期間限定で開催されていた記憶があるかっぱ寿司の食べ放題『食べホー』。とにかく食べ放題に目が無いロケットニュース24では、過去に何度も記事にしてきた。……のだが、どういうわけか2018年2月に期間限定で開催されたのを最後に、以後報じていない。
かっぱ寿司の食べ放題はどうなっているのだろうと久しぶりにググってみると、いつの間にか平日限定で全国にて恒常化しているではないか! しかもコースが3種類に増えている。「食べ放題」そして「選べるコース」となれば、これはコスパをガチ検証するしかあるまい。
・3つのコース
まずは、現在のかっぱ寿司の食べ放題について簡単に説明しよう。開催されているのは平日のみ。ランチは11時半から14時までで、ディナーが17時から20時まで。利用するにはネット経由での予約がマストだ。公式アプリか公式HPから予約可能となっている。
コースはレギュラーコース、スペシャルコース、そしてプレミアムコースの3種類。値段は性別、小学生、小学生未満、そしてシニアで違う。今回は私が男性なので男性の値段のみ述べるが、それぞれ税抜きで1680円、1980円、そして2480円となっている。詳しくはHPをご覧頂きたい。
コースによって注文可能なメニューは違っており、一番安いレギュラーコースが最も少なく、一番高いプレミアムコースが最も多い。全てにドリンクバーがセット(一部店舗を除く。詳しくはHPを参照)となっており、制限時間は一律で60分。
基本的な情報はこんな感じだろう。さて、それではこの辺で先にコスパ最強がどれなのかについての結論を述べてしまおう。小食な方や、複数人で来店するならプレミアムコース1択! 20貫食べられるならスペシャルコースもアリ! という感じである。
・コスパとは
なぜそのように結論付けたのかについて説明しよう。まずは言葉の定義付けからである。本記事における「コスパが良い」とは、「いかに少ない量でたやすく元を取れるか」である。「コスパの解釈が違う」という方もいるかもしれないが、今回に限り私の宇宙ではこのような解釈となっている。いいね?
今回の検証は、事前にメニュー表を見ながら、どのコースがコスパ最強かについての予想を立てるところから始まった。何貫食べたら元を取れるのか……つまりは、いかに少ない量で元を取れるのかを計算したわけである。なお、消費税や、女性や子供での値段については面倒なので考えていない。
・レギュラーは34貫
レギュラー(男は1680円)から見ていこう。最もコストが高いのは「まぐろ二種盛り(100円)」など、2貫で100円のものだ。というか、このコースはほぼ全てのメニューが2貫で100円であるように見える。例外は寿司ではないものや、かっぱ巻きなどの巻物。
どのみち2貫で100円のものを頼み続けるほかに道は無いようだ。その方法で1680円分を超えるには、16.80皿……つまり、17皿食べなければならない。一見すると余裕そうだが、2貫で100円なのだ。つまり、実際に食べる量としては34貫となる。
・スペシャルは20貫
次はスペシャル(男は1980円)だ。最もコストが高いのは「中とろ」など1貫で100円のもの。元を取るには19.80皿……つまり、20皿食べなければならない。1貫で100円なので、食べる量も20貫。
・プレミアムは14貫
最後はプレミアム(男は2480円)。レギュラーとスペシャルの差は300円なのに対し、スペシャルとプレミアムの差は500円。これはかなりのプライスアップ。コスパは悪そうに思えるが、とりあえず計算してみよう。
最もコストが高いのは「大トロ」などの1貫180円のもの。元を取るには13.777~皿……つまり、14皿食べなければならない。1貫で180円なので、食べる量も14貫となる。
・コスパ最強はプレミアム説爆誕
この結果と、先述のコスパの良さについての定義に沿えば、最もコスパが良いのはプレミアムコースということに。最も高いものが最も高コスパというパターン。
そもそもレギュラーの34貫など、食べられるのか自体怪しい気がする。スペシャルの20貫は、個人的には割と余裕な自信がある。しかし、小食な方ならこの時点で結構お腹が苦しくなっている気もする。そしてプレミアムの14貫。これはほとんどの方がクリア可能だろう。
ただし注意点がある。プレミアムコースにて提供される1貫180円の寿司は、「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」の2種類しかないという点だ。この2種類のみを合計14貫食べるのが前提。
それに対してスペシャルコースに含まれる1貫100円の寿司は「中とろ」「活〆真鯛」「赤えび」「活〆大ぶりえび」「中とろ塩炙り」「赤えび塩炙り」の6種。そしていささか邪道感があるが「シャリドッグ」と「シャリドッグ~チーズソース~」という選択肢もなくはない。
2種のみで最低14貫食べるか、6種(あるいは8種)で20貫食べるか。そう考えると、スペシャルコースこそ最強とはなかなか言いづらい。2種で14貫は辛い気がする。
しかしである。「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」の合計数が6以上で、残りを1貫100円のメニューで占めるならば、元を取るために必要な最低摂取量は20貫以下になるのだ!
