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【缶詰マニア】猟師が狩猟から加工までを行った『エゾシカの缶詰』を食べてみた結果 → 壮大なスペースオペラが詰まってた

2019年11月18日

限定品。この言葉に弱い人は多いだろう。通常は企業が生産数を絞る時に使うことが多い言葉だが、生産手法の問題でやむをえず少量のみしか作れないものもある。その1つが通販サイト『狩人の蔵』で販売されている「エゾシカの缶詰」だ。

北海道のガチ猟師が狩猟から加工までを行っているこの缶詰は、大量生産不可な一品。そんな「エゾシカの缶詰」を食べてみた!

・猟師の加工品が売られているサイト

鹿肉と熊肉を取り扱う通販サイト『狩人の蔵』。サイトを見ると、缶詰以外にも、ブロック精肉やソーセージ、スモークハム、焼肉用に加工した肉などが売られている。これらは全て店主が狩猟から加工までを行ったものとのこと

購入までの流れについては、以前「ヒグマの缶詰」を購入した記事をご覧いただくとして、さっそく、届いた「エゾシカの缶詰」の梱包を開けてみたところ……

相変わらずの手作り感


シンプルなデザインのパッケージに大きく「蝦夷鹿」の文字。パッケージの紙がマットな質感でおそらく普通紙なのもインディーズ感があって素敵である。ちなみに価格は税込620円。

・ゴロゴロ肉

缶詰を開けてみると、やはり立ち込めるのは味噌煮の香り。独特な匂いなどはこの段階では感じない。それにしても、何気に量が多いな。皿に出してみると、ざっくりと裁かれた感じの厚い肉が次から次へと転がり出してくる。


それもそのはず固形量は110グラム。ヒグマ缶詰の2倍近い量だ。食べてみたところ……

若干のどにつっかえるパサッとした肉の食感はツナに近い。とは言え、外側の歯ごたえはしっかり獣肉の弾力性があり、なんか不思議。

・臭みについて

噛んでいると、独特の野性的な風味がするのはこの肉のクセだと思うが、ふわっと漂うくらいのもので臭みというレベルではない。このことについて、缶詰と共に送られてきた『狩人の蔵』の冊子には以下のように書かれていた。

「(中略)鹿肉は臭(にお)いがきついというイメージが一般的です。それは、きちんと処理がされていないから。狩った後の現場での速やかな血の処理、輸送中の温度管理、時間等を徹底すれば、本当に美味しい肉です。問題とされる臭いは鹿それ自体がもともと持つものではなく、ハンター(手順の悪さ)によって生み出されたものであります(以下省略)」

──とのこと。『狩人の蔵』の鹿肉は確かに臭くはない。つまり、このクセが鹿肉の本当の味ということになる。ウマイ

ヒグマとそんなにウマさが変わらないのに、100円以上安く量も2倍近いこの缶詰。自然界ではヒグマに捕食される立場であるエゾシカだが、缶詰界のコスパにおいてはヒグマとの闘いに勝利している

自然界の天敵を缶詰界で撃破したエゾシカ。地球を巡る生命の輪すら感じさせるその壮大な闘いの叙事詩(サーガ)は、もはやスペースオペラと言っても過言ではない。タイトルをつけるなら『北海ウォーズ エゾシカの帰還』か。

缶詰はただの保存食ではない。そこにはそれぞれの物語が詰まっている。今回もそんな物語を知ることができた。620円は非常に安かったと言えるだろう。

関連リンク:狩人の蔵
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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