2021年11月19日は、11月の満月の日! ネイティブアメリカンによる呼称はビーバームーン……なのだが、今夜のメインは満月そのものではなさそう。
すでに報じられまくっている通り、今夜は部分月食だ! それも、限りなく皆既月食に近い部分月食というのだから見逃せない。今回は観測に向けて、ガチに昼間のうちにやっておくべきことをお伝えするぞ!
・月が低い
国立天文台によると、部分月食のスケジュールは以下の通り。これは日本全国で共通だ。
食の始まり:16時18分ごろ
食の最大:18時2分ごろ
食の終わり:19時47分ごろ
それに対して、観測場所によって変わってくるのが月の出の時刻と、月の高さ。月の出は東に行くほど早くなる。最速クラスなのが根室で15時46分。札幌だと16時4分。やや遅れて東京が16時29分。大阪だと16時48分。福岡が17時12分で、那覇は17時37分だ。
お住まいの場所の時間が知りたい場合は、国立天文台の暦計算室がお勧めだ! 各自調べてみて欲しい。
月の出の時刻は場所によって変わるが、月食のスケジュールは全国で同じ。そのため、土地によって観測のしやすさが変わってくる。
例えば根室や札幌であれば、月の出の後に月食がスタートするため、全行程を観測可能。しかし、仙台あたりよりも西の場所では、月食の開始時にはまだ月が出ていない。
日本国内のほとんどの場所では、月食が進行中の状態で昇ってくることになるだろう。そのため食が最大となる18時2分においても、多くの場所で月は未だかなり低い場所にある。ということで、昼間のうちに絶対やっておくべきなのが……
観測スポット探し
・東側の見晴らしが良い場所
東に向かってよく開けた、なるべく高くて見晴らしのいい観測スポットを見定めておこう。全方位に建物が密集するような住宅街にお住まいの場合、玄関から出てちょろっと観測……的なスタイルは厳しい可能性が高い。
具体的に言うと、東京であれば17.3度と言うことなので、これはアバウトに20~30メートル先に見える電線くらいの高さだと思う。参考までに、手を真っすぐ水平に伸ばした状態で、縦にした握りこぶし1個分が約10度だ。
とはいえ、東京くらいの経度の場所にお住まいであれば、そこまで低いというわけでもない。その辺の児童公園くらい開けた場所に行けば、割と十分な視界を確保できるのではなかろうか。
逆に福岡のように経度が不遇(月食的に)な土地にお住まいの方は、ハードだと思われる。食が最大となる18時2分の月の高さはたったの9.4度!
例えばあなたが天神にお住まいの場合、開けた場所と言えば中央公園などになるのだろう。しかしそこでは三越に隠れて月は見えないと思われる。あ、でも方角的に三越前の交差点からなら、エル通りの先のビルの狭間にピンポイントで見える気がしなくもない。
まあ都市部であれば、そんなビルの狭間をピンポイントに狙う的ギャンブルじみた観測はせず、無難にどこかしらの商業ビルの展望台や、デパートの屋上などで待機するのがベターだと思う。きっと今夜はどこもかしこも月食待ちで混雑することだろう。
・天気は
そして気になるのが天気。気象庁によると、今日の天気はこんな感じ。
おっと、経度的に有利なはずの北海道が、まさかの雨で全滅している。逆に、宮城や山形から南はほぼ全域で晴れ! とはいえ、今回は東の低い場所に微妙に雲が出ていたら、それだけで月食のタイミングでは月が見えないという事態もあり得る。
どちらかと言うと、ナウキャストなどで雨雲の位置と予測をチェックした方が良いかも知れない。自力での観測がダメそうなら、国立天文台のライブビューイングもどうぞ。
参考リンク:国立天文台[1][2]、気象庁
執筆&Photo:江川資具
Screenshot:気象庁