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「日本一ギネス世界記録を持つ芸人」のチェリー吉武さんに『尻でくるみを割る方法』を教えてもらったら、尻がやべえことになった……

2022年9月16日

意外と知られていないことだが、「ギネスワールドレコード(ギネス世界記録)」は誰にでも挑戦資格がある。その気になれば、みんな記録保持者になることができるのだ。それなら、1つくらい記録に認定されてみたい!

そこで「日本一ギネス記録を持つ芸人」のチェリー吉武さんにギネス世界記録について教えてもらうと共に、彼が保持する「30秒間でもっとも多くくるみを尻で潰す」についても指導してもらったぞ。

実際に尻でくるみ潰しに挑んでみたら、尻が……、尻がーーーッ!!

・26個ものギネス世界記録

ギネスワールドレコードはイギリス発祥の世界記録認定組織である。1950年代に書籍「ギネスブック」が誕生し、現在までに6万件以上の世界一がデータベースに登録されているそうだ。そのうちの26個(2022年9月現在)をチェリーさんが保持している


彼の持つ記録の一部を紹介すると、


「30秒間で最も多く乾燥エンドウマメをストローを使って運ぶ」 記録29個2014年7月
「もっとも長い時間鼻の上でハンドスピナーを回す」 記録8分49秒2017年12月
「もっとも長い時間熱い飲み物にビスケットを浸して、1メートル離れたところでそれを崩さずに食べる」 記録5分17秒2018年11月
「1分間でもっとも多く手で跳ね上げたドリンクコースターを箸でキャッチする」 記録51枚2022年2月


……など、これらすべての世界記録に認定されている。

どれも奇妙なものだが、もっとも有名な記録のひとつが「30秒間でもっとも多く尻でくるみを潰す」だ。これは彼のギネス挑戦の第一歩、いわば歴史の始まりとなる記録だった。


・運命のオファー

佐藤「チェリーさん、今日はギネスのことも含めて、ご自身のことを教えていただきたいと思います。よろしくお願いします」

チェリー「何でも聞いてください」


佐藤「チェリーさんと言えば「尻でくるみを割る」という印象が強いんですけど、この記録に挑戦するきっかけを教えていただけますか? そもそもこれはご自身の芸だったんでしょうか?」

チェリー「いや、僕の持ち芸ではなくて、イギリスの番組で挑戦することになったのが最初ですね」


佐藤「イギリスの番組に出演していたんですか?」

チェリー「その番組に出演するきっかけを説明するために、少しさかのぼってお話をしますね。僕は以前、ワハハ商店(ワハハ本舗)に所属していたんですね。今から17~18年前になりますけど、その当時「ラジークイーン」っていう3人組でネタをやっていたんですよ。

僕はドラァグクイーンに扮してお尻を使った芸をやってたんですよ。尻でシャンパンのコルク抜きとか、菜箸を尻で折ったりね」


佐藤「お尻を使った芸が得意だったわけですね」

チェリー「そうなんです。それで2012年の末に、イギリスのテレビ局「BBC」からオファーがあったんです。日本人で尻を使った芸人を探してるってことで、僕に声がかかったんですよ


佐藤「そんなオファー、あるんですね!」

チェリー「その番組は「Officially Amazing」といって、日米英の3カ国の挑戦者でギネス世界記録に挑むというものでした。その最初の挑戦が「30秒間でもっとも多く尻でくるみを潰す」だったんですよね」


佐藤「運命ですね!」

チェリー「今思えばそうですけど、当時は尻でくるみを潰したことなんかないわけですよ。それでその翌年1月中旬にイギリスから撮影クルーが来日するってことになって、そこから猛練習ですよね

その時の記録が30秒間で38個ですから、これを超えないといけないんですけど、1個割るのが精いっぱいですよ、最初はね」


佐藤「30秒で38個も割れるもんなんですね」

チェリー「非常に高い壁だったんですけど、試行錯誤を繰り返して「シュリンプ(エビ)式」という技を編み出しました。当時の記録保持者はまっすぐ尻を降ろしてくるみを割って、真横に移動する「クラブ(カニ)式」を採用してたんですけど、僕は横尻で割ってスライドするように移動する方法を採用しました。スライド移動がエビみたいだからシュリンプ式なんですね」


佐藤「なんか必殺技みたいでカッコイイ! それでシュリンプ式で結局何個潰したんですか?」

チェリー「その時は撮影本番で48個を割りました


佐藤「おお! それで1つ目のギネス記録を獲得したんですね。スゴイ! その記録は今も破られてないと……」

チェリー「いや、僕自身で記録を更新しています。2022年2月に78個まで行きました。それがこの記録ですね」

佐藤「最初に挑んだ時の倍以上じゃないですか! 進化してるッ!!」


・審査さえ通ればいける!

