実は憧れているのだ、声優に。私もプロの声優さんのように声を操り、映像の中のキャラクターに命を吹き込みたい……と本気で思い始めたのが1カ月以上も前のこと。自撮り動画に「語り」を入れるアフレコ動画を黙々と作り、毎日インスタに公開し続けた。すると、1週間後くらいに……
「映画の吹き替え声優、やりませんか?」
なんと、偶然にも、これ以上ないチャンスが舞い込んできたのである! 神は見ていた!! まじめに動画を作り続けて本当によかった〜〜〜!!!
──と思ったが、この話を持ってきてくれた関係者は、私がアップし続けていたアフレコ動画のことなんて知らなかった。神は見ていなかった。ではなぜ、私のようなズブの素人に声優の話が舞い込んできたのか?
その答えは……
今回の映画が『ジュマンジ/ネクスト・レベル』だから!
実は1年ちょい前、上記映画の前作『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』に、私はチョイ役ながら吹き替え声優として参加した。チョイ役どころか一言だけの「一言声優」だが、とにもかくにも参加した。
つまるところ、図々しく言えば、すでに私はジュマンジ吹き替え声優ファミリーの一員であり、そんなジュマンジの続編が、今週末2019年12月13日(金)に公開される『ジュマンジ/ネクスト・レベル』なのである!!
「映画の声優、やりませんか?」の返答は、モチのロンで「もちろん!」だ。その後も趣味で続けていた「自撮り動画のアフレコ動画」は、映画の吹き替え練習にもなるしで一石二鳥、1日も休まず毎日アップし続けた。
そして……
アフレコ自主トレから約3週間後、ついに本番の時がやってきた。どんなセリフなのかはこの日に教えてもらう段取りになっているが、3週間も自主トレしてきた私としては、どんなセリフだってドンと来いだ!
……なんて思っていたが……
やはり3週間の自主トレ程度で何とかなるわけでもなく、当然ながら撮り直しの連続。シンプルすぎる2つのセリフ「タクシー」と「もう一杯いこ〜ぜぇ〜」でOKが出るまでに、なんと20分も要してしまったのだ。
しかしながら、実は内心、手応えもあった。特に「タクシー」というセリフは、あまりにも自然に気の抜けた、脱力しきった「タクシー」だったため、収録直後、スタジオ内部が変な空気になったとの証言も。
それって……
自主トレの成果が出たのかも……!
もしかしてオレ……
声優として成長したのかも……!
ところがどっこい!
「ぜんぜん成長されていませんでしたね(笑)」
ガーン!
吹き替えの総責任者とも言うべき日本語吹替版の演出を務める簑浦(みのうら)氏は、私に忖度(そんたく)することなくノー成長の評価を付けた。そりゃそうだよな……。そんなに甘い世界ではない。
しかし!
「前回よりは今回のほうが全然良かった!」
との嬉しい評価もいただいた!
なんでも、前回は “緊張感を要する兵隊の役” だったのに対し、そもそも私の声に緊張感がないため変に目立ってしまっていたのだが、今回は「緊張感のない役をお願いしたらピッタリはまった!」とのことである。結果オーライ! めでたし、めでたし\(^O^)/
・ザ・良い映画
後日、試写会にて『ジュマンジ/ネクスト・レベル』の吹替版を鑑賞した。やっぱりジュマンジ、面白い。心の底から「やっぱりジュマンジは良い映画だなぁ〜」と思ったし、前作同様、老若男女が安心して楽しめる娯楽作品になってるナ、というのが正直な感想だ。
それと同時に驚かされたのは、吹き替え声優さんたちのプロフェッショナルな仕事っぷりだ。ネタバレになってしまうのでボカして書くが、今回、特に声優さんたちの芸達者ぶりが垣間見えるストーリーになっているのだ。よくもまあ、あんなに……おっと、あぶないあぶない。
それに比べたら私なんて屁のようなものであるが、気の抜けた「タクシー」と、緊張感のない「もう一杯いこ〜ぜぇ〜」も聞けることだし、加山雄三さんやファーストサマーウイカさんも声優っぷりも注目だし、うっかりこの記事を読んでしまった人には、強く「吹替版」の鑑賞をオススメしたい。
洋画は字幕版でないと嫌だ……という人も、今回ばかりは吹替版を、もう一回みよ〜ぜぇ〜。
参考リンク:ジュマンジ/ネクスト・レベル
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24