ワークマンはもう作業着屋ではない。安くて機能性を重視したファッションブランドになってしまった。だが! もともとは建築現場の職人さんたちの味方だったはず。ルーツを忘れてしまったのかよ!!
そんな声に応えて、2021年12月に東京・板橋に原点回帰をうたった「ワークマンプロ」が誕生していた。
お店に行ってみると……。え? どこが回帰? 頭に来たのでニッカボッカをオシャレに着てやったぜ! もっとニッカを売らんかい!!
・そもそもワークマンは……
振り返れば、数年前までのワークマンはバリバリの作業服屋だった。2017年に私(佐藤)がパンチパーマにした時、パンチにピッタリのコーディネートを実現させてくれたのがいい例だ。
作業ベストにニッカボッカ。なかでも和柄の長袖Tシャツが最高だった。こういうのがひと通り揃うお店、それが俺たちのワークマンだったはずだ。
さらに今からさかのぼること7年前、2015年に挑んだコーディネートでは今から想像もできないほど意味不明の組み合わせも可能だった。だが、それでよかった。それがワークマンだったはずだ。
・どこが原点回帰なのか?
お店が増えて、世間的にアパレルブランドとして認知され、安くて高機能な商品が売れている。それ自体は良いことだし、私も嬉しく思っている。
しかしだ! 原点を忘れるな!! 作業服を買ってくれていた職人さんたちがいたから、今があるんだろうが!!
同じように感じている人たちがいるらしく、同社の2021年11月のニュース & トピックスには次のようにある。
「作業客からは「悲報!俺たちのワークマンはどこへいった」、「女性客や子供が多く店舗に入りにくい」との声が上がり始めました。そこで「原点を忘れず、進化を止めない」の原則の基に3つの本業重視方針を打ち出しました」
そうして誕生したのがワークマンプロだ。
実際にお店に行くと、入り口にこそ作業着・ハーネスを付けたマネキンが立っているけど、中身はほとんどワークマンプラスだ。
工具や手袋、安全靴の類はあるけど、ワークマン女子の商品もある。いやいや、原点的な商品はどこに?
一応あるにはあった。「鳶(とび)装束」が店内の一角にひっそりと……。
原点忘れてるよね! 作業着屋だった頃を忘れてるでしょー!!
ムキーッ! 派手な和柄のシャツが買えると思ったのに売ってねぇええええ!
頭に来たので、ニッカボッカ(NEXT黒狼ニッカパンツ:税込2546円)を買いました。
足袋仕様のハイソックス(メッシュかっ鳶ソックス:税込509円)も買いました。
ハイカットの作業靴(税込1936円)も買いました。本当は編み上げの作業靴が欲しかったけど、ほとんど扱っていない。悲しい……。
どや! ニッカはこんな風にも着られるんやで!!
ニッカは鳶職人が愛用する作業着だけど、そのルーツはゴルフや乗馬で用いられるスポーツウェア(Knickerbockers)だ。したがって、シャツやジャケットとも相性が良い。
これで自転車にまたがれば、裾を巻き込む心配がない。
建築現場の仕事に従事していなくても作業着は着られるんだよ。だからワークマンよ、これからもニッカボッカを置いてくれ。オシャレアパレルブランドも良いけど、作業服の原点をいつでも忘れないでくれ~!
・今回訪問した店舗の情報
店名 ワークマンプロ板橋前野本通り店
住所 東京都板橋区前野町4丁目14番2号
時間 7:00~20:00
参考リンク:ワークマン
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24