自動車メーカー「SUBARU(スバル)」の企業城下町として知られる群馬県太田市では、スバルの自動車をかたどった和菓子が人気のようだ。その名も『スバル最中(もなか)』。これを目当てに、日々多くのスバリスト(スバル車のファン)が買い求めにくるそうだ。
まるで聖地巡礼みたいだし、一体どんなものだろう。気になったのでネットで調べてみたら……筆者はその姿に一目惚れ。いてもたってもいられなくなって、製造・販売元の和菓子店「伊勢屋」へ急行した。
・スバル工場の向かいにある老舗和菓子店
目的地「伊勢屋」は、最寄りの太田駅(北口)から徒歩で約5分。
駅を出るとすぐにSUBARUの文字が見えた。どうやら、あの建物(工場)の正門前に店を構えているらしい。高鳴る胸をおさえて、いざ出発。
歩きながら、ふと車道に目を向けると、六連星(むつらぼし)のエンブレムがあちこちで輝いていた。さすがにスバルの城下町と呼ばれるだけのことはある。
そんなことを思っていたら、いつの間にかスバル工場の正門前にたどり着いてしまった。辺りを見渡すと……
あった! ここが『スバル最中』で有名な和菓子店「伊勢屋」だ。昭和9年(1934年)創業の老舗である。
手に汗握りながら入店すると、まず目に飛び込んできたのは、スバル愛あふれる和菓子コーナー。熱量がハンパない。いろいろ物色していると……ついに見つけた。
スバル最中だ!
か、かっこいいー!! これはスバリストたちがわざわざ足を運ぶのも納得である。ガラス越しでもかっこいい!!
今回、「伊勢屋」の岡田社長からスバル最中の歴史について話を聞くことができた。
61年前にデビューしたスバル最中は、これまで2度のモデルチェンジを経ていて、現在で3代目とのこと。初代スバル最中の金型は「スバル360」という車がモデルであり……
2代目は「レオーネ」という車がモデルだったようだ。
そして、現在の3代目は「レガシィB4」という車がモデルらしい。ちなみに、初代と2代目の金型は店頭に飾られているので、その歴史を間近で感じることができる。スバリストにとって、この空間はたまらないものがあるだろう。
岡田社長の話を聞けば聞くほど、スバル最中が食べたくなってきた筆者。そこでスバル最中や他の人気和菓子がセットになった『スバルアラカルト(7個入 / 税込1100円)』を購入することにした。
・スバル最中を実食
さっそくスバル最中を持ち帰って食べてみることに。レトロな雰囲気の包装紙がオシャレ。
箱を開封してみるとこんな感じだ。いろいろとおもしろそうな和菓子が詰まっていて、インパクト大。
スバル最中を袋から取り出し、まじまじと見てみたのだが、細部にまでこだわった作り込みが素晴らしい。ホイールやライト、サイドミラーにいたるまで、「レガシィB4」というモデルを忠実に再現しているようだ。
食べるのがもったいない気もするが……いただきます! そのままかぶりつこうと思ったが、真っ二つに割って中身を確認しながら食べてみよう。
おぉ……!
餡(あん)がぎっしり詰まってるーッ!! よく見ると、餡が厚い皮からハミ出ているではないか。よほどパンパンに詰め込まれていたのであろう。
その分、ひと噛みごとの “サクッ&じゅんわり” とした食感が気持ちいい。同時に、なめらかでやさしい甘みが口の中にゆっくりと広がる。
……うまい。
咀嚼(そしゃく)のスピードはどんどんあがり、気がつけば2個目に手を出していた。と、止まらない。舌が勝手にギアをあげてくる。これが、スバル最中のパワーなのかッ!! ……ラスト1個も、ノーブレーキでフィニッシュ。
眺める楽しさを忘れてしまうほど、この食感と味はハマる。長年にわたって愛されている理由がなんとなく分かってきた。
ひとつひとつこだわり抜いて丁寧に作りあげられたスバル最中は、見た目も味も記憶に残るステキな和菓子だった。手土産にしたらきっと喜ばれることだろう。
もし、群馬県太田市を訪れる機会があれば、ぜひ「伊勢屋」に立ち寄ってみてはいかがだろうか。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 伊勢屋
住所 群馬県太田市東本町24-23
時間 9:00〜18:30
休日 水曜日
執筆:古沢崇道
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼『サブロク焼』(税込130円)これはかわいい! しっとり感のある皮とピーナッツクリーム入りの白餡がマッチしていて、おいしい!
▼『THE スバル(1袋2枚入)』(税込130円)バキバキとした食感が楽しめる瓦せんべい風味の和菓子
▼『六連星サブレ』(税込125円)スバル車がランダムにプリントされているココナッツ風味のサブレ
▼左から『どら焼』(税込140円)、『バターどら焼』(税込170円)、『カスタードどら焼』(税込150円)スバル関連以外のオリジナル和菓子も人気のようだ
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]