「チタタプ」──肉や魚を刃物で叩いてペースト状にした、アイヌ民族の伝統料理だ。人気漫画『ゴールデンカムイ』に登場するため、ご存知の方もいるかもしれない。

そんな「チタタプ」をリス肉で作った「リスのチタタプ」が、なんとお取り寄せ出来るようになっていた。今だけのチャンスを逃さず、「リスのチタタプ」にキジやカンガルーまで、家でじっくり味わってみたよ。

・世界観が変わる

「リスのチタタプ」のお取り寄せは、横浜・渋谷にあるジビエ料理店『珍獣屋』がTwitter上で行っている。『珍獣屋』のTwitterアカウントに問い合わせ、送り先など必要な情報をDMで送るだけで、10日ほどで注文品が代引きで送られてきた。

今回注文したのは「限定ジビエ2種&リスのチタタプ鍋 1人前(税抜・3980円)」。鍋のスープとリスのチタタプの他、ジビエ(狩猟によって得た野生鳥獣の食肉)を鹿・猪・ウサギ・カンガルー・鴨・キジの中から2種選ぶことが出来るセットだ。筆者は今まで食べたことのない、カンガルーとキジを選んでみたよ。

生まれて初めて食べるどころか、「食肉」の状態で対面することすら初めてなカンガルーとキジ、そしてリス。カンガルーの肉は少し赤黒く、どことなく牛レバーを思い起こすような見た目。一方でキジの肉は鶏肉とそこまで見た目に差はなく、強いて言うならば色が少し鮮やかなぐらいだ。

リス肉も色鮮やかで、叩かれてペースト状の「チタタプ」になっている。新鮮そうな、いかにも美味しそうな見た目──なのだが、いざ目の前にしてしまうとどうにも頭が「食肉」になる以前の姿を思い描いてしまう。特にリスはペットショップなどで愛らしい姿を頻繁に見かけていたため、頭が目前の「食肉」としての状態と結び付けてくれない。

冷凍されて届いたことをこれ幸いと、到着してから1週間超、可愛いリスたちの姿と「食肉」を頭で上手く結び付けられるようになるまで待つことにした。動物を食べることについて真剣に考えていると「そういえば牛や豚、鶏だって可愛いけど美味しくいただいているな」なんてふと、当たり前なのに普段あまり意識していなかった考えが浮かんできた。

リスたちも牛や豚、鶏のように美味しくいただこう。そう決心したところで、美味しくいただくために大事なのは下準備だ。リスのチタタプは1人前でお団子2つ分、とのことだったので半分に分け、1口大のお団子を2つ作ってみた。リスのチタタプには元々ほんのりとニンニクが混ぜられていたため、丸めるだけで良いのが楽チンだ。

カンガルーは1口大のお肉が4切、キジは1口大のお肉が5切も入っていた。それだけ入っていて1人前とは、結構満足度が高そうなボリューム感だ。これらはそのままでも美味しくいただけるが、商品と同封されていた作り方の紙には「ゴマ油とおろしニンニクでお肉を揉むとさらに美味しくなる、そのままのお肉と食べ比べがオススメ」なる旨が書かれていた。

そのため、カンガルーのお肉にはあらかじめニンニクとゴマ油が揉み込まれていたものの、キジ肉とともに半分をしっかりとゴマ油・おろしニンニクを揉み込んでみた。

お肉の下準備を終えたところで、鍋にお肉たちとともに付属のスープや野菜などを投入し、煮込む! ジビエはしっかりと加熱し、お肉の中心まできちんと火を通すことが大切なため、沸騰させたままフタをして、しっかりと煮込んでいった。

ぐつぐつ煮込むこと約30分、お肉にもしっかり火が通ったので完成だ! 野菜にもスープがしっかりと染みており、美味しそうに仕上がっている。

いよいよ「リスのチタタプ」を食べてみる。愛らしい姿のリス、果たしてそのお肉の味はいかに。心の中でリスに感謝しながら口に含んでみると……美味しい!! チタタプをお団子にしてしっかりと加熱したにも関わらず、その噛み心地は適度に柔らかい。味に変なクセは一切ないどころか、風味豊かな木の実のような「コク」と強い旨味を感じる。正直、お肉としてめちゃくちゃ美味しい。

愛らしい「リス」と「食肉」を脳内で結びつけるのに1週間以上かかったのが嘘のように、リスのチタタプを一口食べた瞬間に世界観が変わってしまった。今まではリスを見ても「可愛い」としか思わなかったが、今後はそれに加えて「美味しそう」とも思ってしまうだろう。リスのチタタプ一口がもたらす変化、凄まじい。

続いてキジも食べてみると、噛み心地はほぼ柔らかな鶏肉。しかしその風味は微かに酸味を感じるような、鶏肉よりもスッキリとした味わいだった。意外だったのが、ゴマ油とニンニクを揉み込んでみた方でも、その微かな酸味のようなスッキリさが感じられたことだ。微かな風味と思いきや、ゴマ油とニンニクという風味の強いコンビに負けていないのが面白い。

カンガルーはというと、若干の歯応えを感じる噛み心地に、少しクセのある味がする。決して臭みがあるわけではないが、噛んだ瞬間に「獣」を感じられるような風味だ。見た目は牛肉に似ているが、今までに食べたことのない味がする。ゴマ油とニンニクを揉み込んだものだと「獣」感が薄れていたので、お好みで食べ分けることをオススメしたい。

リスにキジ、カンガルーと筆者が「食肉」として対面するのは初めてなラインナップだったが、味噌風味のスープや生卵と絡めてグングンと食べ進めてしまうほど美味しかった。

ちなみに同封されていた作り方の紙によると、スープにはお肉のダシがよく染み出しているので、スープを使ってシメの雑炊かおうどんをいただくのがオススメとのこと。筆者はおうどんにしてみたが、甘辛い濃厚な味噌風味のスープにお肉のコクがしっかりと出ていて、めちゃくちゃ美味しかったよ。シメのおうどんだけで丼2杯も食べてしまった……

・支払いは代引きのみ

今回購入した「限定ジビエ2種&リスのチタタプ鍋」には冒頭でも触れたとおり専用の通販ページがあるわけではなく、『珍獣屋』のTwitterアカウントへDMを送って注文する形式となっている。そして、支払い方法は代引き一択だ。筆者が購入した際は1人前(税込・3980円)がクロネコヤマトのクール便・60サイズで送られてきたので、代引き手数料は300円(税抜)だった。

発送先によって地域が異なるためか送料などのアナウンスがなかったため、気になる方は注文時に確認することをオススメする。

「限定ジビエ2種&リスのチタタプ鍋」などの通販は、新型コロナウイルス感染症の流行に関する影響が収まるまで行われる予定のようだ。食べると世界観が変わってしまうかもしれないお肉たち、気になった方はぜひ味わってみては。

参照元:『珍獣屋』公式Twitterアカウント
Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼「リスのチタタプ」以外にも気になるメニューをお取り寄せ出来るよ

▼リスさんを「美味しそう」という目で見る日が来るとは……!