2020年もあと2週間くらい。クリスマス前なので実感が湧いていない人もいるかもしれないが、もうすぐ2020年が終わる。すなわち秋アニメも終盤だ。

現在、9話~11話辺りが放送されており、1話時点で名作に見えたアニメのメッキも剥がれる頃合い。というわけで、ここまでじっくり見た上での私(中澤)の今期オススメアニメを紹介したい。

・その1『無能なナナ』

ハッキリ言って今期の新作で1番面白い。絵やキャラデザの雰囲気は好き嫌いあると思うが、どんでん返しが連続するミステリー的なストーリーは見始めると止まらない系。毎週、一番楽しみにしている。


・その2『体操ザムライ』

ハッキリ言って泣ける。特に、私のようなオッサンはもう絶対泣く。言葉を選ばずに言うなら、落ち目のオッサンが再起する話。それだけにハリウッド映画の激アツ親父たちの復讐みたいな胸熱さがある。要するに『ロッキー』みたいなものなんだけど、今話題のアニメ制作会社MAPPAのオリジナルアニメだけに現代的でスッとストーリーに入れるのも良い。


・その3『安達としまむら』

しまむらがメチャクチャ可愛い。安達が百合に目覚める気持ちも分かるくらい可愛い。可愛いは正義っていう人にはオススメ。もう可愛いものしか出てこない。見れば見るほど、来週、安達がしまむらに何をするのか楽しみになってくる。


・その4『魔女の旅々』

ファンタジー世界のロードムービー。コミカルでアニメ的な『星の王子さま』だ。比喩的に社会を切った考えさせられる描写もウマく入っていてついつい見ちゃう系。主人公の魔女イレイナと共に旅している気分になれる。


・その5『戦翼のシグルドリーヴァ』

回を重ねるごとに上がってきたのが『戦翼のシグルドリーヴァ』である。ファンタジーみのある日本で、魔力を持った「ワルキューレ」と呼ばれる美少女が戦闘機に乗って戦う……って、正直アニメでは散々コスられた設定だ。1話を見た段階では思いもしなかった。こんなに泣かされてしまうなんて

キーワードは「絶望感」で、圧倒的な戦力差の「ピラー」と呼ばれるモンスターに向かっていく少女たちの葛藤も良いのだが、これだけだとここまでハマらなかっただろう。私が個人的に素晴らしいと思ったのはモブキャラだ。

特殊能力を持っていない戦闘機乗りのモブは全員男なのだが、人類の希望であるワルキューレを守るために次々と死んでいく。が、そこはさすが空の男たち。勝ち目ゼロの戦闘に出撃する時、モブたちは半端じゃない男っぷりを見せる。熱すぎて涙がこぼれるほどに。本作品の男たちに2020年ベストモブ賞をあげたい。

で、なんか面白いなあと思って調べたら、脚本が『Re:ゼロから始める異世界生活』の長月達平さんでした。なるほど。


・その6『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)

『IWGP』については、以前の記事で8話が神回だったことをお伝えしたが、9話「憎悪のパレード」も街宣デモに関わる話だったり、とにかくテーマ選び、話選びが良い。1話完結なのも見やすく、1話1話に今放送している意味を感じる。


・その7『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』

これまでの『ラブライブ!』シリーズで最も神がかっていると思う。今回は、今までのシリーズより1人1人が独立している。それだけに、違う切り口から「チームとは何か?」について考えさせられる内容だ。とは言え、相変わらずのスポ根具合で、個人的にはドカベンみたいなもんだと思う


・その8『神様になった日』

メチャクチャ麻枝准だ。分かる人にはこれだけで十分伝わると思うが、ここでネタバレをしてしまうのもアレなので、知らない人はとりあえず8話9話くらいまで見てみよう。『Charlotte(シャーロット)』と同じP.A.WORKS×麻枝准なので、あのガラスのような雰囲気が好きな人にはオススメ。


──以上、秋アニメ終盤まで見てのオススメ8選だった。ちなみに、この8選は『無能なナナ』と『安達としまむら』以外は、私が見ていて泣いたものを選んでいる

この他にも、『ひぐらしのなく頃に業』『呪術廻戦』もクオリティーが高いので毎週楽しみにしているが、まだ熱度の高いシーンにたどり着いてない感じ。まあこっちは話題になっていて、あえてオススメされなくても見る人は見るだろうと思うので外した。『ひぐらし』はゲームとか前アニメありきの面白さだしね。

というわけで、今期、隠れた名作を探している方は、本記事を参考の1つにしていただけると幸いだ。

執筆:中澤星児
©るーすぼーい・古屋庵/SQUARE ENIX・「無能なナナ」製作委員会
©石田衣良/文藝春秋/IWGP製作委員会
© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会
©戦翼倶楽部/909整備補給隊
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