ロケットニュース24

スーパーの卵を価格別で食べ比べしてみた結果 → ひとつだけ圧倒的にウマい! 目をつぶって食べてもわかるレベル

2022年6月27日

スーパーで買い物をしていてふと不思議に思ったことがある。それが、卵の価格ごとの違いだ。

昔はスーパーの安売りチラシの目玉商品であった卵。最近になって安売りは減ったが、逆に高級志向の卵も売り出されるようになってきている。

一体どれほど味や質が変わるんだろうか? いわゆる高級な卵ってどれぐらい美味しいの~~~!?!?

・今回食べ比べた卵たち

今回購入した卵は3種類。食べ比べて違いを探してみたいと思う。

①吉備の平飼いたまご 6個入り税込300円 1個あたりの価格は50円
平飼いとは、鶏を地面に放して飼う養鶏方法のこと。自由に運動できることで卵の質が良くなるそうで、高級卵として取り扱われることが多い。

②トップバリュ ビタミンD入り卵 6個入り147円 1個あたりの価格は24.5円
骨の形成を助ける栄養素であるビタミンDが、通常の3.6倍含まれているという栄養機能食品。

③ミックスたまご 10個入り税込170円 1個あたりの価格は17円
スーパーではなくドラッグストアにて購入。52~76gのサイズの卵が混ざった価格重視の卵。


①が平飼いであるのに対し、②③はケージ飼い(ケージを積み重ねた中で飼育する方法)である。この違いが一体どれほど味に影響するのだろうか……?

なお、この先の記事ではわかりやすいよう、それぞれの卵を「@50円」といった形で1個あたりの価格で呼ばせてもらう。


・サイズを比較してみた

まずは全体的に観察をしてみたところ、@17円は「ミックスたまご」の名前通りにサイズがバラバラ。10個中3個が小さめだ。


そのことは、同じ卵の中で一番大きい卵と小さい卵を取り出してみても明らか。@17円だけ最小サイズの卵が極端に小さい。


一見して「なるほど。安い卵は小さいのか!」と思ったのだが……そういうわけでもないらしい。

というのも それぞれ一番大きな卵を抜き出して比較したところ、白が膨張色であることを加味しても@50円が一番小さいという結果になったのだ。

高価な卵の方がパック内でのサイズ差は少ないが、最大サイズだけ見るとどの価格帯でも同じぐらいということらしい。

大きいサイズの卵が欲しい場合は、値段よりも「Lサイズ」などのサイズ表記を頼りに選んだ方が確実であろう。続いて、殻を割って中身を見てみた。


・生卵の状態を比較してみた

@50円が濃いオレンジ、それ以外が黄色と色が大きく異なる。鶏に与える飼料の内容で違いが出るらしく、色さえ濃ければ栄養満点ってわけでもないんですって。

筆者個人としては、オレンジ色が強い方が美味しそうに見えちゃうんだけどね。


横から見るとこんな感じ。

高価な順に黄身・白身ともに弾力を感じる


……が、このまま外見だけで判断すると先入観と偏見が入ってしまう。実際に黄身を箸でつまんでみることにした。


はじめに@50円。

黄身の薄皮に厚みがあり、弾力があって潰れる気配がない

黄身だけをつまんで持ち上げているにも関わらず、白身が剥がれずにゴソッとついて来るのも特徴だ。卵全体に対する黄身のサイズが大きかったのも高ポイントかな。


続いて@24.5円。

一瞬持ち上がったと思ったのだが、ツルリと滑り落ちる時に黄身が破れてしまった。弾力はないがやわらかくて粘度があり、できたてホヤホヤの求肥をつまんだ時の感覚に近いかもしれない。


最後に@17円。

持ち上げることはできず、箸でつまんだそのままにプチっと破れてしまった。3つの中では一番液体に近く、サラサラと流れるような質感だ。黄身自体がやや小ぶりなのは仕方がないだろう。


