口は災いの元とはよく言ったもの。まさにそんな感じの出来事が起きてしまったのでお伝えしたい。結果から書くと先日、当編集部にいろいろとヤバめな男性が乗り込んできたのである。そしてその男性の相手を、ワケあって私(あひるねこ)がすることになった。
きっかけは1本の缶チューハイだ。2020年4月7日に発売されたキリンの上質系新チューハイ『麒麟特製ストロング』。乗り込んできた男性は、このチューハイの担当者ということだが……。以下、緊迫の一部始終。
・序章
時は少々さかのぼり、ある日のこと。営業のジュンくんが珍しく私に話しかけてきた。
ジュンくん「あひるねこさんってお酒好きですよね? 新発売の『麒麟特製ストロング』って知ってますか? こだわり抜いて丁寧につくられた、特別仕立ての『上質なウマさ』が評判らしいですよ」
──いきなりめっちゃ解説してくるやん。なんすかこの会話。
ジュンくん「そうですか? フフ……」
──まあいいや。その……『麒麟特製ストロング』でしたっけ? もちろんストロングチューハイに興味ないことはないですけど、正直『特製』って何だよっていうね(笑)。何がどう特製なのかよく分からないっていうか。
……この中身のない やりとりによって、事態は思わぬ方向へと転がることになる。
・翌日
ジュンくん「あひるねこさん。実は私、昨日キリンの人と偶然お会いしたんですよ。だからちゃんと伝えておきました」
──え? 何をですか?
ジュンくん「『麒麟特製ストロング』の『特製』って何だよ(笑)。何がどう特製なのかよく分からない……と、弊社のあひるねこが言ってましたって」
・意味不明
うおおおおい! 何でそのまま伝えてんだよ!! 右から左に受け流してんじゃないよ! もうちょい濾過(ろか)してから流せやァァァァアアア!! ブチギレていると、そこへ……。
「ドンドンドン!」
え?
\ ガチャ /
「初めまして。キリンビールの井上と申します」
…………。
「失礼します」
いやいやいや!
・来訪
突如として編集部に乗り込んできた謎の男、キリンビールの井上さん。例の『麒麟特製ストロング』の担当者だという。ジュンくんから私の「何がどう特製なんだ」発言を聞き、それを説明しにわざわざやって来たそうだ。ジュンくんバカ野郎……!
「まずはこちらを飲んでいただきたく」
井上さんが出してきたのは、何も印刷されていない無地の缶。え? 何ですかコレ。
「『麒麟特製ストロング』のウマさの秘訣は、キリンが技術を結集して開発した『うまみエキス』と、各フレーバーが一番おいしくなる『特別な仕立て方』にあります。
違いを味わってもらうため、まずはこの『うまみエキス』と『レモン果汁』を加える前のレモンサワーを飲んでほしいんです。こちらは商品化される前の状態でして、一般には出回っておりません。あひるねこさんのため今日は特別に持ってきました。ぜひ!」
・アカン
ヤベェよ井上さん。見た目はまともだけど、スーツはしっかり着るタイプのヤベェ人だよこれ。圧がハンパないため、言われるがままに飲んでみる私。味はというと……。
まあ、ごく普通のレモンサワーである。
すると井上さん、何やら小瓶を取り出した。
「中身は『うまみエキス』と『レモン果汁』です。今度はこちらを加えたものを飲んでみてください。何がどう特製なのかが分かるはずです」
はあ、それはいいんですけど……。
めっちゃ作業するやん。
「まずは『うまみエキス』だけを加えたものをどうぞ」
ほう。先程とは色が若干違うようだ。飲んでみると……。
あれ? 全然違う!
なんかこっちの方がウマいですね。
「そう!!! 全然違うんですよ!!!!!」
うわ! ビックリした!!
・井上のターン
「柑橘類を12時間以上煮詰めて、うまみを凝縮させたのがこの『うまみエキス』なんです。これによってアルコールのトゲトゲ感が抑えられ、味に厚みや複雑みが加わるんですよ!」
──たしかに同じストロングチューハイでも飲みやすさがまるで違うし、なんというか上品な味わいになりますね。全体の質がよくなった感じがします。
「そうでしょう! そうでしょう、そうでしょう!! そうそう! そうでしょうッッ!!」
──大丈夫ですか?
「でもまだ終わりませんよ。今度は『うまみエキス』を入れた状態で、さらに『レモン果汁』を加えます。この『追いレモン潤沢仕立て』というこだわり抜いたつくり方によって……」
「『麒麟特製ストロング』が完成します! 100%の姿ですよ、あひるねこさん!! 100%中の100%ォォォォオオオオ!」
──マジで大丈夫ですか?
しかし飲んでみると……
全然違う!!!
全然違うでしょう!!!!
全然違ぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!
・全然違う
そう、『うまみエキス』だけでも十分に上質でウマかったのが、レモン感が強まったことで、さらに本格感のある味へとクラスチェンジを遂げているのだ。気軽で手に取りやすいチューハイでありながら、本格的かつ、こだわり抜いた確かなウマさへ。『麒麟特製ストロング』は、そんな新たな時代の到来を告げているかのようである。
──いやぁ井上さん、何がどう特製なんだとか言ってすいませんでした。『麒麟特製ストロング』がこだわって丁寧につくられていることがよく分かりましたよ。おいしいです!
「本当ですか! それはよかった!!」
──最初は “モノホンのヤベェの” がおいでなすったと震えたものですが、結果オーライでした。
「モノホンのヤベェのとは、もしかして私のことですか?」
──あ、言っちゃった!
2人「はははははははは!」
・上質系の時代
ジュンくんのせいで一時はどうなることかと思ったが(いやマジで)、私たちは『麒麟特製ストロング』を介し、最終的に心を通わせたのだった。これだけ上質なウマさが、いつもの値段で楽しめるというのだから お得な話だ。
これからは “上質系ストロングの時代” であり、その時代を『麒麟特製ストロング』が引っ張っていくのかもしれない。ストロングチューハイにウマさや品質感を求める人は、ぜひ手に取ってみてほしい。