全国各地の心霊スポットに不定期で突撃する「心霊スポット検証」のコーナー。今回は東京・赤羽にある「旧岩淵水門」へとアタックすることにしよう。
赤羽といえば、最近は飲み屋街としても注目の場所。夜でも多くの人で賑わう街だが……はたして本当に心霊スポットなどあるのだろうか?
・役目を終えた水門
水のあるところ、霊あり──。ダムや湖など、水辺のスポットには何かと不穏な噂や怪談話が付きまとうことが多い。今回紹介する旧岩淵水門も、そんな場所だ。
元々は、洪水時に荒川の水が隅田川に流れ込むのを制御するために作られた水門。現在では水門としての役目を終えているものの、建築物としての価値が高いことから近代化産業遺産に認定され、今もその姿を留めている。
いわくつきの心霊スポットとしても知られており、付近で霊を目撃したという情報がインターネット上には数多く存在する。水死者の霊が浮かび上がるとか、川に飛び込む女性の霊とか、まあ定番といえば定番なのだが……。
そんな旧岩淵水門を検証するべく、筆者は赤羽へと降り立った。
・いきなり出てくる
駅前に広がる飲み屋街の誘惑を振り切り、水門へと向かう。JRの赤羽駅から水門までは、歩いて20分ほどの距離だ。道中は住宅街を抜けていくため、それほど心霊スポットに向かっているという実感は湧かない。
しかしながら、新河岸川のあたりまで来ると少しずつ妖しい雰囲気が漂い始める。新志茂橋を渡り、さらに奥へと足を進めると……。
突如として、巨大な建造物が闇夜に浮かび上がる。
旧岩淵水門のお目見えである。水門の上部は歩いて通ることができ、川に浮かぶ小島へと続いている。この小島も「出る」スポットらしいのだが……。さっそくウロウロしてみることに。
・意外に怖くない?
しばらく水門周辺を探索してみたが、結論からいうとドキドキ度は少し控えめ。その理由は、姿こそ見えないが人の気配を感じられるから。
水門付近は暗いのだが、荒川の対岸にはビルが立ち並び、その光は水門まで届いている。また西の方角を見ると新荒川大橋が掛かっており、その上を車がビュンビュン走る姿も目視することが出来る。
つまり人里離れたヤベェ場所に来ちまった……という心細さがないので、そこまで恐怖は感じないのだ。ちょっと物足りないかな~なんて思いながら写真をパシャパシャ撮っているうちに、あることに気付いた。
・ダークな写真、撮れます
撮影した写真を見直してみると、どれも本当に素晴らしいのだ(自分でいうのも何だが)。サイレントヒル的というか、バイオハザード的というか、いずれにせよホラーゲームの世界に迷い込んでしまったような、実に雰囲気のある写真が撮れているのだ(自分でいうのも何だが)。
その理由は概して2つある。ひとつは光の加減。前述したように、遠くからの光が届く一方で水門付近は暗い。その結果、影絵のように木々や水門の姿がクッキリと闇に浮かび上がり、迫力のある写真が撮れるのだ。完全に真っ暗だと、こうはいかないだろう。
そしてもうひとつは、水門が「巨大建造物」であること。山奥にある廃墟とかと同じで、人為的に作られたものが闇に佇んでいる感じが非常に良いのだ(ホラー的な意味で)。
つまるところ、旧岩淵水門は初級レベルの怖さながら、上級レベルの迫力ある写真を撮れるスポットだということ。心霊スポットにオススメもクソもないかもしれないが……ビギナーにはオススメの場所だ!
Report:グレート室町
Photo:RocketNews24.
▼ゲームではないが、なんとなく『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』ぽさも感じる。なんとなく