「親からの最初の贈り物」とも言われるのが、名前だ。だからこそ、多くの人が子供に素敵な名前をつけてあげたいと願っては、頭を悩ませる。でもその気持ちが強すぎて、ときに行きすぎた主張がなされることもあるようだ。
この度もある人が、妊娠中の知人から「あなたの犬の名前をウチの子供につけたいから、犬の名前を変えてくれ」と言われたのだとか。その体験談が SNS に投稿されては話題を集めている。
・知人「子供に、犬と同じ名前をつけるわけにはいかない」
これは、Twitterユーザーのクレイグ・ペンドルベリーさんが投稿した体験談だ。ジェナイさんという女性に対して、ある女性から SNS経由で連絡が入ったそうだ。ちなみに2人は以前、共通の知り合いの命名式で一緒になった仲だ。
「こんにちは、ジェナイ。◯◯（注：ペンドルベリーさんによって隠されている）ですが、覚えてますか？」
「お久しぶりです。もちろん覚えていますよ。元気ですか？」
「妊娠したから連絡したんです。（略）次の子は女の子なんです」
といった会話からスタートする。海外メディア『Bored Panda』によると、ジェナイさんは「おめでとうございます」と返しながらも、実は「なぜこの人は親しくもない自分に連絡をしてきたのだろう」と内心不思議に思っていたという。理由は、すぐに判明する。
「その子をティリーと名付けたいと考えているのですが、あなたの犬の名前もティリーだったことが気になっています。そちらの犬の名前を変えてもらえると嬉しいです（笑）偶然同じだとはいえ、さすがに犬と同じ名前にするわけにはいかないですからね」
・ジェナイさんが「変えない」と言うと……
こんなことをお願いされれば、大抵の人はビックリしてしまうはずだ。でもジェナイさんは冷静にこう返した。
「そうですか。でもそれって、うちのティリーの名前を変える必要はないですよね〜。あなたがうちのティリーに会うことは一生ないでしょうし、誰もうちの犬と同じ名前だって気づかないはずですよ」
失礼でなく、簡潔で理にかなった回答だ。だが相手の女性はそう感じなかったもよう。「いま、どんな気持ちか言い表せないけど、あなたにはとてもガッカリしました」と、次のような強い言葉でジェナイさんに迫ったのだ。
「あなたには子供がいないから、母の愛が理解できないのでしょう。でも、子供のためには何だってやってやりたいものなんです」
「娘の一生にかかわることで、自分に自信が持てなくなったり、人生が狂う可能性だってあります。なのにあなたは思いやりもなく、動物の名前を変えようとしない。犬と同じ名前を持って成長していく人間の気持ちがわかりますか？」
対するジェナイさんが「やっぱりティリーの名前は変えません……」と言っても、放送禁止用語を投げつけながら「考え直して」と引き下がっているのだった。
・ネット上では「犬と同じ名前でなにが悪いの？」などの声
ネット上では、この女性の主張に疑問を感じる人が多かった。「うちの猫の名前もティリーだよ。だから、あなたの子供の名前を変えてくれないかな？ だってうちのティリーの方が、先にこの名前を使っていたんだし」、「犬と同じ名前でなにが悪いの？」、「名前を変えられる犬のことを考えるべき」、「たまに自分って不安定だなあって感じることがあるけど、SNS でこういう話を聞くと、あ、自分は大丈夫だって思えるよね」なんて声が集まっている。
動物と同じ名前で、何がいけないのだろう。アイリスペットが発表している「ネコの名前ランキング」を見ても、ココ、コタロウ、ナナ、メイ、コテツ、ハナ、モモ、サクラなど、人間にもつけられている名前のオンパレード。名前なんて誰かと、あるいは、何かと被ってしまうものだ。さて、知人からこんなお願いをされたら、あなたならどうするだろうか？
参照元：Twitter @BrigadierSlog、Bored Panda、indy100（英語）
執筆：小千谷サチ
Photo：RocketNews24.