偶然とはとても思えない自然現象の美しさに圧倒されることが多々ある。いわゆる奇跡の絶景や大自然の造形美と言われるようなやつは、「神が仕組んだもの」と言ってしまっていいのかもしれない。何者かの強烈な意志を感じざるを得ないのだ。
埼玉県秩父市の『秩父珍石館』には、そんなメッセージ性の強い “顔” をした石がズラリと展示されている。真相を確かめるべく、入場料金(400円)を支払い館内に一歩足を踏み入れると……そこには信じられない光景が広がっていた。いきなり現れたのは……
「清水ミチコ」という石。たしかに偶然の産物とは思えないレベルで、ものまねタレントの清水ミチコさんである。石にモノマネされるとは……さすがレジェンド。似ているとか似ていないとか、そんな表面的な話ではない。もっと奥深い部分で清水ミチコさんなのだ。
・秩父珍石館
秩父珍石館には国内外から集めた珍石、奇石、人面石があり、人面石だけでも700点以上展示されている。「飾っていない石も含めると1000点以上あります」と教えてくれたのは、2代目館長の羽山芳子さん。荒川や武甲山で見つけたものが多いそうだ。きっかけとなったのが……
「人面石くん」と呼ばれる石。
数年前までバラエティ番組で活躍していた人面石くんは、珍石館のレジェンドとして祀られていた。目と口に見える部分は貝の化石。つるっとしていて非常にユニークである。大自然が生んだ神秘の人面石と言えるだろう。
・大喜利状態
ほとんどの人面石には名前(タイトル)がついている。有名人やアニメのキャラクターなど様々で、そのほとんどをお客さんが名付けたらしい。言われてみればたしかに……と思える石ばかりであった。なかには名前が2つある石も。許可を得たので1部を紹介しよう。
まずは……
「エルビスプレスリー(トランプ大統領)」
「ドラえもん」や「あたまのわるいひと」
「研ナオコ」や「ちびまるこの野口さん」
「ビートたけし」や「クッキングパパ」
「うーぱーるーぱーイエ〜イ!!」
「ワッハハ 何を言ってるんだい」
「551があるとき」
「石けんにくっついた石けん」
──などなど。どれもこれも納得できる素晴らしいタイトル。ただ誰に似ているかだけではなく、表情が物語るメッセージをしっかりキャッチしていることに感銘を受けた。名前をつけることによって、石に愛着が湧くのもわかる気がする。
ちなみに国内だけでなく、海外のニュースで取り上げられることも多く、世界中から石を求めて観光客がやってくるという。人面石だけでなく、世界中から集まった珍石、奇石を見ることができるぞ。秩父には世界に知られるメジャー観光地があったのだ。
また先に述べたように、展示されている石はいわゆる「1軍」で、館内には展示されていない「2軍」の石も多くある。たま〜に1軍選手と交代で、名前のない2軍選手が飾られるみたいだから、チャンスがあればぜひ館長に相談して名付け親になってみてほしい。きっと記念になるだろう。
・今回ご紹介したスポットの詳細データ
名称 秩父珍石館
住所 埼玉県秩父市上影森764-6
時間 10:00〜17:00
休日 火曜日
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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