ジュースの自販機のようなたたずまいながら、「渾身のだし」の煽りが強い『だし職人』の自販機。おいしそうなだしが並ぶ中、ひと際存在感を放っていたものがあった。

それは、高級食材として知られるすっぽんのスープ。すっぽんと言えば滋養強壮……なんかスゴい味がしそう。

ジュースの自販機に売ってるスープの値段と比べるとややお高めだけど、すっぽんなんて食べたことないし、スープはどんな味がするのだろう? 実際に買って確かめてみよう!

・村上すっぽん スープ(760円)

このすっぽんスープは、東京都は台東区上野にある老舗すっぽん料理店「村上スッポン本舗」の商品。すっぽんのエキスを使用し、全て村上スッポン本舗が自前で加工しているこだわりの逸品だ。

すっぽんが高級食材ということは知ってるけど、どんな味がするのか全く見当がつかない。すっぽんを食べたことがある人に聞いたら、「鶏肉みたいな味がした!」と語っていたが……ホンマか? 


鶏肉っぽい味から抽出したスープと思うと断然手は出しやすいが、スープにはすっぽん以外に何が入っているんだろう。確認してみると……

ほうほう。日本酒や鰹節、ショウガや醤油……親しみのある食材ばかり。もしすっぽんが鶏肉のような味わいなら、和風の鶏スープといった感じだろうか?


ちなみに成分表示はこうなっている。

全てにおいて数値が低い。カロリーは2kcal で、脂質に至っては0g だ。食塩相当量も1gに満たないとは……。これぞまさしく「だし汁」である。


・スープの味

恐る恐る缶のフタを開けてみると、鶏肉というよりハムっぽい匂いがした。器にうつして中身を確かめてみると……

ほほぅ……これぞTHEだし汁。スープの色は極薄で、味もめちゃくちゃ薄そうだ。


なお食べ方は「鍋に移して温めたからお召し上がり下さい」と缶に書いてあったので、それに従い温め、ネギ散らして、いざ実食! すると……


な、なんと上品なお味……!


和風鶏スープの味ではないが、ほのかに鰹とショウガが効いてて美味~~!! クサみやエグみも一切ナシ。追加で塩とか醤油を足さなくてもそのままで十分美味しく食べれるくらいしっかり味がついてる。

缶スープでこのクオリティーが出せるとは、さすが老舗の成せる技。美味い上に低カロリー・ゼロ脂質……こりゃいくらでも飲めそうだな。


・アレンジ

このままでも十分おいしいけど、旨味たっぷりのスープにごはんと卵を入れて、雑炊にしても絶対美味しいはず!

これも美味!!

贅沢な味わいながら、体にじんわりしみる優しいお味。ただ、米とたまごが入るとやや味が薄く感じるカモ。追加でちょっと塩とか醤油をいれて味を調節しながら堪能することをオススメしたい。


・もっと早く知りたかった

だし職人の自販機担当者に問い合わせたところ、実は2年半ほど前から自販機に並んでいるとのこと。現在は期間限定で出していて在庫終了次第休売らしいが、商品自体は大手百貨店や紀伊国屋、成城石井でも売ってるから焦って買いに出かけなくても大丈夫そう。

すっぽん自体はなかなか食べることができない高級品だけど、缶スープなら気兼ねなく贅沢な味を堪能することができるので、興味のある人は要チェックしてほしい!

参考リンク:「だし職人」だし自動販売機村上スッポン本舗
執筆:五月薫
Photo:RocketNews24