2022年4月17日は4月の満月の日。国立天文台によると、午前3時55分に満月になるもよう。ということで、見ごろとしては16日の深夜から17日の未明にかけて。
ネイティブアメリカンによる呼称は「ピンクムーン」。いかにも映えそうな名前だ。数ある満月シリーズの中でも、安定して上位の人気を獲得している。名前の由来や観測のポイントなどを各地の天気と合わせてお伝えするぞ!
・ピンク
まずはピンクの理由から。北米大陸最古の暦系メディア「The Old Farmer’s Almanac」によると、この時期にはシバザクラやキキョウナデシコなどが咲き誇って地面がピンクになるからだそう。
日本国内だと限られた場所でしかシバザクラを目にすることは無いと思うが、代わりに桜がその辺で咲きまくっている。ピンクなシーズンであるイメージは共通していなくもない。
・復活
そんなピンクムーンだが、今回はとある方面の人々にとって、かなりスペシャルな意味を持つ満月でもある。端的に言えば、神の復活とかそういうのに関連する話だ。
……という書き方をすると凄まじくオカルト的に聞こえかねないが、要はキリスト教で超重要な「イースター(復活祭)」の日を決定づける満月なのだ。
まあ、日本はあらゆる宗教のイベントでエンジョイ度を爆上げにしてフェスりがち。イースターもとりあえず卵型のチョコとかバニーでウェイる日というのが実情だろう。あまり重要なイメージは無いかもしれないが、実はクリスマスよりも強い。
・イースターを決める満月
さて、なぜ今回のピンクムーンがイースターと関係あるのか? それはイースターの日が「春分の後の最初の満月の次の日曜日」というルールで決められるから。
そして、今回はピンクムーンが春分後の最初の満月だからだ。ということで2022年のイースターは、グレゴリオ暦を使う西方教会だと4月17日。ユリウス暦を使う東方教会なら4月24日となる。
ちなみにここで言う「春分の日」は、日本で一般的な「春分の日」と完全に別物である点に注意が必要だ。日本の春分の日は、国立天文台が太陽の位置などから計算して決めている。
諸外国でも、基本的にそれぞれの国の専門機関が計算する。しかしイースター関連の……つまり、キリスト教的な春分の日は、常に3月21日だと決められているのだ。
今回のピンクムーンのようにイースターの日を決定づける満月の事を、キリスト教的には「Ecclesiastical(教会のとか、教会関連のという意味。覚えなくても困らない単語) full moon」とか「Paschal full moon」と呼ぶことがある。キリスト教圏では、もしかしたらピンクムーンよりも ecclesiastical な扱いが優勢かもしれない。
・天気は
というわけで、ここまで恐らく日本一雑学が多いピンクムーンの記事をお届けしてきた感があるが、そろそろ実用的な情報にも触れていこう。
まずはピンクムーンを映えるように撮る方法だ。どうやっても昇ってきた満月は白~黄色に輝くので、せめて赤みがかった姿を撮るには月の出の直後を狙うのが良いだろう。
国立天文台によると、東京を基準にした場合の月の出の時刻は16日の18時51分。なるべく東の空に雲が無いエリアの、開けた高い場所からチャレンジするのが良いと思う。
そして気になる全国の天気。気象庁によると、16日の天気は北と南が晴れ。東北から関東にかけては雨や曇りが目立つ。
が、17日になると多くの地域で晴れとなっている。予報の通りであれば、日本のほとんどの場所でピンクムーンをエンジョイできそう。
参考リンク:国立天文台、気象庁、The Old Farmer’s Almanac、
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
Screenshots:気象庁