ロケットニュース24

【ガチ検証】13万6000円の最新アシストスーツ『マッスルスーツ every』を着て重いモノを持ち上げたらこうなった

2019年11月5日

2019年11月1日、イノフィスより最新のアシストスーツ「マッスルスーツ every」が発売され話題になった。マッスルスーツて……! いやマッスルスーツて……ッ!! 名前だけでこんなにワクワクが止まらない商品も珍しいのではないか。

「マッスルスーツ every」最大の特徴は、重い物を持ち上げる、つらい姿勢を維持するといった身体に負担がかかる動きを、電力不要でサポートしてくれる点にある。その分、税抜13万6000円と決して安くないお値段にはなっているものの、今回我々はこのスーツを真面目に購入。実際に装備して重い物を持ってみることにした!

・マッスルしたい

マッスルスーツと聞いて、個人的に真っ先に思い浮かぶのが少年サンデーの名作『スプリガン』だ。主人公・御神苗優が身にまとう「アーマード・マッスルスーツ」を私(あひるねこ)も着たいよーーー! というわけで、噂の「マッスルスーツ every」をさっそく装着。


これが……最新鋭のアシストスーツだァァァアア!!













muscle(マッソゥ)……!

・13万6000円を着てみた

実際に着てみると、スーツというよりはリュックを背負っている感覚であまり重くない。ベルトは腰、肩、胸、お尻の部分にあり、それぞれ締め具合をアジャスタで調整していく。


ももパッドを前にまわすと、ちょっとだけマッスルスーツ感が出てきたような……。

・空気でマッスルする

注目は腰部分に装着した筒状の空気入れだ。そう、この「マッスルスーツ every」は電気ではなく、空気圧を利用するのである。


この筒をシュコシュコを30~45回程度ポンピングすると……


空気が背中に背負った人工筋肉に充填される。その後、内部の圧力が高くなると収縮して補助力が発生するという仕組みだ。この力は先述した ももパッドにも伝わることになる。

・いざマッスル

さあ、これで準備は完了だ。人工筋肉内蔵で最大25.5kgfの「マッスルスーツ every」さえあれば……もうオレの敵は宇宙人だけだぜ! と、御神苗っぽいセリフを口にした後は、試しに重い物を持ち上げてみるとしよう。


10kg分の米を持ち上げ……


隣のベンチに……


移動する。


うん、楽かも。

・分かったこと

使ってみて改めて分かったのは、この製品の主な目的が作業に伴う腰への負荷軽減にあるという点だ。なので前傾姿勢で重い物を持ち上げた時でも、腰にかかる負担は非常に少ない。背筋がプルプルするようなことがないのである。

ただ一点、勘違いしてほしくないのは、このスーツを着たからといって別に肉体がパワーアップするワケではないのだ。あくまで動作の補助であり、見て分かる通り腕の部分は完全に生身なので、重い物を持ったら当然重い。最初は冷蔵庫くらいイケるかと思ったけど、普通にムリだったわ。

・検証

ここでスーツを着た場合と着ていない場合との負担の差を比較するため、それぞれの状態で米10kgを持ち、数メートルを10往復するという極めて地味な検証を実施してみることに。まずスーツを装備した状態で試してみると……。


まあ、疲れるよね。先ほど書いたように腕は補助されていないので、ずーっと10kg持ってたらそりゃ疲れますわ。ではお次はノースーツでトライ。同じような姿勢で米を運んだところ、疲れることは疲れるのだが、それ以上に驚いたのが……。


腰がもう、ハチャメチャに痛い……! 前傾姿勢で運んだからか、下腹部から腰にかけてのダメージが段違いなのだ。もともと腰痛持ちってのもあるかもしれないけど、一撃必殺! というよりは、じっくりコトコト破壊されていくイメージである。マジ無理なんですけど~。

・腰のために

かなりぶっちゃけると、スーツを着た当初は「これ意味あるのか?」という感想だった。だって、重い物持ったら重いんだもん。『スプリガン』で見たんと違うッ! と憤りを感じたものである。が、繰り返すようにこの「マッスルスーツ every」は、あくまで補助装置なのだ。

身体への負担を減らして腰痛を防ぐ。それが最大の目的と言えるだろう。その効果は作業時間が長くなるほどに実感できるのではないか。今後、介護や農作業の現場などで広く求められるはずだ。13万6000円……決して安くはないが、そう考えると高くもないのかもしれない。

参考リンク:イノフィス「マッスルスーツ every」
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼動画もあるぞ!

モバイルバージョンを終了