迷惑メールの目的は、ずばり「金」と「情報」である。最終的には「金」なのだが、金を得るために様々な「情報」を知りたがる。たとえば、メールアドレスとパスワードの組み合わせ。たとえば、クレジットカード番号。たとえば、銀行……そう、銀行口座!
いったいなぜ、彼らは銀行口座の情報を知りたがるのか。教えたところで、向こうができるのは「振り込み」だけでは? だったら教えたって問題なくね? むしろ全世界に向けて教えたら、お金持ちになれるのでは!?──と思ったりもするが、絶対にやめておいた方がいい。なぜならば……
・まだ戦い続けている
世界唯一の「迷惑メール評論家」である私は、今でも日々、迷惑メールと戦っている。皆にお見せできるような展開にならないから記事にしていないだけで、いまだ水面下で地味に戦い続けている。そして相手が欲しがる情報は、わりとホイホイと教えてしまう。その「先」が知りたいからだ。
クレジットカード情報はもちろんのこと、銀行口座の情報なんて余裕のヨッチャンで教えまくる。ど〜ぞ振り込んでくださいという願いを込めて。もちろんこの芸当ができるのは、プロの迷惑メール評論家である私だからであって、素人の皆さんは絶対に真似しないでいただきたい。
つい最近も教えた。私がガチで使っているジャパンネット銀行の口座を、一切の偽りなく誠意を込めて情報提供した。もちろん、これまでお金が振り込まれたためしは一度もないし、どのように使われているのかも謎であった。
しかし──
やっとこさ今回、「あーっ、そういう風に使うのね」というような事例が舞い込んできたのである! 私としては念願叶ったりなので嬉しいが、注意喚起の意味を込めて紹介せねばなるまい。
どのように使われるのかというと、ズバリ……
迷惑メールとして使ってくるのである。私の場合だと、「ジャパンネット銀行 本店営業部 普通○○○○○○○」……と、モロに正しい銀行口座を書いたメールが送られてくる。場合によっては、
モロに本名の「ハトリゴウ」付きで送られてくる。
これには、さすがの私でもドキリとする。いちいちビクッ。だって正しい情報なんだもん。しかし、こういう事態になったのも、過去に私がどこかの迷惑メールに口座番号を教えたからに他ならない。回り回って、ブーメランのように帰ってきたのだ。おかえりなさい!
それでは一体、この迷惑メールに記されている怪しいURLに飛んでみたら何が起きるのか? この先、どのように口座情報が使われていくのだろうか? その答えは……次ページ(その2)にて、一気に最後まで紹介したい。GOGO!
Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
【実録】迷惑メールに「ガチの銀行口座」を教えたら、 “こういう風に使われる” という事例がこちらです(その2)
飛んだ先には、「メール内容」と書かれた「メール」らしきページが表示されている。つまりメールを見るためのメールが届いたというわけか……と、普通だったらここで「怪しい」と感じるものだが、その内容をササッと読むと……
マジで? なんと「送金実行」と書かれたボタンを押すだけで、私のジャパンネット銀行口座に5000万円が振り込まれるそうな! そんなの押すっしょ! だって、このメール、私のモロの銀行口座が書いてあるんだもん! だったらガチっしょ!!
てな感じで……
ポチッ……
すると!
ででで、でた〜〜! まいどおなじみ「ポイント不足」でた〜〜〜!! いちおう解説しておくと、「ポイント不足」とは “●●をするにはポイントが必要ですよ” の意味であり、今回の場合だと2000円からのポイント追加(購入)が可能であるという。何を伝えたいのかを平たく言うならば、
5000万円欲しいなら、まずポイント2000円ぶん買え。
ということ。これが迷惑メールの基本中の基本。迷惑メールとは何かと問われたら「これだよ」と答えたくなるくらいの古典的な手法である。
もちろん安易にポイントを買ってはいけない。それをやったら、相手(迷惑メール)の思うツボ。なので一度戻って、もう一度よ〜くメールを読んでみると……
「送金実行」と書いて送信すればOKとのこと。な〜んだ、よかった。システムが不調だったのね。ということで、
「送金実行」と書いて〜の……
送信!
すると!
またでた〜〜〜っ! なにをやってもポイント不足〜〜〜!! てな感じで、「自分の銀行口座が書いてある迷惑メールに突っ込んで行ったらどうなるのか?」の答えは、“ポイントを買わなければこの先に進めない的な展開になる” が正解だ。
ちなみに、いくらくらいでポイントを売っているのかというと……
お試し2000円〜2万円まで、ビットキャッシュ等の電子通貨で購入することができるという。
もちろんポイントを購入したとしても、すぐに「5000万円が振り込まれる段階」にならないと断言しよう。「すぐに」 というか、永遠に。絶対に5000万円なんて振り込まれない。それどころか、ポイントを買いに買っての “カモ” だとわかれば、骨の髄まで搾り取られることだろう。
いずれにしても、迷惑メールに銀行口座などの個人情報を教えてはならない。今回の事例のように、忘れた頃、「ウソと見抜きにくい迷惑メール」として帰ってくることもあるからだ。反応しないのが鉄則。騙されないよう、ご注意を。
<完>
Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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