「鼻毛職人急募いたします。気軽にお問い合わせください」
この貼り紙を見つけたのは、都営新宿線・新宿三丁目駅の改札を出てすぐだった。鼻毛職人……なんというパワーワードだろう。これ以上のインパクトを持つ職人と言えば、稲中に出てきた「パンツ職人」くらいしか思いつかない。
そんなことを思いながら、私は貼り紙のあるブースの方に近づいていった。まるで、「鼻毛職人」に引き寄せられるように。
・鼻毛職人とは?
最初に言ってしまうと、鼻毛職人とは鼻毛を抜いてくれる職人さんだ。「職人」というストイックな響きと「鼻毛」が作り出す絶妙なコントラスト。人の目を惹きつける効果を考えると、求人広告として秀逸だと思うのは私だけだろうか。
それはさておき、鼻毛職人を募集しているのは鼻毛脱毛専門店「ekibana」である。以前に本サイトで紹介しているので、覚えている人だっているかもしれない。駅の改札近くにあり、靴磨き感覚で鼻毛を抜いてくれるお店だ。
初めて知った人からすると「東京にはそんな店があるのか!」という感じかもしれないが、あるんですよ!
……と偉そうに言ったところで、私自身は行ったことがない。なので、今回職人さんの技を体験してみることにした。過去に記事で取り上げたときから変わった点、あるいは触れなかった点を中心に紹介していこう。
まず、以前の記事では「市ヶ谷駅と馬喰横山駅で各駅1カ月に1週間営業」と紹介しているが、現在は新宿三丁目駅・小川町駅でも営業を行っているほか、大阪の御堂筋線なかもず駅にも出店しているようだ。
東京でも大阪でも、1つの場所でずっと営業しているわけではない。東京では1週間ごとに移動していくスタイル。この点は以前と同じである。
・脱毛の流れ
さて、私が体験した施術の工程をざっと説明すると、
1:鼻毛脱毛クリーム的なのを鼻の穴に入れて一気に抜く(複数回)
2:毛抜きを使い、「1」で抜けなかった部分を人力で抜く
——これで終了だ。時間はトータルで3〜7分。抜くべき毛が少ない人は3分ほどだが、逆もまた然(しか)り。そして料金は税込1100円である。この価格、施術後の爽快感を考えるとかなり安いように思う。
・痛みは?
と、ここで多くの人が気になるであろう「痛み」について説明しておきたい。あくまで私の体感だが、ひとことで言うと「衝撃はあるが痛みは無い」といったところ。少なくとも、数年前に鼻毛脱毛ワックスを使って自分で抜いたときに比べたら、天国である。
ちなみに、私は「1」の工程で合計8回も抜かれたが、6回目くらいからは衝撃さえもほぼ無かった。「2」の工程も同様で、自分で抜く場合に比べると格段に快適。マッサージを受けている感覚で終了した。さすがプロ。さすが職人さんだ。
・向いている素質は?
冒頭で触れたとおり、そんな職人さんをお店が募集している。そこで、私の施術をしてくれた方に「表の求人広告を見たのですが、鼻毛職人さんに向いている素質とかってあります?」と聞いてみた。すると……
「そうですね。細かい作業をするので、やはり手先が器用な人は向いているかな」
——納得しかない。プロの手による鼻毛脱毛は繊細な作業そのものである。素人がクリーム(ワックス?)を鼻の穴にブチ込んで抜くパワープレイとは全く別物なのだ。だからこそ、今回私はマッサージ気分で施術を受けられたのだろう。
というわけで、私と同じような気持ち良さを味わいたい人、あるいは鼻毛職人に応募したい人はお店の方にどうぞ。ちなみに、店舗が出店する駅は公式サイトの「出店カレンダー」を確認するのが効率的かと思う。
参考リンク:ekibana
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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▼参考のため、抜けた毛の画像を以下に記載している。閲覧注意!
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