角煮にハマっている。それはもうガッツリと。長時間コトコト煮込むため、かつては正直「面倒くさい」と思っていた。しかし、逆に時間がかかるのが良いのだ。味がしみ込むのを待っている間ワクワクするのである。
そんな私(中澤)がある日、スーパーを歩いていたところ、ちょっと変わった肉が売られていた。その肉とはラム骨付き肩ロース。ラム肉自体は特に珍しくないが、骨付きで肉塊が売っているのは普通のスーパーだと珍しい。そこで角煮にしてみることにした。
・角煮が俺を呼んでいる
通常は焼くものなのだろう。それゆえに商品名も「ラム骨付き肩ロースステーキ」となっている。だが、私はこいつを角煮にしたい。大体のものは角煮にするとウマくなるはずだから。
「下茹で」と「つゆで煮る」の2つの工程だけで完成する角煮。味付けは人それぞれだが、私の作り方をざっくり言うと、下茹で2時間後、つゆで15分煮て一晩寝かせる。レシピなど詳細を知りたい方は以前スペアリブを角煮にした記事をご確認いただければ幸いだ。角煮だけに。
・誤算
というわけで、超弱火でコトコト下茹でしていたところ早くも誤算が発生。柔らかく火が通ってきたのは良いんだけど……
めちゃくちゃ羊くさい!
鍋を開けた瞬間、羊が襲い掛かってきた。そのエスニックな主張の強さはもはや日本の匂いではない。トルコの露店にいるみたいだ。骨も茹でているからか、はたまた羊を茹でるとこんなものなのか。とにかくクセがすごい。
・羊対策
そこで、下茹でが終わった段階でスープを捨て鍋を1度洗った。もちろん、肉も洗い水気をふき取る。
その後、新しく作ったつゆで煮たところ、クサみがかなり解消された。羊たちの沈黙である。そこで火を止め、ひと晩そのまま沈黙させてみた結果……
おお……
おおお!
超良い感じ!!
味がしみ込んでいるのが肉の色からも見て取れる。持ち上げてみると、自重でクタッとこうべを垂れる肉から柔らかさが伝わってきた。
・味はいかに
食べてみると、ひと口噛んだ瞬間、ホロホロと肉が裂けていく。暴力的なくさみは影を潜め、ほんのり上品に漂う羊のクセにちょうど良いエスニックっぽさがある。
それでいて肉の食べごたえはあり、骨際の肉なんて骨をしゃぶってしまうくらいウマかった。調理中はトルコの露店が見えるレベルだった今回の角煮チャレンジ。しかし、完成品はキルギスくらいまでは来たと思う。さすが角煮。そのポテンシャルは無限大だ。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.