私の名前は羽鳥だが、もしかしたら亀(かめ)なのかもしれない。もちろん女性ライター亀沢郁奈のことではなく、動物の亀。
なぜならば、「エビしか食べない」で検索すると、カメにまつわるお悩み相談ばかりがヒットするからだ。
そんな私が回転寿司に行って頼むのは、モチのロンでエビばかり。前回はスシローにて2717円ぶんもエビ豪遊してしまったが、今回のターゲットは人生初の「くら寿司」である。それでは、コックピットのようなおひとりさま席にピットイン──
──って……
てててて、テーブル席やん!!
しかも!
お箸とか醤油とかテーブルの中にインされてるゥゥゥ!!
さらに!
スマホからもオーダー可能!! って、これはロケットニュースの記事で見たことあるぞ……。あれって、くら寿司のことだったのか……。
って!
なんなんだ「ビッくらポン」って……!
こわいので「しない」にする小心者のオレ……。
ふぅ……。
それはさておき、初手はもちろん……
えび……
……って!
シャリが通常とハーフから選択可能!!
おいおいおい、なかなかしょっぱなから連続的にビッくらポンさせてくれるじゃねえか……。
あとは、そうだな……
えび天寿司(125円)に、
あぶりえびチーズ周辺をまるっとオーダーしておくか──
──って……
すごいことになっちゃったんですけど!
えび魔法陣!!
とりま(とりあえず、まあ)、「えび(125円)」のチェックから入ろうと思うのだが……
サイズ的にはスシローよりもひとまわり小ぶりな印象。もしもスシローがハイエースなら、くら寿司は軽バンのハイゼットカーゴといった感じだろうか。
いずれにしても、エビはペラペラで……
さびぬきなので、袋わさびをニュ〜して……
しょうゆを垂らして……
パクリ!
_人人人人人人人人人_
> うん! ショボい! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
だが、それがいい!! いや、よくない!(←どっちだよ!) なぜならば、価格がスシローよりも高いのに、サイズがスシローよりも小さいからである。
しかも味付けなしのノーマル的な「えび」は1サイズのみ。それゆえ、純粋に王道のボイル(蒸し)の「えび」を楽しみたい人に「くら」は正直オススメできないな……というのが私のファーストインプレッションである。
だがしかし……
「邪道」となると……!
くら寿司のほうが……
_人人人人人人人人人_
> 圧倒的に上っ……!! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
とか言いつつ、「えび天寿司」と「えび天チリソース」は衣がシナシナで正直イマイチ。「えびチーズ」も “焦げの味” が先行してウムムム……となってしまったが、それ以外の「改造系えび寿司」はどれもすさまじく完成度が高い!
特にウマいと思ったのは、「炙りえびマヨグラタン」と「えびアボカド」の2種類で、それぞれ思わずリピしてしまったほど気に入った。以下に簡単に説明すると──
「炙りえびマヨグラタン(125円)」は、ボイルえびの上に、グラタン調にアレンジされたボイル海老の破片が乗っかっているというエビonエビ寿司。
わかりやすく車に例えるとしたら、映画『マッドマックス怒りのデス・ロード』に出てきたラスボス「イモータン・ジョー」が乗っていた「ギガホース」(1959年型キャデラック・デビルの上に1959年型キャデラック・デビルのが乗っかった、頭のおかしい改造車)のエビ版みたいな感じだ。
いっぽう、改造エビ寿司のなかでは定番ともいえる「えびアボカド(125円)」であるが、くら寿司のそれはマヨネーズ強めのチューニング。
そんな多目のマヨ+シャキシャキの玉ねぎ+アボカドが見事なまでにスイングしており、これまたマッドマックス怒りのデス・ロードに例えるなら「ドーフ・ワゴン」(スピーカー満載で、車全体がライブハウスみたいになっている、頭のおかしい改造車)のエビ版みたいな感じか。
てな感じで、くら寿司のえび寿司、合計6種類で勝敗を付けるとしたら、2勝4敗の負け越し……
いや!
私は見落としていた──
「えび天寿司」の横に──
「手巻きえび天一貫」なる邪道巻物があることに!
しかし、さきほど “喝” を入れた「えび天」である。巻物になったところで黒星を重ねるだけ……
──って……
_人人人人人人_
> 超ウマイやん! <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄
この秘密は……
やっぱり!
マヨネーズ……!!
そう! 「えびアボカド」といい、「炙りえびマヨグラタン」といい、くら寿司はマヨネーズというウエポンを使うのが異常なまでに上手いのである! しかしながら、逆に “マヨがらみでないと勝てない” というデスマッチファイターならではのジレンマもあり、結果的には勝率も3勝4敗で僅差の敗北……
──と思いきや──
お会計で……
え……
\やすっ!!/
1250円!!
こんなにエビを食いまくって、さらにリピまでして1250円……!! 安い。安い! 安すぎる!! 前回のスシロー調査の半分以下にも及ばない! なんというコスパ。こんなに安いのにブツクサ文句を言うオレって……!!(赤面)
たしかにイマイチな部分もある。しかしながら、1250円で、あれだけのエビフェスを開催できるとなれば話は別。しかもマヨを使った邪道系えび寿司のウマさはスシロー以上といっても過言ではない。
ということで、私は……
全てを許すことにした。
ある意味、“金で黙らされた” といっても過言ではないが、このくらいの値段設定こそが大衆系回転寿司本来の姿であると思ったりもする。カメくらいエビには弱いと思っていた私の本当の弱点は、もしかしたら金(かね)なのかもしれない。
参考リンク:くら寿司
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24