箸でつまめるかどうかがすべてではないが、価格ごとに黄身の弾力、薄皮の分厚さ、粘度など明確な違いが見えた。飼料や育て方による違いで卵の品質に差がついていることは確実だ。


・食べて比較してみた

卵自体の味を確かめるには、まずは生で飲んでみるのが良いだろう。

筆者はTKG(卵かけごはん)以外に生卵を食べたことがなかったため、正直抵抗があったのだが……驚くべきことに、ひとつだけ「このままでも十分美味しい!」と思えた。


やはり、そしてもちろんというべきだろうか。一番美味しく飲めたのは@50円の卵だ。

こっくりと濃いのに気持ち悪さが一切無いばかりか、まるでバニラアイスや生クリームのように甘みを感じる。目をつぶって食べてもわかるっていうぐらい、ひとつだけ圧倒的に美味しかった

ここまでの違いがあるとは思っていなかったため、筆者は正直驚いている。


他はどうだったかと言うと、@24.5円はドゥルっと感があって味が薄い。@17円はシャバシャバ粘度が低くて黄身の存在感が薄い。味付けナシの生卵で食べるのは少し苦しかったかな。

しかしどちらとも思っていたほどの臭みがなかったので、醤油を入れてしまえば美味しく食べられるはず。逆に考えれば、サッパリとした味わいっていうのはたくさん食べてもしんどくないというメリットにもなるだろう。


続いてはゆで卵を作ってみた。火が通った時の味がわかりやすいよう、固ゆでに仕上げてみたぞ。


このゆで卵は筆者の昼食も兼ねている。お腹が空いたので一刻も早く食べたいところなのだが……殻を剥いている時から既に明らかな違いを見つけてしまった!

@50円が圧倒的に殻が分厚い!

気を付けないと指と爪の間に刺さりそうなほど。薄めの樹脂かっていうぐらいに丈夫なのだ。

殻が分厚ければ優れているということはないそうだが、またしても鶏を育てる環境へのこだわりを感じずにはいられなかった。


こちらが殻を剥いて半分に切ったゆで卵だ。

生卵の時に感じた味の違いは、ゆで卵になっても共通していた。


@50円は黄身の旨みが濃くてクリーミー。このまま食べても美味しいが、タルタルソースや卵サンドに加工しても味が負けることなく、主役級に美味しい卵らしさを楽しむことができるだろう。

@24.5円は癖や特徴が少なく、スッキリと食べられる。卵の味そのものは正直薄いが、ハンバーグの付け合わせやラーメンの味玉など、名脇役として楽しめるように感じた。

それでは@17円が美味しくないかと言うと、決してそんなことは無く……むしろ筆者にとってはいつもの味だ。黄身に甘みを感じるし、白身もプリプリ。アジシオをかけちゃえば十分おかずとして成り立ってくれる。


・1個あたり50円に壁があるのかも

──ということで1日の中でひたすら卵を食べ続け、様々な視点から3つの価格帯の卵を比較してみた。


総合的に見ると大きな壁は1個あたり50円にあるのだろうか。すべてのポイントにおいて優れ、とにかく圧倒的に美味しかった。味にこだわりを持つ外食や製菓店などに「平飼いたまご使用」と書かれている理由がよく理解できた。

卵が主役の料理であれば、間違いなく平飼いたまごを選ぶべきである。食べ比べを通して、筆者は自信をもって断言できるようになった。

それでは日常的に食べる程度、または卵が脇役の料理はどうかと言うと……そこまでこだわらなくても十分じゃないかな。安い卵であっても値段の割に臭みが少なく、特に加熱してしまえば違いが分かる人はごく少数だろう。

よっぽど卵好きな人以外はこの戦法で間違いないはず。皆さんの今後の卵チョイスに役立てば嬉しいな!

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼卵焼きも作ってみたのだが、筆者の舌ではどれも美味しく感じた。卵焼きはどんな卵でも好きだな~!

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