数々の大ヒットを生んだサンコーの「おひとりさま家電」シリーズに、期待の新星が登場した。その名も『おひとりさま用 折りたたみラーメン鍋』……なるほど。しかしラーメンを作るだけで6028円とは、正直ややお高いという気がしなくもない。実際に試してみたところ……。
結論 → 「こんなのが欲しかった」という人は1万円でも買うだろうし、そうでない人は「500円でもいらん」と言うだろう。
・簡単折りたたみ式
本記事では「こんな人は折りたたみラーメン鍋を買うべき」というポイントをご説明するので、購入を検討している方は今一度よ〜く考えてみて頂きたい。
さて、安くておいしくてアレンジしやすい『インスタント袋麺』は我が国の偉大な発明品。しかし “麺を茹でなくてはいけない” という弱点があり、手軽さの面ではカップ麺に大きく差を広げられている。
本商品はそんな袋入りラーメンを手軽に食べられる電気調理ケトルだという。側面はシリコン製になっており、折りたたみ時の高さは約9センチだが……
シリコンをエイヤッと伸ばせば……
一気に約16.5センチまで急成長する。折りたたみ時は非常にコンパクトなので、何らかの事情で「調理器具を持ち運びたい人」にはピッタリだ。必要な量の水を入れてスイッチを回せば、ものの数分でグラグラに沸騰するぞ。
電気だけで調理ができる仕組みだから、「なるべくガスを使いたくない」という人にはとても有益だろう。とくに都市ガスが整備されていない地方民なら、かなりのガス代節約になるのではないか。
・しかしラーメンである必要は ……
付属の『蒸し台』を使えば、蒸し料理を作ることも可能。
沸騰したお湯の上に蒸し台を設置して野菜を乗せ、蓋をして数分待つ。
残ったお湯で麺を茹で……
野菜を戻せばヘルシーな野菜ラーメンが完成〜!
と、いうより……
この火力とサイズならほぼ全ての煮込み料理を作ることができるだろう。つまり個人的には、何も『ラーメン鍋』という商品名じゃなくてもよかった気がするのだ。だってシャブシャブやチャンコも作れるんだよ? そっちのほうがラーメンよりスゴくないか?
……まぁ深くは追求しないが、とにかく「1人暮らしだけどアツアツの鍋料理が食べたい」という人は絶対に “買い” だろう。
サイズ的に「肉まん」が入らないのは残念だが、シュウマイやギョウザなら問題なく蒸すことができる。蒸し器を持っていない・出すのが面倒という人にも嬉しい。
・圧倒的注意点
ちなみに蓋の部分をよく見ると、穴が3つ並んで空いている。
説明書を見ると……やはり! カップ焼きそばでおなじみの「湯切り穴」だ。ってことは、フライパンで炒めるタイプの袋焼きそばや、汁なしタイプのインスタント麺も作れるってこと?
試してみたところ、パスタやうどんといった「乾麺」も問題なく茹でることが可能。こんなとき意外と面倒なのが「ザル」を用意することだが、湯切り穴さえあれば不要だよね? これは画期的〜!
と、思ったら……!
いざ湯切りしようと鍋を傾けると、湯といっしょにフタも落ちてしまいそうなのである。フタを固定するストッパーがどこかに付いているのだろうか? 説明書を読み返すと……そこには衝撃的な注意書きが。
「液体は冷めてから捨ててください」
・そんなバカな話あるか
いやいやいやいや待て待て待て待て。世の中に様々なタイプの乾麺があれど、お湯が冷めるまでそのまま浸しておくタイプの麺ってあるだろうか? 私の知る限りでは、ない。
そういうワケで「外出先などで汁なし麺や乾麺を茹でたい」という人は要注意だ。タオルなどで熱さをガードするか、結局はザルを用意する必要があるぞ。
また鍋底のステンレス部分には金属タワシが使用不可。こびりついた麺や油分を落とすのは普通の鍋より少し大変という印象だ。ただ単に自宅で使うだけなら「普通のナベのほうがラク」となる可能性が高い。
・旅行やアウトドアには◎
ちなみに私は旅行先でも自炊したい派で、いつもリュックにカセットガス用のミニコンロとアルミ鍋をしのばせている。重さは合計約750グラムほどだ。
そこへきて『おひとりさま用折りたたみラーメン鍋』は約560グラム。電源を確保する必要はあるが、ガスコンロを持ち運ぶより軽い。さらに火を使用しないためホテルなどでも使用可能。「旅行やアウトドアへよく行く人」「節約しながら長旅がしたい人」はかなり重宝することだろう。
・まとめ
以上のことから、本商品の購入を検討するべきなのは以下のタイプの人たち。
・自炊する1人暮らしの人
・ガス代を節約したい人
・鍋を持ち運びたい人
・旅行先で自炊したい人
あっ、それから「職場のデスクでアツアツの料理が食べたい人」にも強くオススメしたい。おもむろに引き出しからミネラルウォーターと袋ラーメンを取り出し、クールにプチ自炊ランチをキメたなら……同僚たちの視線を独り占めできることだろう!
参考リンク:サンコー公式HP
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
▼最近は定番ラーメンを汁なしアレンジするレシピも多数
▼片手で軽く持てるサイズ感
▼ちなみに本体説明書には型番が記されているのみで、「ラーメン鍋」の文字はどこにも見当たらない不思議