ロケットニュース24

オレたちは週に一度、学校で「マネーの虎」みたいなことをしている / マサイ通信:第441回

2020年12月13日

スパ! 突然だけど、日本のゴー(羽鳥)から聞いたんだが、その昔、日本には『¥マネーの虎(まねーのとら)』というテレビ番組があったそうだな。お金はないけどアイデアとヤル気はある起業家がプレゼンをして、お金持ちの投資家が出資するかどうかを判断する……みたいな。

それに近いことを、オレたちマサイ族は週に一度、学校で行っている。そしてオレは、虎(投資家)の1人でもある。簡単に説明しよう。

場所はオレたちが直した学校の、とある教室。エヴァンゲリオンのゼーレ会議よろしく机をサークル状に配置して、中央には最終ジャッジを下す裁判長みたいな人が鎮座してて、そのまわりに「虎」こと投資家がグルリと席についている。

そして、お金を援助して欲しい人たちが、次々とプレゼンを始める。どんな状況で、どう困窮(こんきゅう)しているのかを訴える。ちなみに出資者である我々は、毎回各自1000ケニアシリング(約937円)を用意するのがルールだ。

もちろん、できることなら全員を助けたいが、我々のお金にも限りがある。なのでプレゼンが必要なんだ。ちなみに、子供たちはノーリターンの援助が与えられる。今回も、とある子が「学費」の援助を勝ち取った。


・子供は援助、大人はローン

子供だけでなく、生活に困窮している大人たちも、この会に参加する。しかし彼らの場合は「学費」とかでは済まされないレベルなので、純粋な「援助」はしてあげられない。よって、お金を貸してあげることになる。

もちろんトイチやトサンなんて暴利ではなく、限りなく低金利でのローンで返済してくれたらOKだ。お金を持つ者は、持たない者を援助する。それがマサイのルールなんだ。ちなみにオレは虎に馴染みがないので「マネーの虎」ではなく「マネーのライオン」でヨロシクたのむ。オレセリ!


Report:ルカ(マサイ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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