やって来るね。今年も1人のクリスマスが。私(中澤)のクリスマスのテーマソングはマライヤ・キャリーではなく、どちらかと言うとさだまさしの『遥かなるクリスマス』だ。メリークリスマス十把一絡げの幸せ、つまり嘘。
というわけで、ロイヤルホストの「クリスマススペシャル(税込3278円)」を予約した。電話で「何名ですか?」と聞かれた時、私は凍りつく涙を拭いながらこう答えた。「1名です」と──。
・予約
2021年12月26日まで予約者限定で注文することができるクリスマススペシャルセット。予約は店頭以外にも、電話とネットから可能で、店舗スタッフさんに聞いた話によると最短で翌日らしい。
セット内容は軽いコース料理となっており、予約の際に2種類のメインディッシュのどちらにするかを聞かれる。選べるのは「ノエル・ビーフシチュー」か「オマール海老とシーフードのグリル」だ。ビーフシチューは家でも作れるから、オマール海老いっちゃうぞー。
・特別対応
ロイヤルホストに行くと、「RESERVED」という札が置かれた奥のボックス席に通される。席に座るとスタッフさんが「本日担当の○○です。よろしくお願いします」と挨拶してきた。マジかよ!? 担当つくの? なんか水もワイングラスだし!
この担当さんは普通にホールのスタッフさんだが、なんかこういう対応があるだけで特別感を感じる。ロイホだけどロイホじゃないみたいだ。そんなパラレルワールドじみたロイホに戸惑っていると前菜が運ばれてくる。メニューによると「イタリア産生ハムと彩り野菜のトルテ仕立て」というものらしい。
・前菜
トルテ仕立ての意味はいまいちよく分からないが、生ハムと彩り野菜ということはサラダみたいなものだろうか。レタスにミニトマトとかパプリカでも入っているのであろう。生ハム入りなのはちょっと豪華な気がするなあー……
思てたんと違うッ!
チーズケーキみたいになっとる!! これは彩り野菜と言えるのか? でも確かにバジルソースは緑だし、食べてみると中にはパプリカも入っている。彩り方が想像と違いすぎたため取り乱してしまったが、スッキリした味わいでウマイ。
続いてやって来たのは、オニオングラタンスープ。濃厚なコンソメとチーズのハーモニーが見た目よりもボリューミーなロイホお馴染みメニューだ。普段何気なく食べてしまうが、今は逆にこの味に安心する。異世界ロイホで自分の世界のロイホとの共通点を発見したような気分になった。
・メインディッシュ
とは言え、本番はここからである。なぜなら次はメインディッシュ「オマール海老とシーフードのグリル」だからだ。予約してみて分かったのだが、予約の時点で選択するという方式は期待感が膨らむ。「一体どんなものが出てくるのか?」多くの人はそう思って来店するはず。
はたして「オマール海老とシーフードのグリル」はその期待に応えてくれるのか。だが、実際に運ばれてきたものを見た時、私は即座に理解した。問題は別にあったということを。こ、これは……
どうやって食べたら良いんだ……!!
パイで上下が挟まれているからハンバーガーみたいにかじるのだろうか? しかし、皿を満たすソースで下のパイがひたひたなのでハンバーガーのように持ち上げるのは無理そうだ。
・パイの苦悩
とりあえずフォークで突き刺して具の中の白身魚だけ食べてみたのだが、この食べ方なんか違う気がする! これただ白身魚食べてるだけやんけ!!
しかも、メインディッシュには「一緒に食べてね」と言わんばかりに英国風パンもついてきているではないか。バ、バカな!? これ以上パイを追い詰めるんじゃない……!
ひょっとして、これは下のパイと具を一緒に食べるものなのか? そう考えると、下のパイにはチーズも敷かれているし、シーフードの旨味も染みているだろうし、実にウマそうだ。そこで下のパイをナイフで切ろうとしたところ……
全然切れねェェェエエエ!! ただでさえナイフで切りにくいパイが、オマール海老のソースとかチーズでひたひたすぎてナイフの刃がさらに通りにくい。斬鉄剣でコンニャクが切れないみたいな現象がまさかロイホで繰り広げられようとは。
・思い知る悲しみ
皿上もルパン一味が現れたみたいにめちゃくちゃになってしまったわけだが、味自体はソースにもオマール海老のコクがあって上品だった。俺の胃袋にはウマすぎらぁ。困ったことがあったらね、いつでも言いな。おじさんは、地球の裏側からだってすーぐ飛んできてやるからな。
まあ、私にクラリスはいないんだけどね。
メリークリスマス世界中を幸せに願う君と、いえいっそ世界中が不幸ならと願う僕がいるゥゥゥウウウ!!
というわけで、1人ではさだまさしから逃れられなかったが、2人で行ったらちゃんとマライヤ・キャリーになれそう。ファミレスとは言え、さすがロイホ。
クリスマスの夜を任せるのは荷が重いが、12月のちょっとした食事とかなら楽しめるくらいのポテンシャルを感じたぼっちクリスマススペシャルでした。メリークリスマス!
参考リンク:ロイヤルホスト
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.