突然だが、あなたは殺虫剤がない時にゴキブリが出たらどうするだろうか？ ゴキブリ嫌いにとって絶体絶命なこの状況。以前、私（中澤）は食器用洗剤で駆除を試みたことがあるのだが、なかなか命中せず部屋中がぬるぬるになってしまった。なりふりかまわない中だったにしても、さすがにへこんだものである。
しかし、ゴキブリのプロに言わせると、殺虫剤がなくとももっと簡単にゴキブリを仕留める方法があるのだとか。なんなら、仕事以外は大体その方法で殺るというではないか。そのお手軽な駆除方法とは一体……？
・Y子
話をうかがったのは害虫駆除を15年以上しているというY子さん。ちなみに、私とY子さんは10年以上の友人でもあるのだが、害虫駆除のプロであることは知らなかった。むしろ、古着屋の店員でもやっているのかと思っていたくらいである。
要するに、Y子さんはそんな雰囲気を持った人物。飄々としていてつかみどころがなく、普段の生活が見えてこないタイプというか。なお、女性である。
・事件
ことの発端は、友人家族宅に一緒に行った時のこと。夜、リビングでくつろいでいると、ゴキブリが登場。普段の私なら震え上がって対角線上の壁際まで逃げるところだが、その時はそうはならなかった。なぜか？
あっ──！ と思った瞬間に、Y子さんが「バチン！」と素手でゴキブリを叩いたのである。えええええ!? 何してんの!?
と思うが早いか、再度ゴキブリをバチンと叩くY子さん。その後、ティッシュを2、3枚取り出して、ぐちゃっと潰して試合終了。猫が反射でゴキブリを殺すみたいな早業であった。
・帰りの電車で改めて聞き返すレベル
目の前で起こった出来事がうまく飲みこめず、とりあえずその場はスルーしたが、自分の中で消化するには衝撃シーンすぎたので、帰りの電車でY子さんに聞いてみた。「あれは何だったのか？」と。
すると、Y子さんは朗らかにあの殺し方がいかに理にかなっているかを教えてくれた。なんでも、叩くことでゴキブリが気絶みたいな感じになり動かなくなるのだとか。その習性（？）を利用し、念のため、もう一発食らわせて失神状態にした上で、最後にティッシュで包んでつぶすと簡単なのだという。
・懸念点
しかし、私は聞かずにはいられなかった。「ビンタ段階で力加減を間違ってつぶれたらどうするのか？」と。ゴキブリを素手で潰してしまおうものならトラウマになりかねない。
が、Y子さんいわく、「おそらくそれはない」とのこと。Y子さんの経験上、ゴキブリはかなり固く、潰すつもりで体重をかけないと潰れないのだそうな。へー！ 素手でつぶそうと試みたことがないから知らなかった。
1匹とかならこの殺し方がベストだと胸を張るY子さん。なるほど、15年ゴキブリと共に生きてきたY子さんが言うならそうなのだろう。だが、1つだけ言わせてくれ。普通に触っとるやないか！ こんな殺し方ができるならそもそもゴキブリにビビってないっちゅーねん!!
執筆：中澤星児
Photo：Rocketnews24.