ロケットニュース24

【大食い検証】びっくりドンキーで10万円分食べられるのか? 男5人で挑戦した結果… / 第3回「10万円食べるもんズ」

2019年11月11日

登山家がただ目の前の山を登るように、競走馬がただ全力でゴールを目指すように、ただ目の前の料理を食べ続ける男たちがいる──。そう、我々ロケットニュース24が誇る大食い専門部隊「10万円食べるもんズ」だ。過去の戦績は0勝2敗ながら、その姿に涙した人も多いに違いない。だがしかし……。

そんな「10万円食べるもんズ」に、厳しい視線を送る男がいた。彼の名前は佐藤英典(さとう ひでのり)氏、ロケットニュース24の「元祖大食いエース」である。今回、我々が国内最大級のハンバーグチェーン店「びっくりドンキー」に挑戦しようとしたところ、佐藤氏から思いがけぬ申し入れがあったのだ。

・俺たちの誇り

「10万円分食べられるのか?」というシンプルなルールにのっとり、過去にサイゼリヤスシローで激闘を繰り広げた10万円食べるもんズ。結果的に惨敗だったことはさておき、これだけは誓って言える「全員が限界まで食べ続けた」と。

そう、10万円食べるもんずに限らず、我々は過去に実施した大食い企画の際「これくらいでいいだろ」的に手を抜いたことは1度もない。ただの1度もだ。手抜きは読者への裏切りであり、そしてまた大食い精神に反する卑劣な行いだからである。

・伝説の男、登場

ただ、いま思えばそれすら甘かったのかもしれない。いつしか我々の中に「ベストを尽くせばそれでいい」という空気があったのだろう。そんな空気を機敏に察知した佐藤氏が、びっくりドンキーへ向かおうとする我々の前に立ちはだかった──。


佐藤氏「おい、お前ら。これまで黙ってたけど、どうせ10万円分は食えないと思ってるんだろ? ……そんなもんやめちまえ! たかだか10万円分すら食えないなんて、情けないと思わないのか!! だからお前らはいつまでもチンケなド3流ライターなんだよ! このダボハゼどもがッッ!!」

突然のブチギレにうろたえたものの、確かに佐藤氏の言い分には一理ある。だがしかし、我々の本職はあくまでライターであり、大食いファイターではない。実際問題として、10万円の壁はとてつもなく高いのだ。そう告げると、佐藤氏は先ほどまでの鬼の形相から一転、仏のような笑顔でこう語りかけてきた。


佐藤氏「俺もお前らが憎くて言うてるんやないんやで? 早く俺の見えとる世界を見せてやりたいだけなんや。よっしゃ、今回は俺も参加したろ。赤子のようなお前らに “勝利の味” を教えてやるよってに。ワシが参加するからには “100万ドル食べるもんズ” でもええんちゃうか? ガッハッハ!」

さすが、ワシントンポストに登場した経験を持つワールドワイドな佐藤氏である。「世界の佐藤」の異名はダテではない。また、我々にとっても豊富な経験を持つ佐藤氏の参戦は、大きなアドバンテージである。私、P.K.サンジュン、あひるねこ、K.ナガハシ、Yoshio、そして世界の佐藤の5人は「びっくりドンキー」に足を進めた。

・びっくりドンキーに勝つ方法

今回対戦する「びっくりドンキー」は、言わずと知れた国内最大級のハンバーグレストランチェーン店である。ボリューミーかつ激ウマなハンバーグが手頃な価格で味わえるとあって、当日も多くのお客さんで賑わっていた。とはいえ、実は我々には佐藤氏以外にも、とある勝算があったのだ。

それは「びっくりドンキーの価格が全国一律ではない」という事実である。びっくりドンキーは同じメニューでもエリアごとで違う価格設定を採用しており、今回決戦の舞台となったびっくりドンキーは偶然にも「最も価格の高いびっくりドンキー」であった。

10万円食べるもんズ、必勝のセオリーは「とにかくコスパが悪いものを食べ続けること」である。そういう意味で今回の店舗では「日本一コスパの悪いびっくりドンキーのメニュー」を探し当てることが可能なのだ。少々汚い戦法ではあるが、勝負とは非情なもの。びっくりドンキーの首が見えた──。

というわけで、いよいよ始まったびっくりドンキーへの挑戦。だがしかし、まさか我々の中に裏切り者、すなわち「ユダ」がいることを知る者はいなかった。そして世界の佐藤氏はどんな限界突破を見せてくれたのか? 男たちの死闘は後半へGOだ!

