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【ネタバレ無し】「トップガン マーヴェリック」は掛け値なしに最高の出来 / どんな高い期待も越えてくる最高のエンタメ

2022年5月27日

ついに公開となった『トップガン マーヴェリック』。36年前の前作『トップガン』からのファンにとって、今日ほど期待と不安の両方に揺さぶられた日はそう無いのでは。かく言う筆者もそうだ。受験や就職ですらもっとイージーに乗り切ったレベル。

そして、さっそく視聴した人は、圧倒的な感激で胸がいっぱいなことだろう。まだこれからという人は、安心して見に行って欲しい。

あなたの期待がどれだけ高くとも、この映画は間違いなくそれを容易くぶっちぎる。それどころか、想像することすら到底不可能なほどの素晴らしい仕上がりに打ちのめされ、この映画について誰かと語り合いたくて仕方がなくなるだろうから。

・前作は見ておいた方が良い

筆者も内容について誰かと話したくて仕方がない。しかし……この記事はネタバレ無し。トレーラーや、来日記者会見およびジャパンプレミア等ですでに公開・言及されていることについてはともかく、非公開な情報については一切触れないぞ。

ということで、まずは最も重要なことから。前作『トップガン』の視聴は必須ではない。しかし、見ておけば(できれば前日から映画館に行く直前までの間に)理解と感動が、かなり違ってくると思う

前作の知識無しで味わえる『トップガン マーヴェリック』の素晴らしさは、MAXを10とすれば10か9.5くらいだろう。

しかし前作の知識があれば、MAXが10のところ、100くらいになる。え、MAXを超えてるって? この映画は限界を超えてくるから仕方ない。冗談に聞こえるかもしれないが、映画館で見れば本当だとわかるだろう。


アラサー以上の年齢であれば、TVのロードショーで1度や2度は見ていると思う。しかし昨今ではTVを全く見ない人も多い。例えば20代とか10代であれば、1度も見たことが無くても不思議じゃない。

そういう方はもちろん、たとえ視聴済みでも記憶が定かではない方は、アマプラなりレンタルなりで見ておくことをお勧めする。

もはや古い部類に入る映画だが、公開から36年間、戦闘機モノの映画の中で、明確にこれを超えるほど影響力のある作品は1つも出てこなかった。今でも通用する素晴らしいクオリティだ。

どうしても見られないという方は、そこまで気にしなくても大丈夫。前作の情報が必要なシーンでは、親切にも前作の映像をそのまま流してくれるので


・何もかもがパーフェクト

では実際どうだったのか? 筆者は前作を何度も視聴済みのファンなので、どうしても感想はファン目線でのモノになるが、「トップガン マーヴェリック」は、全方面でパーフェクトだと感じた。

まず主人公のマーヴェリックは、今でもしっかりマーヴェリック! 皆が彼のキャラクターとして期待する通りに無茶をやらかして、死ぬほど格好良くキメてくれる

ちなみに今作におけるマーヴェリックは、絶対的なレジェンド感をもって描かれているため、「マーヴェリックなら何とかしてくれる」という安心感がある。そのため、非常に安心して見ていられる。

しかし映像から来る圧倒的なリアリティによって、視覚経由で強制的に本能的なスリルを感じさせられる。その結果、理性では安心できていても、本能ではハラハラさせられるという異次元な視聴感がある。

すでに色々な所で発表されている通り、今作では演者全員が本当に戦闘機で飛びながら撮影している。トムを含め、パイロットたちの顔の肉がゆがんだり、苦しそうになっているのは全てガチ。

作中では本物の戦闘機が本当にとんでもない飛行を行っているが、これも撮影に際し、米軍のパイロットたちが実際にやってのけたものだ。

現代のメイクの技術やCGでは、まだその辺りの表現で本物を超えるのは不可能だろう。迫真の演技や精巧なCGではなく、本物だからリアリティが違いすぎる


・映画館で見るべき

トムがジャパンプレミアで”I was never going to let this movie, be shown on television.(絶対にテレビで公開するわけにはいかなかった)”と真剣な顔で述べていたが、その意味もよくわかった。

