ロケットニュース24

【新ジャンル】グツグツとパスタが煮える「石焼生パスタ」を味わいに行ってみた / これは “パスタの正統進化形” かもしれない

2019年11月24日

突然だが、パスタという料理を人間に例えるとするなら、皆さんはどんな人物を思い浮かべるだろうか。「突然パスタを人間に例えさせるな」という声も聞こえてきそうだが、そこはひとまずこらえてほしい。パスタにも種類はあるものの、上品で大人しい、そんなキャラクターを想像する方が多いのではなかろうか。

しかし今回ご紹介するのは、エネルギッシュかつ豪放な雰囲気を漂わせるパスタである。なにせ名前は「石焼生パスタ」だ。「石焼」と「パスタ」。疎遠に思える要素を結びつけたそのメニューのことが、情報を入手した時から気になっていた筆者は、実際の味を確かめに行くことにした。

東京・恵比寿駅から徒歩約3分。目当ての「COVER.」というお店のあるビルにたどりつく。

階段脇の立て看板には「ぐつぐつ石焼生パスタ」の文字と画像が。名前の通り、円形の石焼皿に盛られたパスタがぐつぐつと煮えている

期待をあおられつつ速やかに入店する。事前知識がなければ看板に釘付けになっていたと思われるので、その分のタイムは縮めることができた。

用意されているメニューはミートソースやトマトソース、ペペロンチーノなどだが、誤解しないでほしいのはこれらがただのパスタではなく、ことごとく石の上で焼かれる点である。エキサイトせざるをえない。

今回は「国産黒毛牛の濃旨ミートソースパスタ(990円)」を頼んだ。注文後、10分ほどで実物が到着。

ソースにぼこぼこと泡が立ち、とめどなく湯気がのぼっている。こんなにハシャいでいるミートソースパスタを見たのは初めてだ。普段とキャラが違う。

パスタを巻いて口に含むと、冗談抜きに熱々のおでん並に熱くて驚いた。一瞬しらたきを食べているのかと愚かにも錯覚してしまったが、口に広がるミートソースの味わいが虚像のしらたきを押し流していく。

さらに驚かされたのは、豪快な見た目に反して、パスタそのものは非常に繊細な味をしていることだ。黒毛牛の旨味とソースの酸味がいきいきと弾けながらも、互いに絶妙に折り合いをつけている。つるつるとした生麺の感触も手伝って、とても上品な仕上がりに感じる。

では普通のパスタと変わりないかと言えば、決して違う。石焼ならではの熱によって美味しさがグッと底上げされて舌に迫ってくるようだし、その美味しさが最後まで持続するのも石焼のおかげだろう。

変わったメニューだからといって王道から逸れているわけではなく、既存のパスタの正統進化形のように思える一品だ。寒い季節には温まれるし、「石焼生パスタ」が冬のパスタの新たなスタンダードとなる日も近いかもしれない。

いやはや、貴重な体験をさせてもらった。人間もパスタも、接してみなければわからないというわけだ。皆さんも石の上で踊るパスタに、出会いの妙を感じてみてはいかがだろうか。

・今回紹介した店舗の情報

店名 COVER.
住所 東京都渋谷区恵比寿南2-2-7
営業時間 11:30~14:30(LO 14:00)、18:00~23:30(LO フード 22:30 ドリンク 23:00)
定休日 無休

Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.

▼石焼皿でぐつぐつとパスタが煮える「石焼生パスタ」

▼本当に熱々

▼豪快な見た目だが繊細で上品

▼最後まで美味しい。パスタの正当進化形かもしれない

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日本、〒150-0022 東京都渋谷区恵比寿南2丁目2−7
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