参考リンク:びっくりドンキー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

【大食い検証】びっくりドンキーで10万円分食べられるのか? 男5人で挑戦した結果… / 第3回「10万円食べるもんズ」(後半)

・裏切り者が……いた

我々が目を付けたメニューは「コロコロステーキ(1338円)」と「ねぎポンおろしバーグステーキ150g(1038円)」の2つ。コスパの悪さは当然として、脂肪分の少ない2つのメニューはまさにラッキーアイテムでしかない。弁慶の泣き所ならぬ、ドンキーの泣き所である。

序盤、各自快調に飛ばし、次々と鉄板が空になっていく。この作戦はハッキリ言って大成功。どちらもサッパリと食べられるだけでなく、抜群のウマさであったことは言うまでもない。このペースならば意外と早い段階で決着が付く。……と思われた矢先のことだった。

メニューを眺めていたYoshioが、全メンバーに向かって以下のようなプレゼンをしてきたのである。


Yoshio「ねえねえ! ちょっとこれいいんじゃない!? この “ミスサラダ”ってやつ!! 豆腐とかしか入ってないのに498円ってコスパ悪ッ! 豆腐なんてチュルンッ……じゃん!! 俺これ注文するけど、誰か他にも頼む人いる!?」

Yoshioの言う通り、ミスサラダは豆腐が入った和風のサラダで、同じサラダでも「シーザーサラダ」や「マーメードサラダ」よりコスパは遥かに悪そうに見えた。さらに言えば、やや肉が重くなってきたタイミングも重なり、我も我もとほぼ全てのメンバーがミスサラダを注文した……のだが。いざミスサラダが到着すると……。


デケェェェェエエエエエ!


ファミリーサイズやないか!!!!!!!


メニューではわからなかったものの、ミスサラダは完全に「みんなで1つを食べるサイズ」のサラダであり、1人で食べようものならそれだけでお腹がいっぱいになってしまうほどのジャンボ仕様だったのである。悪意の有無にかかわらず、結果的にYoshioの軽率な行いはユダ級の災いを引き起こした。

・あの男しかいない

確かに肉と比べた場合、野菜はサッパリしている。だが、カサが多く胃を満たす速度は肉よりも早い。味を変えるために他のメニューなどにも果敢に手を出したが、この段階で付け合わせポテトと野菜のクリーム煮がボディブローのようにジワジワと効いてきた。絶体絶命のピンチ。こんなときに頼れるのはあの男しかいない。


佐藤「どうした、お前ら? この死線を超えられるかどうかが勝負の鍵なんだ。ただ、お前ら小僧どもには死線を超える知恵も勇気もあるまい。ならば俺が一撃でびっくりドンキーを葬ってみせよう……(首をコキコキ)。巻き起これARASHI!」


「佐藤トルネードォォォオオオオオオオオ!!!!!」






でも全然減ってねぇぇぇぇえええええ!!!!!

奥義「佐藤トルネード」でもどうにもならなかったことは事実であるが、一方でこの日もっとも量を食べたのは佐藤であったことはお伝えしておきたい。他のメンバーが平均5皿であったところ、佐藤は実に7皿を完食していた。さらに言えば、デザートでジョッキパフェも平らげていたから驚きだ。

最年長の45歳であるにもかかわらず、この食いっぷり──。ここまで食べられる45歳は、日本広しと言えどそう多くはあるまい。私は思わず呟いた。「佐藤さん、何者なんですか?」と。すると佐藤はこう言った……。


「ハンバーーーーーーーグ!!!!!!!」


結果的に、今回の合計金額は「3万4590円」だったから、10万円食べるもんズはまたしても惨敗を喫したことになる。コスパの悪いメニューで攻めまくってもこの結果だったから、逆説的ではあるが「びっくりドンキーは超コスパがいい」と言えるのではなかろうか。

とにもかくにも、佐藤の意地やYoshioの裏切りなど、様々なドラマがあった10万円食べるもんズ「びっくりドンキー」篇。3度目の敗北ではあるが、我々は諦めない。なぜなら俺たちは10万円分食べるために結成された世界に1つの特命チーム「10万円食べるもんズ」だからだ──。

参考リンク:びっくりドンキー
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.

▼実は8月にロケは終わっていたのだが、1度ほぼ書き終わってたテキストが消えてやる気を失くしたため、このタイミングになりました。

サイゼリヤ篇はこちら。

スシロー篇はこちら。

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