この映画は、映画館の大スクリーンによる感動の増幅度が凄まじい。デカいスクリーンで見ると、ちょうど自分も戦闘機に乗っているかのような印象を受けるようになっているのだ。映画館で見ないと絶対に損をする

BGMやところどころの印象的なカットなどには、前作『トップガン』のエッセンスが散りばめられている。そのやり方が巧妙で、ファンサ的な意味でも胸を熱くさせられるのもヤバい。

あまりに熱いシーンが多すぎて、本当に5回は泣かされた。悲しいとかではなく、胸にこみあげてくる熱さで泣かされるという

ストーリーは分かりやすい造りで、シリアスもコミカルも共にバランスよく含んでおり、よく練られている。エンタメとしてこれ以上の映画は滅多に出てこないだろう。掛け値なしに褒めるところしかないヤバい映画だった

筆者が見たのはMX4Dの吹き替え版。字幕版とどちらにするか迷ったが、先日のジャパンプレミアにて撮影させて頂いた声優の森川智之さんの顔が急に思い浮かんだと思ったら、吹き替えを選んでいた。明日は字幕版を見に行くぞ!

参考リンク:トップガン マーヴェリック
執筆&Photo:江川資具

▼どうやって撮ったんだよ……という疑問は当然出まくると思う。パンフに撮影時の苦労が色々と書かれているぞ。



▼ここからは感想とは無関係かつ、ごく一部の人にとってしか有用ではないと思うので、追伸的な感じで。

「トップガン」と「トップガン マーヴェリック」では、色々な戦闘機が登場する。この映画の本質は戦闘機では無く、父親と息子の物語だったり、あるいは家族や仲間との絆についてであるように感じたが、それでも戦闘機は重要な要素だ。

詳細は伏せるが、作中では敵味方の戦闘機同士で戦うシーンがある。機体の性能差について説明無しに進むため、微妙に置いて行かれる人がいてもおかしくない。

映画の出来が凄まじいので、その辺で十分に楽しめないのは非常に勿体ない。ということで、両方の作品で登場する戦闘機について、必要十分な情報だけ超簡単に説明しておこう。


F-14 トムキャット:「トップガン」でのマーヴェリックの搭乗機。ベトナム戦争が終わるくらいに登場して、2022年のアメリカでは全て引退済み。博物館にしか無い。翼が開閉する仕様で格好いい。「トップガン」のアイコン的な機体。トップガンと言えばこれ。


F/A-18 スーパーホーネット:「トップガン マーヴェリック」での、マーヴェリックと仲間たちの搭乗機。味方の戦闘機。第4.5世代戦闘機。ちょっと古い


謎の第五世代戦闘機:トレーラーにも写っているが、どう見てもロシアのSu-57という最新鋭戦闘機にしか思えないやつ。敵の戦闘機。超最新型で強い。


ついでにF/A-18のような第4.5世代と、第5世代戦闘機の差がどんなものかというのも、感覚的に知っておく方が良いだろう。第4.5世代は、日本では自衛隊に1995年から配備されているF-2という戦闘機がこれにあたる。


普通に現役ではあるが、ニュースで時折予算問題等が報じられる通り、すでに後継機について考えなければならない感じのものだ。最新鋭を相手にするのはちょっときびしい。

対して第五世代とは、日本では2016年にロールアウトされたばかりのF-35Aがそれ。まさに時代の最先端な戦闘機というヤツ。

作中でF-14が出てきたら「もう骨董品なんやな」。F/A-18が出てきたら「ちょっと古めなんやな」。そして第五世代が出てきたら「最新鋭の超強いやつじゃん」みたいな感じの認識で十分だ。それだけで、話について行きやすくなると思う。

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