例えば、「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」を合計で6貫食べ、残りを1貫100円のメニューで攻めれば、合計20貫でプレミアムコースの元を取ることができる。「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」を合計で8貫食べれば、あとは1貫100円の寿司を11貫食べることで元を取れる。
同じ寿司は3貫以上食わねぇ! 的な人でもない限り余裕だろう。ということで、もろもろを含め、事前の概算にてプレミアムコースこそコスパ最強である説がここに爆誕した。
・懸念される点
あとは実証するのみ。想定される懸念があるとすれば、私自身が思いのほか小食で、2種で14貫すらクリアできない可能性。そして、制限時間の60分以内に「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」のみで14貫提供するスピードが、お店側に無い可能性。
前者についてはまあ大丈夫なはずである。一応私の1回の食事の量を述べておくなら、例えば「ぎょうざの満州」に換算するとラーメン1玉、チャーハン大盛り、そして餃子1皿。「富士そば」換算なら、そば大盛りとカツカレーの組み合わせとかである。平均よりもやや多く食べる方だと思う。
そして後者について。これはかつてロケットニュース24にて行われた、スシローで10万円食べるという無謀なチャレンジの記事から生じた懸念だ。詳しくはその記事を読んでいただきたいが、途中で寿司がなかなか出てこなく、待ちぼうけを食らったというような描写がある。
かっぱ寿司の食べ放題には60分の制限時間がある。もし待ちぼうけを食らうことがあれば、無視できないタイムロスとなるだろう。はたしてどうなるのか、いよいよ実証タイムである。
・2種で14貫
なお、私は同じ寿司ネタをひたすら食べ続けることにそこまで抵抗はないタイプ。ゆえに、プレミアムコース最強説の確認のため、最短ルートである「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」のみで14貫クリアするスタイルを採用した。
注文は1度に4皿分まで。ということで、「大とろ」を4貫オーダー。
おお、なんということだ。回転寿司だと侮っていたが……マジでしっかり脂がのっていてこってりしているじゃないか……。これは素晴らしい。マジで美味い。これなら14貫どころか「大とろ」の食べすぎでかっぱ寿司を倒産させられそうな気がする。
せっかくなので、続けて「上煮穴子炙り(ハーフ)」もオーダー。
こちらも穴子の脂がトゥルットゥルで香ばしい。しかも穴子自体がデカい。まあ、デカいぶん量を食べなければならない今回の検証においてはやや不利な気もするが、4貫くらいなら平気だろう。
ということで、食べ続けること30分ほど。
「大とろ」を12貫、「上煮穴子炙り(ハーフ)」を4貫で、あっさりと元を取ることに成功。オーバーしているのは4貫ずつ頼んでいたからである。なお、途中で懸念していた待ちぼうけ状態を5分ほど食らった。同じ高級なネタを連続で頼み続けるのはよくないのかもしれない。
・どこまで行けるのか検証
時間は30分残っており、胃袋的にもまだまだいけそうである。ということで、ここからは他のコースも疑似的に検証することに。値段的にはともかく、合計で20貫食べられるなら量的にはスペシャルもグッド。そして、34貫食べられるのであればレギュラーもアリと示すことができるだろう。
残り時間も気にする必要があるため、ここからはなるべく同じものは頼まず、貫数のみを重視していくことに。
ひたすら食べ……
胃に詰め込んでいく。
そして残り時間が10分となったとき、体に異変が。突如として「あかん。なんかもう海っぽいものムリ」となったのである。すでに心地よい満腹的なラインは超えていた。可能か不可能かのみで腹に詰め込んでいる状態である。
これ以上、胃に海的なスメルが入ってきたら、正直リバースもありそうな危機感がある。しかし、10分残して何もせずに終了を受け入れるのはなんだか負けた感がある。でも海産物は無理……
あ、肉あるやん
最後の最後で牛タン炙り(1皿2貫)を4皿分オーダー。これを完食してフィニッシュ。寿司屋にきて締めが肉というのもどうかなと思ったが、まあ貫数を盛るためにはこういうこともあるだろう。
ということで、最終的に食べた貫数は……
36貫
物理的には全コース元を取ることが可能だという結果が。まあレギュラーコースの34貫は時間的にもギリギリで、胃袋は限界を超えた状態だった。人によっては無理だろう。とにかく元を取るぞという覚悟をもって、大食いチャレンジ的な感じで挑まなければクリアはできない気がする。
・プレミアムかスペシャル
最も苦痛なく、またのんびり食べたとしても元を取るという目標をクリア可能なのはやはりプレミアムコースだろう。ただし、推奨する方法は「大とろ」と「上煮穴子炙り(ハーフ)」を合計で8貫ほど食べ、1貫100円の寿司を11貫食べるスタイルだ。
「大とろ」ばかり食べるのも最初は良い気がしたのだが、先に述べた通り脂がたっぷり乗っていて濃厚。とても良い事なのだが、量を食べるという点においてはこれが地味に効くのだ。何事も程よくとはまさにこのこと。
2480円(男性用価格)はちょっとお高い……という方にはスペシャルの1980円(男性用価格)をお勧めする。「大とろ」も「上煮穴子炙り(ハーフ)」も無いが、20貫というのは量的にも程よく思えるしな。
そしてやはり一番お勧めできないのはレギュラーコース(男は1680円)。理由はすでに述べた通り。もし誰かと一緒に歓談しながら……などとなれば、時間的にも34貫は無理だろう。黙って黙々と食い続けなければ到達できない量である。
レギュラーを選ぶくらいなら、このコースに含まれるメニューを個別に注文し、程よくお腹いっぱいになったところで帰る方が安く済むはずだ。ということで、最後にもう一度結論を。小食な方や、複数人で来店するならプレミアムコース1択! 20貫食べられるならスペシャルコースもアリだ!
参照元:かっぱ寿司
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.