コメダが、往々にして我々客側の想定を超えてくるのは皆さんもご存じだろう。2021年4月28日から販売が始まった新作シロノワール「まっしろノワール」と、新作ジェリコ「抹茶ミルク」(コーヒーゼリーとコーヒーを合わせたドリンク)もまた、そのタイプだった。
当初はHPに出ている写真的に、そこまでトガった要素は無いように思っていた筆者。見た感じトガった特徴は無さそうだし、サクッとレビューしよう。そんなノリで食べにいったところ……
・まっしろノワール
まずは「まっしろノワール」から。お値段は通常サイズが税込み750円~770円。ミニサイズは税込み550円~570円。ビジュアル的には、デフォルトなシロノワールと似たような感じ。違いは練乳と蜂蜜が使用されている点とのこと。そして実物がこちら。
デニッシュの上に練乳がそこそこかけられているのがわかる。どちらも似たような色でわかりづらいが、ソフトクリームにも練乳はかかっている。
そして、スライスされたデニッシュの間に蜂蜜を発見。
軽く上側のデニッシュを一口食べてみると、まずやってくるのは、なんだか最近食べたような味だ。何だったかなぁ……練乳と蜂蜜……あっ
コラボではないと思うが、味の方向性は確実にミルキー。つい先日、ミルキーとマックのコラボに際し、たっぷり味わったばかりだ。もしかして、4月はミルキー味な季節なのだろうか。
まあウマいからいいけど……などと思いつつ、今度は下側のデニッシュを口に放り込む。すると、筆者の口の中で異変が生じた。唐突な蜂蜜の大洪水だ。例えるなら、水をたっぷり吸わせたスポンジを握りつぶしたがごとき状態。
デニッシュに尋常ではない量の蜂蜜がしみ込んでいたのである。そういえば、フォークで刺した時、やたらとジュワっとしていた気がする。そして皿を見ると、そこには蜂蜜の水たまりが。いったいどれだけ蜂蜜をブッかけたのというのか。シェフはくまのプーさんなのかもしれない。
次第にデニッシュに染み込み始める溶けたソフトクリーム。そうこうしているうちに、一口目に感じたミルキーの片鱗は、甘さの暴力によってたちまち絶滅した。
デニッシュがヒタヒタになるほどの蜂蜜と、甘い練乳。そしていつものコメダのソフトクリーム! 今日は糖分で脳をダメにしたい……そんな気分の方にとって、これはベストなソリューションのうちの一つではなかろうか。
・ジェリコ
予想以上に新作シロノワールがヘヴィだったが、今回は他にも新作が登場している。ジェリコの「抹茶ミルク」と「リッチショコラ」だ。可能なら両方と行きたいが、ジェリコはデカいため、今回は辻利一本店とコラボした「抹茶ミルク」だけを食べてみることに。お値段は税込み620円~750円。
抹茶の緑に、グラス越しに透けて見えるコーヒーゼリーの茶色。そして白いクリームの上にかけられた、果肉入りの苺ソースの赤が映える。
まずはトップのクリーム部分を食べてみよう。そう思ってスプーンを刺すと、たちまち溢れて零れるジェリコ。上の部分はクリームだけだと思っていたが、どうやらグラスの縁ギリギリまで抹茶ミルクが注がれていたもよう。このギリギリまで量を盛ろうという精神、嫌いじゃないぜ……!
作る人の匙加減もあるかと思うが、皆さんは筆者と同じミスをしないよう気を付けて欲しい。先に、ある程度ストローで吸って中身をほどよく減らしてからスプーンを使おう。さて、先に食べたシロノワールは甘さが限界突破していたが、こちらは思いのほか甘くない。
意外な展開だ。コメダの暴走を辻利一本店が上手く抑えた……のかどうかはわからないが、ほどよく香る抹茶とコーヒーゼリーで上品な味わい。甘いのはそこまで……という方にもおススメできる一品だ。ただしボリュームは油断ならない。筆者の体感でその辺のラーメン1杯分と同じくらいお腹にたまる。安易に他の食べ物と一緒に注文すると、胃が破裂するだろう。
お店の人に聞いたところによると、「まっしろノワール」は6月上旬までの販売で、新作ジェリコは9月下旬までの販売を予定しているそうだ。どちらも違った方向で、なかなかのクオリティに仕上がっている。是非ともお近くのコメダにて食べてみてくれ!
参考リンク:コメダ珈琲店
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.