佐藤「そうしてチェリーさんのギネスの歴史は始まったんですね」

チェリー「そうです。あれ以来、その番組から毎年オファーをいただくようになって新しい挑戦をしていくことになりました」

佐藤「挑戦する内容について教えていただきたいんですけど、番組出演の場合はすべて段取りされているんですか? それともチェリーさん自身で挑戦内容を決めているんですか?」


チェリー「基本的には番組が用意してます。とくに「Officially Amazing」はギネスワールドレコードが携わっている番組ですから、挑戦の段取りは整っています。内容とかルールとか申請に関してもスムーズなんですよね。

ほかの国だと、事前に聞いていた内容と違う場合があります。たとえばイタリアは、リハーサルの段階で何やるか決めるとかあります。予定にないことを平気でやらせようとするんですよね」


佐藤「無茶ぶりでギネス世界記録に挑戦させるんですね……」

チェリー「急にコレをやるって言われて、記録更新のプレッシャーをかけられてね」


佐藤「申請ってどんな内容でもできるんですかね?」

チェリー「審査を通るものであれば、どんなものでもギネス世界記録に申請できますよ」

佐藤「たとえば、巨大パンダのぬいぐるみを持って速く走るとか」

チェリー「面白いじゃないですか。それ多分行けますよ」


佐藤「そんなんでいいんですね!」

チェリー「そんなのでいいんですよ。とにかく誰にでもチャレンジの機会は開かれていますよ。詳しくは公式サイトに書かれているので、確認してみてください」

佐藤「見てみます!」


・割れにくいくるみ

佐藤「今日はせっかくなので、チェリーさんに尻でくるみを割る技の手ほどきを受けたいと思うんですけど、お教えいただけますか?」

チェリー「もちろん! いいですよ」


佐藤「やった! ヨシオ(撮影係)、教えてもらえるって。俺たちも世界記録を狙おう!」

ヨシオ「そんなカンタンにできるわけないだろ! 1個も難しいはず。チェリーさん、くるみってめっちゃ硬いですよね? 僕、普段家でくるみを食べるんですけど、マイナスドライバーで割ろうとして、手をケガしたことあるんですよ。カンタンに割れないくるみってありますよね?


チェリー「くるみの品種にもよりますけど、オニグルミとかは硬いですよ。尻では無理ですけど、市販のくるみならイケると思います。僕がよく使ってるのは、カリフォルニア産かな。あとはスーパーやデパートで扱っている国産のものなら大丈夫だと思います。今日持ってきていただいた くるみ なら、全然イケますよ」


・いざ挑戦ッ!!

ってことでまずはチェリーさんにお手本を見せていただいた。用意した赤いマットの上に8個のくるみを並べて……


スターティングポジションにつくと「3、2、1、チェリーゴー!」の掛け声でスタート!!


パン! パン! パン! と炸裂音が響き……。


終了! わずか3秒!! はええええええ!


さすがギネス世界記録保持者! 見事に全部粉砕されている。




よし、まずは私(佐藤)から1個割るのに挑戦だ!


佐藤「チェリーさん、尻のどこら辺で割るんですか」

チェリー「大殿筋(だいでんきん)っていうのかな? 尻の肉で潰しに行く感じです」


チェリー「勢いよくいってください。中途半端だと割れなくて余計に痛いので」

佐藤「行きます!」


佐藤「オリャーーーー!」


佐藤「ヨッシ! 割れた!!」

ヨシオ「カッコ悪かったけど、ちゃんと割れてる!」


悶絶するほど尻が痛いかと思ったけど、そんなに痛くなかった。勢いよく尻を落としていくと、しっかり割れるようだ。


そして次はヨシオの挑戦! はたして無事に割ることができるのだろうか?


チェリー「じゃあ、5個いってみますか」

ヨシオ「え? いきなり5個ですか!」


チェリー「勢いよくね」

ヨシオ「怖えな、行くぞ!」


ヨシオ「オリャーーーー!」



全部割れた~! いきなり5個割り、すげえ!

ヨシオ「尻が、尻が痛い……」


さすが当編集部でも屈指の運動能力の持ち主である。初挑戦で5個を割ってのけた。しかし尻に相当なダメージを負ったようだが……



ということで、ギネス世界記録を獲得するためノウハウを教えていただいた。ひょっとすると近い将来、当編集部でギネスに挑戦することになるかも。その時は皆さん、応援よろしく! 何か1つでも記録に認定されるぞ~!!

取材協力:チェリー吉武ブログTwitterホリプロコムギネスワールドレコード
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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