ロケットニュース24

「日本唯一のおじや専門店」がなぜか原宿のオシャレなカフェだった / そしてかつてないほどオシャレなおじやに震えた

2019年9月29日

前々から思っていたのだが、雑炊やおじやのあの特別感は何なのだろう。高級な料理というわけではない。むしろ突き詰めれば「濡れた米」にすぎないと言っていいくらいなのに、妙に心が引きつけられる魅力がある。共感してくれる方もいるのではなかろうか。

さて、今回はおじやにスポットライトを当てていきたい。というのも、先日「おじやを看板メニューとして打ち出しているカフェがある」との情報を入手したからである。無類の特別感を味わえる気しかしなかったので、現地に足を運んでみることにした。

・2つの顔

ご紹介するのは、東京・原宿にある「bio ojiyan cafe(ビオ オジヤンカフェ)」というお店である。

外観はいかにもオシャレなカフェといった感じだ。店名はおじや性を演出したものになっているが、本当に目の前のお店からおじやが出てくるのかと少々疑念が芽生える。

しかし店内に入り、メニューを開いて確認したところ、衝撃の事実が判明した。

このお店、日本唯一のおじや専門店だったのだ。続けて読み進めていくと、そこには専門店らしいきめ細かなシステムが記載してあった。

まずベースとなるおじや(税抜800円)を注文し、次に出汁を「極みかつお出汁」と「和み昆布出汁」の2種類から選ぶ。

その後、好みに応じてフレーバーを「おろし生姜(税抜50円)」や「柚子胡椒とおろし生姜(税抜100円)」、「自家製キーマカレー(税抜200円)」、「坦々風(税抜200円)」に変更することもできるし……

さらに18種類もの豊富なトッピングを付け加えることもできる。「とろろ(税抜100円)」や「納豆とキムチ(税抜200円)」、「釜揚げしらすと香味野菜(税抜200円)」、「パリパリチーズ(税抜150円)」など、幅広いバリエーションがカバーされている。

疑ったことを心から反省させられるほどの筋金入りのおじや屋だった。とはいえ、繰り返しになるがこのお店はカフェでもある

プラス250円で利用できるドリンクセットには、烏龍茶のほかにコーヒー、紅茶もラインナップされているし、350円でカフェラテやカプチーノも15時まで注文可能だ。

そのうえページをめくるとケーキやアイスが顔を出し、一気にカフェカフェしいことになってくる。「日本唯一のおじや専門店」という事実自体よりも、「日本唯一のおじや専門店が原宿でカフェをやっている」ことの衝撃の方が強い。


・さまざまな魅力

だが、結果として入店前よりも好奇心は高まっている。一体どんなクオリティなのかと期待しつつ、今回はおじやに「ツナと明太子(税抜200円)」をトッピングして注文し、ドリンクはホットの紅茶を選んだ。ドリンクについては単純に「合うのか?」という一心である。

10分ほど経ってメニューが到着。小さなフライパンに入ってやってきたおじやが、かつてないほどオシャレに映る。ただのおじや屋ではなく、おじやカフェの提供するおじやという感じだ。

だんだん自分でも何を言っているのかわからなくなってきたので、実食に移りたい。なぜかおじやに突き刺さっている揚げパンや、何食わぬ顔で寄り添っているタコさんウィンナーもまとめていただこう。

スプーンですくったおじやを口に含み、飲み込む。しっかりと味がついているが、塩辛いというわけではない。濃厚なのだ。適度にとろみのあるご飯は、その1粒1粒にまで余さず出汁が効いていると感じられるほど味わい深い。

凝縮された旨味が喉を通り抜けていったのち、美味しさと温かさが全身に染み渡る。延々と食べていられるハイレベルな仕上がりだ。

スプーンを動かす手をなんとか止めて、トッピングのツナと明太子も投入してみると……

クリーミーな風味とピリッとした辛さが加わり、また違った味わいが生まれる。おじやをカスタマイズすることもなかなかないので、新鮮さも相まって幸福度が高い。

謎の揚げパンについてだが、とろけるおじやのコクを楽しみながらサクサクしたパンをつまむと、口の中にほどよい変化が起きてうならされた。ウィンナーの塩気もスプーン休めにちょうど良い。計算されたおかずたちなのかもしれない。

そしてドリンクに頼んだ紅茶だが、これが意外にもおじやに合う。優しくすっきりした味は、おじやへの没入を邪魔することなく彩ってくれる。それぞれの具材や飲み物にそれぞれの魅力を見出しながら楽しんでいるうちに、フライパンはすっかり空になっていた。


・唯一の場所

というわけで、日本唯一のおじや専門店の作るおじやは紛うことなき絶品だった。見た目に反して胃にしっかり溜まるほどのボリュームもあるので、興味の湧いた方にはぜひとも堪能してみてほしい。

落ち着いた雰囲気のカフェであったことも、満足感に一役買っていたように思う。おじやカフェ……最初は突飛にも感じられたが、今となっては再び訪れたいオンリーワンな場所だ。なんだかよりいっそう、おじやが特別なものになった気がする。

・今回紹介した店舗の情報

店名 bio ojiyan cafe(ビオ オジヤンカフェ)
住所 東京都渋谷区神宮前4-26-28
営業時間 11:00~20:00
定休日 なし

Report:西本大紀
Photo:Rocketnews24.

▼日本唯一のおじや専門店のおじや

▼出汁が味わい深く美味しい

▼豊富なトッピングも楽しめる

▼カフェなので紅茶だって飲める

▼ちなみに、おじや以外に定食メニューがあったり……

▼サラダなんかも充実しているので、とにかくバリエーションが愉快なカフェ

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日本、〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目26−28
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