食べてみると、案外美味しいというパターンはよくある。しかし中には「よくこれを口に入れたな!」と、驚かされる食材も少なくない。例えばシュールストレミングとか、普通はお近づきになりたくないやん?
食に対する人類の関心は、尽きることがないということか。ついに地球外生命体にまで手を出したようで『エイリアンスープ』なるものを発見した。商品として売っているからには食べたら最後、体を内側から乗っ取られたりするヤツではないはずだ。まさかね。
・税込540円のエイリアン
記者が博多駅の土産売り場をブラついていた時のこと。もつ鍋セットや明太子など、 “定番の福岡土産” とシレっと肩を並べる『エイリアンスープ(税込540円)』に遭遇した。
「いやいや、そんな一般的な土産物じゃなかろ? そもそも食べられるん?」と突っ込まずにはいられなかった、この気持ちをおわかりいただけるだろうか。とは言え、記者の知らないうちにエイリアンは一般的な食べものになっているのかもしれない。急いで確かめなければとブツを手にレジへと向かった。
・ガンを飛ばされた
帰宅し、落ち着いて『エイリアンスープ』のパッケージを見ると “焼きワラスボまるっと一尾入り” と書いてある。ワラスボはハゼ科の魚で、鋭い歯と退化した目を持つ不思議な魚だ。確かに “有明海のエイリアン” だなんて呼ばれたりするしな。
なるほど、エイリアンの正体はワラスボということなのか? あれやこれや考えながら、カップの封を開けてみるとそこにいたのは……若干しゃくれ気味のワラスボだった。めっちゃこっち睨んでるぅぅぅー! 目が退化しているはずなのに睨んでるように見えるぅぅぅー!!
それなりの心構えをして開封したにも関わらず、ビックリだ。調べてみると『エイリアンスープ』を製造販売しているのは、福岡県柳川市の食品会社「夜明茶屋」。当サイトで以前にも、同社のエイリアンラーメンを紹介していたぞ。
・実は美味しいワラスボ
気を取り直して、実際にスープを飲んでみることにしよう。ワラスボをはじめ、乾燥ネギやスープの素など備え付けの具材をカップに投入。あとは既定の線まで湯を注ぎ、蓋をして1分蒸らせば完成だ。
蓋を開けると、先ほどより心なしか柔らかな表情をしたワラスボがお目見え。醤油出汁の良い香りがたまらない。口に含むとしっかり目の味で、酒を飲んだ後にも良さそうだ。ワラスボ自体にも味が付いていて、かじると旨味がジュワっと口に広がる。
何ごとも見た目で判断することなかれ。そのビジュアルとは裏腹に、今回の件でワラスボの内面はとってもイケていることが判明した次第。この世には、まだまだ知らない美味しいモノが隠れているのかもしれない。『エイリアンスープ』は、そんな可能性の欠片を感じさせてくれる一品でもあった。
参考リンク:夜明茶屋オンラインショップ
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼エイリアンスープを飲んでみた
▼あの怪物に、熱湯をかけるのだ!
▼エイリアンの正体はワラスボでした
▼カップの中身を出して、湯を注ぐだけで食べられる
▼優しい醤油味です
▼同社製品には「むつごろうスープ」もあるよ
▼こちらはエイリアンラーメンの記事
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]