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【鬼滅の刃】「子どもにはグロテスクすぎる」という視聴者意見がBPOに寄せられ改めて議論に → 委員「配慮がうかがえた」

2021年12月6日

遊郭編が開始した『鬼滅の刃』。1話目の放送は、やはりと言うべきかTwitterで大きな話題となった。無限列車編のテレビバージョンを経ての新章ということで、これからますます盛り上がっていくに違いない。

一方で、2021年9月25日にフジテレビで21時から放送された『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』に対し、BPOへ抗議が入っていることは以前の記事でお伝えした通りだ。「改めて委員全員で視聴し議論する」としたBPO。会議の結果どうなったかと言うと……。

・視聴者意見

まず、寄せられた視聴者意見というのは「PG12指定の刺激の強い残虐なシーンがある映画を放送するのはいかがなものか」「21時からの放送で、子どもにはグロテスクすぎる」というもの。

本件について私(中澤)が少し意外な展開に感じたのはBPOが「改めて議論」としたところである。なぜなら、同じく9月に放送されたアニメ1期の特別編集版に似たような視聴者意見が入った際、BPOは以下のような意見を表明しているから。

「映画も大ヒットして、受け入れられているのでは」「注意しながら見てくださいということも、世の中的には了解されている」等の意見が出されました。(放送倫理・番組向上機構サイトより引用)

劇場版はPG12指定とは言え、改めて議論ってひょっとして何か対応が変わる可能性あるの? 普通にアニメシリーズを楽しみにしている私としては、遊郭編に影響を及ぼさないかちょっと不安。

・鬼滅の刃の表現

一方で、鬼滅の刃にはグロイ表現がまあまあ普通に出てくることも確かだと思う。特に劇場版は、リアルな骨がむき出しになったり、触手に目玉がつきまくってたり、要するに深夜アニメ文脈で見ても妥協のない作りになっているのだ。

だからこそ、今までいろんな深夜アニメに触れてきた身としても好きなのだが、やっぱり『ONE PIECE』とかとは違うと思う。というわけで、上記のような視聴者意見は、まあゼロではないだろうというのは理解できるところ。

・議論の結果

さて、全員でそんな劇場版を視聴した委員はこれらの抗議についてどういった見解を示すのか? 議論の結果は以下の通り。

委員からは「血の色もさることながら、首のない身体分離の表現はいかがなものか」と懸念する意見も出ましたが、「人間のようなモンスターと捉えれば許容範囲では」「PG12指定の映画を21時台に編成しており、配慮がうかがえた」との意見が出され、議論は終了しました。(放送倫理・番組向上機構サイトより引用)

──懸念の声も出たようだが、「許容範囲」「配慮がうかがえた」との意見で議論を終えたようだ。

まあ、見るか見ないかで言うと21時からは子供が見る時間帯ではある。ただ、鬼滅の刃は悪は悪として描かれ、善は善として描かれる至極道徳的な作品であると思うので、視聴者の大人にもBPOにも理解してもらえたらと願わずにはいられない。

参考リンク:BPO「第240回青少年委員会 議事概要
執筆:中澤星児
画像:(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

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