ロケットニュース24

ソニー「Xperia Pro」を弄ってみた / Googleアシスタント専用ボタンの死という朗報、Xperia 1Ⅱや5Ⅱにも実装予定の〇〇

2021年1月30日

フラフラとソニーの「α1」を触りに行った筆者。ひとしきり弄り終え、ふと横を見ると、そこには同日に発表された「Xperia Pro」が!

α7SⅢとの接続しか試せなかったが、Xperia Proでできることやできないこと。またXperia Proの機能で、既存のXperia 1ⅡやXperia 5Ⅱにも後で実装予定の機能など、色々聞けたのでお伝えするぞ!

・中身はほぼXperia 1Ⅱ

まず初めに、基本的にスマホとしての中身はXperia 1Ⅱとほぼ同じものなのだそう。最大の違いは、カメラと接続して撮影を補助するために搭載された、様々な機能だ。

先日の発表で最も注目されたのは、やはり外部モニターとしての用法。


これまでUSB Type-C用の端子があった場所にはHDMI用の端子が。USB Type-Cの端子は少し左にズレた場所に設けられている。


HDMI端子を持つ機器と接続し、モニターとして用いることが可能なのだ。そこはソニーのαシリーズと……と言いたいところだが、ソニーの方によればαに限らず他社のカメラでもOKだし、何ならPCと接続することもできるという


USB Type-CからXperia Pro本体に充電しながらの使用が可能なので、バッテリー切れの心配は不要。この機能は、デフォルトで実装されている「外部モニター」というアプリを起動することで使用可能だ。


「外部モニター」を起動すると、簡単な表示や操作関連の設定を除き、基本的にHDMI端子経由で送られてきた映像を表示することしかできないが……ちょっとした工夫で、あることが可能になる(かもしれない)。



他の「画面キャプチャー系」のアプリを併用することで、カメラ側の設定等を表示させた状態での見え方(つまり、液晶モニターに表示される全ての情報)を、そのまま動画として録画できると思われるのだ。

「外部モニター」アプリそのものにキャプチャー機能は無いため、単体でのキャプチャーはできない。しかし、他社のキャプチャー用アプリの併用や録画を阻害するような仕組みは搭載されていないそうだ。したがって、(ソニーの方も試したことは無いようで、確実にできるとは言えないが)恐らく可能なはずと仰っていた。

一般の方からすればあまり役に立たないかもしれないが、昨今ではプロのクリエイターが撮影環境や撮影時の設定を、YouTubeなどでシェアするのはよくあること。その場合に、この仕様はかなり役に立つと思われる。


・Android11で実装

嬉しいことに、この「外部モニター」の機能は、Xperia 1ⅡやXperia 5ⅡにもAndroid11へのアップデートで実装していくそうだ。ただしXperia Proは厳しくカラーキャリブレーションしたのちに出荷するのに対し、1Ⅱや5ⅡはProほど精細なキャリブレーションは行われていないという。

同じ画像を表示しても、Proは正確な色で表示されるが、1Ⅱや5Ⅱでは色味が違ってくる可能性があるもよう。また、1Ⅱや5ⅡにはHDMI端子が無いため、HDMIをType-Cに変換するアダプターを自分で用意する必要があったり、充電しながらの使用はできない。


・Googleアシスタント専用ボタンの死という朗報

もう一つ注目すべき点として、Googleアシスタント専用ボタンの死を挙げたい。Xperia 5Ⅱには、まったく忌々しいことに「Googleアシスタント」の起動にしか使えない、意味不明な物理ボタンが実装されている。


Xperia Proにも同じ場所に物理ボタンが搭載されているが、押してもGoogleアシスタントは起動しない。この事実を知った時、筆者は感動のあまり泣き崩れそうになった。


そのかわり、このボタンにはデフォルトで「Network Visualizer」という、Xperia Pro専用の機能が割り当てられていた。これは、電波の方向や強弱を視覚化してくれるのだという。

デモ機にはSimカードが入っていないため試せなかったが、プロの現場で電波の接続状況に対して気を使わなければならないような時に活用してもらうための機能だそうだ。

不要であれば、「設定」から好きなアプリを登録し、純粋にショートカットキーとして使用することができる。これだよ! これこそ誰もが求めていたヤツだよ! 残念ながら、5Ⅱにこの仕様を実装する予定はないもよう。


・削った機能も

αシリーズと同様のマットでブラックな外見や、反射を抑えるための凹んだカメラ部分など、普通にデザインがクールなXperia Pro。サイズはXperia 1Ⅱよりも一回り程デカいが、放熱性能などがアップしているらしい。

良いところ尽くめに思えるが、削った機能もあるのだという。最も影響がデカいのは、おサイフケータイ機能のオミットだろうか。Xperia Proでは、SuicaやPASMOなどでピッとすることはできない。

デイリーユース的にはちょっと不便かもしれないが、普通にスマホとしての機能もある外付けモニターとして考えればいかがだろう。カメラ用の外部モニターというと、モノによっては10万円くらいする。スマホ機能込みで約25万と考えればむしろ安い……かもしれない。

【追記:2021年1月30日17:55】

当初、Googleアシスタント専用ボタンがXperia 1Ⅱにもあると記載していましたが、誤りでした。お詫びして、訂正させていただきます

参照元:Xperia Pro
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.

▼パフォーマンス持続モード。使うと高温になりすぎる可能性があるらしく、素手で触らない前提での使用(リグに組み込むなど)が推奨される機能だとか。なんだか格好いい。


モバイルバージョンを終了