当サイトにも度々登場する家系ラーメン。詳しい説明は今更すぎるため省くが、あの濃厚なとんこつ醤油スープと中太麺の組み合わせには狂暴なまでの中毒性がある。一度ハマったら最後。まさに底なし沼のようなラーメンなのだ。

そんな家系ラーメンファンたちの間で「ウマい」と話題になっていたのがファミリーマートの『家系ラーメン』である。食べたい! と思っていたらいつの間にか販売終了。落ち込んでいたところ、2020年8月25日に再び発売されたと聞いて試してみることにした。一刻も早く沼にハマりたい。

・いざ家系沼へ

あまりにもそのまんまなネーミングで逆に凄みを感じさせるファミマの『家系ラーメン(税込518円)』。チャーシュー、ほうれん草、きくらげがトッピングされており、別添で海苔も付いてくる。そのままレンジで約5分温めると……


中から沼が出てきた。


こ、この香りは……! まごうことなく家系ラーメンである。容器の端に海苔を立てかけた時の佇まいなんて完全に店のそれだ。以前、ウーバーイーツで専門店の家系ラーメンを注文したことがあるが、ルックス的にはほぼ大差ないのではないか。それではさっそく……


ダイブ トゥ 沼。


ファミマのサイトには「つるみとコシのある」と書かれている三層麺。たしかにツルンとした口当たりだが、家系にしては若干柔らかめかなという印象だ。が、大きな欠点が特になし。ちょうどいい塩梅の中太麺である。



チャーシューも食べ応えがありグッド。


そして肝心のスープだが、サラサラすぎず、かと言ってドロドロすぎず、麺とよく絡むジャストな仕上がりと言っていい。醤油が効いた濃厚こってりとした味わいながら、それでいて豚骨特有の臭みはなく、あくまでまろやかクリーミーだ。なるほど、話題になるのも分かる気がする。



だがしかし……!


・疑問

これがあの狂おしいまでの中毒性を誇る家系ラーメンかと聞かれたら、正直なところ私としては首をかしげざるを得ない。マイルドではあるが、そのぶん野性味に欠けるというか……どこか鶏白湯に似た上品さが漂っているのだ。いやいや、お前そんなキャラちゃうやろと。


海苔をスープにひたひたに浸し……


ライスを巻いてなお……


それでも埋まらぬこの心の隙間。何かが足りない。そう、何かが。逆にそれさえあれば大気圏を突破できる気さえするのだが……そ、そうか! 分かったぞ!! ニンニクだッ! ニンニクを追加したらいいんだ!!



行っけェェェェェエエエエエ!


・本当の意味での完成

チューブのニンニクをスープにブチ込んで、それを溶かしきらずに麺と共にすする──。この圧倒的なまでのニンニクのライブ感。これぞ家系。そう、ファミマの『家系ラーメン』に足りなかったのは、ニンニクのライブ感だったのだ。



もちろん、たかがニンニクと言われればそれまでかもしれない。しかし、家系とニンニクとは一蓮托生。「麺固め・味濃いめ・油多め」の世に言う家系ラーメン『早死に三段活用』はコンビニ麺では不可能だが、その代わりニンニクを追加することは我々にだってできるのである。

・カギはライブ感

個人的には、ファミマの『家系ラーメン』はニンニクによって次のステージに上がることができると確信している。元々ウマいと感じていた人たちも、ニンニクを入れることでさらに高く高く飛べるだろう。忘れるな、家系にとって大事なのはニンニクのライブ感であるということを。

参考リンク:ファミリーマート
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.