない分は、同伴の保護者が食べるしかなくなる。

通常のメニューの半分ということだが、具体的にどの程度の量なのか試してみることに。

まずは「タラコソースシシリー風(400円)」のパスタをオーダー。


そして半分にカット。これが実質的に、かつて存在した「おこさまタラコソーススパゲッティ(300円)」と同等のものだと思われる。


食べてみると、大人ならだいたい3口か4口程度だろうか。よっぽど小食でない限り、大人ならこの程度の追加は問題ないと思う。

今後は子供の分も含めて、フル規格のパスタを2品オーダーするしかなくなるが、100円多く出費することになるだけだし、そこまでダメージはデカくないのでは?

むしろキッズにとっては朗報かもしれない。量が半分&100円安い「おこさまスパゲッティ」の存在により、「どうせ全部食べられないんだから」等と言われ、問答無用でミート or たらこの2択しか許されなかったキッズも絶対いるだろう

今後はフル規格しか存在しなくなるため、どれを頼んでも量は同じ。1人前を食べきれないキッズにも、サイゼの数々の激ウマパスタへの道が開かれる可能性。

これからは大人も胃袋が半人前なキッズも、それぞれ食べたいパスタを頼み、キッズは半分を保護者に食べてもらう。キッズは好きなものが食べられて、保護者は2種類のパスタを味わえる。そう考えれば、わりとみんなハッピーではなかろうか。


・真にダメージを受けるのは…

しかし特定の層だけは、どうやっても救われないかもしれない。それは60歳以上の、加齢ゆえにどうやっても量が食べられない者たちだ。

実はキッズメニューは60歳以上の人もオーダー可能(キッズドリンクバーを除く)。彼らも今後はフル規格を食べるしかなくなる。

若い人同伴なら食べてもらうことも可能だろうし、複数人で来たなら、事情を説明すればシェアも認められることだろう。しかし、一人前を食べられない老人のソロサイゼ勢は、残すしか手は無さそう。

世界には食べ物を残した方がマナーが良いとされる場所もあるが、日本は綺麗に完食するのが良しとされる文化。

昭和までは、幼児に完食が美徳であるという価値感を暴力で叩きこむという恐るべき教育スタイルもザラだった。そういう時代を生きた60歳以上の小食なソロ勢には、「おこさまスパゲッティ」終了のダメージがデカい気がする、。


・季節のメニュー

ということで少し暗い展開になったが、せっかくなので改定されたメニューのウマさも見ていこう。改定によって、アサリのうま味が出まくった冬の定番「スープ入り塩味ボンゴレ(500円)」と……


同じくアサリがウマい「白菜のクラムチャウダー(300円)」が復活! 再会を心待ちにしていた人も多いだろう。両方食えば、あなたのアサリ欲求は果てしなく満たされるはず!


そして何より忘れてはならないのが、待望のアイツの復活。今年5月に突然死した「柔らかチキンのチーズ焼き(500円)」である。当時の記事によると、原料供給不足が原因だったもよう。


チーズの表面は程よく焼かれ、皮はパリッとしている。ナイフで切ると、いかにチキンがプリップリでジューシーか見てとれる。


このチキンを特製デミソースにくぐらせて食べれば一瞬でキマる……! トマトの酸味もいい仕事をしている。このウマさに抗える者など存在しないだろう。


鉄板に流れ落ちてカリカリになったチーズもウマいんだよな。


大盛と「おこさまスパゲッティ」の終了により、サイゼ戦線が崩壊不可避な気配を感じたのは私だけではないだろう。サイゼも昨今の情勢には勝てなかったのか……と。

しかし実際に改定後のメニューを堪能してみたところ、安定した底力を持つ季節限定の2品との再会と「柔らかチキンのチーズ焼き」というヒーローの帰還によって戦線は保たれた感。

参考リンク:サイゼリヤ
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.

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