ロケットニュース24

新型コロナウイルスの影響で『横浜中華街』に人がいない!?「がんばれ中華街」横断幕まで登場 / 横浜中華街のいま

2020年3月23日

横浜中華街といえば、平日だろうとお構いなしに人が集まる首都圏屈指の観光スポットだ。しかし今、横浜中華街に異変が起こっていた。人が減っているのだ。

新型コロナウイルス感染症の流行により今までの賑わいは失われ、ついには2020年3月20日に「がんばれ中華街」と書かれた横断幕が掲げられた。そんな横浜中華街の今を、ご紹介したい。

・もはやガラガラ

「みんなありがとう #がんばれ中華街」と書かれた横断幕は、横浜中華街の中でも人通りの多い善隣門に掲げられていた。発端は、新型コロナウイルス感染症の流行により観光客が激減し、さらには複数の店舗が嫌がらせを受けたことから、SNS上で「#がんばれ中華街」というハッシュタグをつけて応援メッセージが投稿されるようになったことだ。

横断幕は横浜中華街を鼓舞するだけでなく、横浜中華街を応援する人々への感謝のあらわれなのだそう。

どれほどの変化があったのか気になり、2020年3月20日の19時ごろに横浜中華街へ行ってみた。この日は「春分の日」で休日。しかも晩ご飯どきともなれば、道幅めいっぱいに人がいて賑わっているはずなのだが……人はいるものの、決して「混雑」しているとは言えない程度だ。歩きやすくて嬉しい反面、横浜中華街らしい賑わいは失われていた。

筆者がたまたま撮影していた2019年11月16日(土曜日)・同時間帯の写真と比較してみると、その差は一目瞭然だった。新型コロナウイルス感染症流行以前の休日・夜の中華街には、溢れんばかりに人がいた。本来であれば、休日夜の横浜中華街は人で溢れているのが普通だったのだ。

横浜中華街を歩いてみると観光客の少なさだけでなく、新型コロナウイルス感染症の影響で臨時休業しているお店も目立つ。

他にも「新型コロナウイルス感染症の影響」とは書いていないものの、同じく臨時休業しているお店や、営業時間を短縮しているお店があった。繰り返しになるが、休日・晩ご飯どきの中華街でこれほどまでにお店・観光客ともに活気がないのは異例だ。

そんな異例な状況の中でも営業を続ける店舗の中には、「清潔」であることをアピールするお店も出ていた。入り口横に「中華街でいちばん清潔なお店」を目指していると示し、アルコールスプレーが置いてあることを明記してあるお店もあった。このような看板は、新型コロナウイルス感染症流行以前に横浜中華街で見たことがない。

店内感染を防ぐため行っている対策を書いたポスターを掲げているお店もあった。新型コロナウイルス感染症に限らず、食中毒や感染症を防ぐためにも飲食店が「清潔さ」への意識を高めるのは良いことだ。不幸中の幸いとでもいうべきか、こうした対策がとられるのは良い傾向だと思う。

そんな対策をとっているお店『翡翠楼』は、新型コロナウイルス感染症の影響に悩まされているお店でもある。お客さんが激減し、少しでも売り上げを確保するために3月いっぱいは通常よりも割引した価格でお持ち帰りメニューの提供を始めたそうだ。

お持ち帰りメニューを注文しつつ店員さんにお話を伺ったところ、休日の19時ごろだと今までは店舗の1階・2階の客席が全て埋まるほど繁盛していたらしい。それがここしばらくは、1階部分の客席すら埋まらないほどしかお客さんが来なくなってしまったようだ。

店員さんいわく「店舗前の道に最近ようやく人がチラホラ増えてきたが、それでも以前の3割にも満たないほどの人通り」だそう。

焼き小籠包が人気の『王府井』も、店員さんは「ここ2カ月ほどずっと、ガラガラだよ……」と言う。

詳しく伺ったところ、「本来であれば今の時期は春休みの学生で大賑わいだった。(休日の19時すぎには)お店は人でギッシリだったのに……」とのこと。確かに筆者の来店時に他のお客さんはおらず、筆者が食べている間も配達サービスの方が1人来ただけだった。

もちろん、中には多少人が並んでいるお店もあったが、そうしたお店も、以前は今と比較にならないほどの大行列が出来ていたところだ。

ゆっくりと横浜中華街を散策したり、行列店に挑戦するのは今がチャンスかもしれない。

・公園に石鹸が……

中華街関帝廟(かんていびょう)通りを歩いていると、たびたび「この先の公園に水道があります。手を洗うことが出来ますので、ご自由にご利用下さい。石鹸も用意してあります。」という貼り紙を目にした。もちろん、そんな貼り紙も新型コロナウイルス感染症流行以前にはなかったものだ。

「清潔さ」を追求する姿勢に感動しながら、中華街関帝廟通り沿いにある山下町公園へ向かう。

公園の奥に入っていくと、水道を発見した。そこに石鹸は……ない! 皆の手洗い意識の高さを示すかのように、訪れたタイミングではちょうど石鹸が使い切られていたのだ。

横浜中華街全体から、「新型コロナウイルス感染症なんぞに負けるか」と言わんばかりの気迫を感じる。「清潔さ」への意識の高まりも感じる横浜中華街に、また人が溢れる日は近いだろう。

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼『翡翠楼』のお持ち帰りメニュー、どちらも大当たりだった! 美味しかった〜!!

▼今なら『王府井』の焼き小籠包も並ばず食べられる!

▼がんばれ中華街。

モバイルバージョンを終了