2020年1月16日付けでコカ・コーラ ボトラーズジャパンが、同社初となるアルコール飲料「檸檬堂」シリーズの出荷を一時休止するという発表を行った。人気過ぎて生産が追い付かないのが理由だとか。これについては多くのメディアが報じたため、ご存じの方も多いだろう。
「檸檬堂」シリーズについては2019年5月28日の発売に先駆けて、ロケットニュース24でも報じ、度数5%の「定番レモン」をレビュー済み。それにしても一時出荷休止になるほどの人気だったとは凄い。そんなに美味いのか、他の人気なアルコール飲料と飲み比べてみようではないか。
・ストゼロ
今回「檸檬堂」の対戦相手として選んだのは、昨今ではストロング系アルコール飲料の代名詞的になりつつあるように感じる「ストロングゼロ」シリーズから、「196℃ ストロングゼロ ダブルレモン」(以下ストゼロ)をピックアップ。
ストゼロのアルコール度数は9度であることから、「檸檬堂」からも同じ度数の「鬼レモン」を選択。違う度数だと「度数が低いゆえに飲みやすい」的な、微妙すぎることになりかねないからである。
それではグラスに注ぎ、香りなどを確認してみようと思う。まずはストゼロから。
色も香りもまるでスポーツドリンクのようである。なんならアクエリアスやポカリスエットのボトルと中身を入れ替えられても、すぐには気づかない可能性すらあるレベル。
しかし味はさすがに違う。スッと軽く入ってくるが、後味にはやはりアルコール感が強く残る。原材料に含まれているウォッカの影響だろう。ダブルレモンとなっているが、レモンの味よりも舌に残るウォッカのアルコール感の方が強い気がする。「ウォッカをサイダーで割ってレモンを2、3滴」という感じ。
たくさん飲もうと思っても後味のアルコール感が、飲むペースにブレーキをかけてくれる。ちゃんと「酒を飲んでいる」という感覚が常にあるのだ。逆に言えば、口当たりから「酒を飲んでいる感」を強く味わえるともいえる。
・鬼レモン
続いて鬼レモンにいってみよう。「檸檬堂」シリーズは、山口県で作られているものと、埼玉県で作られているものが流通しているが、今回飲むのは山口県のもの。
グラスに注ぐと、色がはっきりと黄色い。飲まなくてもレモンが入っていそうな感じがする。香りもレモン。缶には「レモン1.5個分の果汁」と書かれている。具体的に350ml中の何%がレモン果汁なのかはわからないが、レモンの香りはしっかりする。
味の方もレモンの主張はしっかりしている。そして何より
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> アルコール感が無ぇ! <
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これは度数がどうとかいう話ではなく、アルコール特有のクドさというか、薬品感というか、そういうものがめちゃくちゃ希薄。そしてレモンと程よい炭酸。ほぼレモンスカッシュ的なそういう感じ。なるほど……確かにウマい。
ストゼロは材料にウォッカと明記されており、飲んだ感じも明らかにウォッカなのだが、鬼レモンはその辺りが不明だ。材料にもスピリッツとしか書かれていない。
どんなアルコールであるにせよ、相当にスムーズでヤバい。酒を飲んでいる自覚すらも希薄になってしまう。記事を書かなければならないのでストゼロは2口程度で済ませたが、鬼レモンはそうはいかなかった。
「ん? レモン感凄いな(ゴクゴク)」
「アルコール感もほとんど無いじゃないか(ゴクゴク)」
「缶チューハイでこのクオリティはヤバいわ(ゴクゴク)」
「マジでレモンジュースじゃない?(ゴクゴク)」
という感じで、気づいたら寝ていた。幸か不幸か、私はそんなに酒に強くない。酔って記憶を失くすとか、人格が変わるとかする前に寝てしまう体質。しかし、酒に強い方なら限界突破待ったなしだろう。どこまでも飛んでいける気がする。
人気が出るのもうなずける。怖いですねこれは。口当たりとしてのアルコール感はせいぜい3%とか、それくらいの「ほぼジュース」みたいなチューハイと同等にしか感じなかった。
しかし実際には堂々の9%。いわゆるストロング系と同格。そしてもう一つ。鬼レモンの甘さはストゼロの甘さと質が違う。檸檬堂は、喉に張り付くようなバチバチの甘さではないところも美味い。
原材料を見るに、ストゼロがアセスルファムK、スクラロースと合成甘味料であるのに対し、鬼レモンは果糖ぶどう糖液糖。この違いだと思われる。値段的にも10円しか差はなかった(コンビニにてストゼロは税込み155円、鬼レモンは税込み165円にて購入)ので、これなら鬼レモンを買う。
今回の一次販売休止の報を受けて、「そんなに美味いなら飲んでおけばよかった」と残念に思った方も多いだろう。安心してほしい。TBSニュースによると、コカ・コーラボトラーズジャパンは1月最終週の出荷再開を目指しているそうだ。またすぐに飲めるだろう。
参照元:コカ・コーラ(pdf)、TBSニュース
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.