ロケットニュース24

【実録】PCR検査キット(3500円)を自動販売機で買ってみた結果…

2021年2月1日

「無症状なのにPCR検査? そんなの、 “藪(やぶ)ヘビ” だろう。もし『陽性』が出ちゃったらどうすんの? 悪いこと言わないから、お家でおとなしくしておきな」

私がPCR検査を受けたいと言うと、知人はやんわりと引きとめてきた。正直その気持ちはわからないでもない。そもそも外出自粛が叫ばれている昨今、わざわざ交通機関に乗って──つまり、感染リスクを負ってまで検査所へ行くことに、私自身も少しためらう。

だが、近所の「自動販売機」でPCR検査キットを買えるとするならば話は別だ。しかも検査費が3500円とかなりお手軽らしい。『陽性』と出る可能性もあるが、私は勇気を出して “藪” に足を踏み入れることにした。

・お寺に「PCR自販機」

その “藪” は私の自宅から徒歩圏内の場所にある。東京・台東区にある「浄名院」というお寺の前に、PCR検査キットの自動販売機が設置されているのだ。

ガラス張りになっている自販機の中をのぞくと、検査キットの在庫は豊富にあった。購入する人が少ないのか、それとも偶然補充されたばかりなのかは不明だが、ともかく自販機に3500円を投入すると いとも簡単に買うことができた。

手に取ってみると、まず目に飛びこんできた文字が……

たけのこPCR

え……? あまりにもユルくて可愛らしいワードが印字された小包が出てきたので何かの間違いでは……と思ったが、 

どうやら埼玉県にある「レイクタウンたけのこ耳鼻咽頭科」という、れっきとした病院が販売している検査キットらしい。怪しいものではなさそうだ。


・唾液(だえき)によるPCR検査

さっそく家に持ち帰って中身を点検すると、入っていたのは以下のとおり。

・検査キット一式
・郵送用スマートレターパック
・書類3枚(説明書、問診票、注意書き)


 
さらに検査キット一式の中身を見てみると入っていたのは、

・ジップロック × 2
・緩衝材
・筒状の容器
・スポイト
・生理食塩水
・平らな容器

お察しのとおり、唾液を採取するタイプの検査キットである。細かい手順は割愛するが、ようは唾液を容器に入れてジップロックで密封し、緩衝材で包んで問診票と一緒に郵送するだけだ。実際にやってみたら ものの5分で作業が終わったので、そのままポストに投函した。

検査キットは埼玉県にある病院へと送られ、到着してから24時間以内にメールで陽性か陰性か、結果が知らされるというシステムだ。


 

・無症状の私が、PCR検査を受けようと思った2つの理由

さて冒頭でも少し触れたが、私は現在「無症状」である。つまり、新型コロナウイルスの感染者にみられる症状(発熱・咳・嗅覚異常など)は全くなく、いたって健康だ。そんな私が今回PCR検査を受けようと思い立ったのには、大きく2つの理由がある。

まず1つ目は「仕事先で感染者が出た」ということ。(※注:ここで言う「仕事先」とは私の “本業” での仕事先を指している。ロケットニュース24のライター業はいわば “副業” である)

私自身はその感染者には近づいていないし会話すら交わしていないので、厚労省の定義によると私は「濃厚接触者」にあたらない。さらにこのご時世なので私もその感染者も常時マスクを着用していたことは言うまでもない。

それならば過度に心配することはなさそうだが「でも、どこでどう感染するかわかったもんじゃないよねぇ」と言うのが新型コロナの怖さだ。短時間ながらも感染者と同じ建物・同じフロアにいたとなると、不安は拭いされない。

それでも多くの人は「まぁ大丈夫っしょ」と思うであろう。しかし、ここで私に重くのしかかってくるのが、PCR検査を受けようと思った2つ目の理由──「両親と会う予定がある」ということだ。

「何もこんな時期(緊急事態宣言下)に会わなくても」という声が聞こえてきそうだが、人によってはこんな時期でも両親と会わないといけないこともあるだろう。というか、あるのだ。そんなワケで、心の安心材料として身の潔癖(=陰性)を何かしらの形で証明したかった次第だ。


 

・検査の結果…

さて、検査キットをポストに投函してから2日後──

ついに結果を通知するメールが……きた‼︎‼︎

陽性か!? 陰性か!? さあ、どっちだ……!


陰性(Negative)


 

この結果を見たときの私の心の声をウソ偽りなく明かすと、こんな感じだ。


 

ヨッシャァァァァァァァァァアアアアアアアアア!!!!!!!!

陰性!! 陰性陰性陰性!!!! 陰性ぇぇぇぇぇえええ!!!!!!!! 

あああああ!!!! よかったぁ──────!!!! 

あああああ!!!! よかったぁ──────!!!! 

平静を装ってスカしてたけど、

本当はマジで超不安だったんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!!!

マジでよかったよぉぉぁぁあああぁぁ──!!!!


 

ありやとやんした!!

ありやとやんした!!

ありやとやんした!!


 

やる気! 元気!! いわきっ!!!!!!

ウホ ウホ ウホ!!!! うほ うほ うほ!!!!

うほほほ、うほ────!!!! ウッホホ────!!!!


 

……と、こんな感じだ。非常に見苦しいのは自分でも分かっている。だが事実、そうだったんです。「ほっと胸を撫でおろした」と建前として書いても良かったのだが、実際胸の内ではみっともないほど狂喜乱舞した。

なぜって、もし仮に『陽性』と出ていたら どうなっていたのか? 

まず検査をしてくれた病院から私へ、そして私の住む地域の保健所へ連絡がいく。その後は……私にもわからない。おそらく自宅待機(療養)を案内されるのだろう。

場合によっては家族とも隔離され、仕事もストップ。同僚には迷惑をかけるなぁ。収入はどうなる? いつか発症するのか? 再検査は? そもそもコレ、”偽陽性” じゃないか? でも本当の「陽性」だったら誰かに伝染(うつ)していないか?

……考えを巡らせるだけで、頭がクラクラとしてくる。いやあ、よかった。本当に本当に、よかった。


 

・「偽陰性」とか「精度」とか

さて、私の「陰性」は “偽陰性” の可能性はあるのか? 無いとは言い切れないだろう。PCR検査の精度は70%ほどだといわれている。だがその一方で、約90%であるという大学の研究結果もある。また「鼻の粘膜から採取した検体の方が精度が高い」と言う人もいれば「鼻粘膜も唾液も同じだ」と主張する人もいて……。

筆者は専門家ではないので、そのあたりはもう正直よくわからない……わからないが、大事なのは私が「感染者の濃厚接触者ではない」ということ、そして「無症状」だということ。そして そこへ今回、「PCR検査で(1度は)陰性だった」という事実も加わった。

これだけの条件がそろえば、いち個人としては「ひとまず安心していいかな」とも思えるし、両親と会うことへの不安もだいぶ軽減される。自動販売機で買ったPCR検査キットは私にとって非常に心強い安心材料の1つとなった。


 

・ネットより手軽な「PCR自販機」

PCR検査キットの自動販売機は、今回私が利用した東京・台東区以外では品川区や神奈川県横浜市にも設置されているようだ。インターネットでも入手できるそうだが、個人的にはやはり自販機の方がパッと手軽に買えるので敷居が低いように思う。特に高齢者や、急に疑わしい自覚症状が出て不安な人にとっては便利そうだ。

参考リンク:たけのこPCR検査自販機設置場所
Report:ショーン
Photo:RocketNews24.
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▼検査結果通知書はPDFでダウンロードできる。別途5000円支払えば「陰性証明書」も入手可

▼自販機が近くにない人はネットでも申し込みできる

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